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バスで財布を失くした女性「運転士が犯人に違いない」→警察を呼ぶ騒動になるも…その後、判明した乗客の勘違い

  • 2026.7.25
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

白ナンバーの自家用バスで運行する際、自社運行ではなく、外部に委託する場合があります。そんな時に利用されるのが、自家用自動車を対象とする運行請負業者です。

幼稚園や企業、スイミングスクールなど、運行請負業者の業務種類は多岐にわたります。そんなバス会社に勤めていた私は、14年ほど前に専属運転士が忘れ物を盗んだ犯人だと言われた問題に直面しました。

今回紹介するのは、運転士が犯人扱いされた時、奇跡的に忘れ物が見つかって難を逃れたお話です。

忘れ物を盗んだ濡れ衣に困る運転士……まさかの出来事に困惑

14年ほど前、私が運行管理を担当していた業務の1つが、自治体が運行する市内循環福祉バスでした。

ある日、運転士からの電話を受けた私は衝撃的な状況を耳にしました。

「忘れ物をした乗客から、自分が窃盗犯だと言われている」とのことでした。私は自分の耳を疑いましたが、運転士がそんなことをするはずないという確信がありました。

日頃から多くのコミュニケーションを取っていた運転士の1人だったため、人柄をよく理解していたからです。

しかし、一体なぜそんな事態に巻き込まれているのかが不思議でなりませんでした。そこで、状況を細かく聞くと、忘れ物をした乗客がバスに確認に来たところ、紛失物が見つからず運転士が拾得したまま黙っていると言われていたようでした。

その紛失物は、なんと財布!それは乗客も焦ってしまうのも頷けます。

詳しい状況を聞いた私は、電話を切ると慌てて会社を出発しました。

「盗難届を出す」と言われるほど事態は悪化

財布を紛失した乗客は車内をくまなく探し、それでも見つからず、運転士は、乗客が紛失届を出すのだろうと思ったようでした。しかし、乗客から出た言葉は「盗難届」。

 再び私に電話をかけてきたときの運転士は、非常に焦っていました。

普段は温厚な運転士が「まだ来ないのか?俺がこんなに困っているのに!盗んでもいないのに、窃盗犯にされたらどうするつもりだ!」と電話口で叫ぶほどでした。

しかし、現場へ急行している私にとっても、車で15分はかかる道のりでした。イヤホンをつけ、電話で運転士を落ち着かせつつ、車を走らせました。

やっと現場へ到着した頃には、運転士と高齢の女性、そして警察官の姿が見てとれました。

警察まで来ていたことには驚きましたが、財布を忘れた女性にバスの運行会社の者であることを伝え、状況を確認しようと試みました。盗難届を出すとまで言っている乗客だったため、暴言でも飛び出すのかと身構えましたが、女性が意外にも落ち着いていたのが印象的でした。

金銭の紛失は、バス会社や運行を担う自治体にとっても、即座に解決したい事案の1つです。そのため、私も冷静な態度を意識して、女性に利用した座席の位置を確認しました。

困り果てた警察官と車内を探す私

「運行中は忘れ物チェックは困難で、財布の落とし物は見ていない」という運転士。

対する高齢の女性は、「バスにないなら誰かが盗ったに違いない。それができるのは運転士だ」と言い切っていました。

水掛け論の状態に陥った現場では、警察官でさえ困り果てる始末でした。

そんな状況を横目に、私は何度も捜索されたであろう車内を、再度確認してみることにしました。財布が出てこなければ、バスで起きた事案として自治体へ報告書を提出しなければなりません。そんなとき、私自身が車内を見ていなければ、説得力のある言葉は書けません。

また、その一方で忘れ物はまだ車内にあるのではないかと、感じていました。

バス車内では、思わぬところから忘れ物が出てくることが多々あります。見えない場所に隠れた忘れ物を探すのは、4~5年もバス会社で営業担当をしていると、なぜか得意になるものです。

やはり、通常の忘れ物チェックでは気づかない小さな裁縫道具や自転車の鍵まで出てきました。しかし、なかなか財布は見つかりません。

女性が座っていたという座席の隙間からは、ティッシュのゴミが出てきました。そこで、ふと気づいたのが、よくある乗客の勘違いです。

座席の勘違いから生まれた疑惑は乗客を信じたからこそだった

乗客から聞いた座席の前後を調べ、隙間に手を入れて探していきます。小さな持ち物は、座っている間に隙間に入り込んでしまうからです。

そこで、指先に触れたのは小さな小銭入れでした。振ってみると小銭が数枚入ったような音がします。早速、乗客の女性に財布を見せて確認すると、ご自身の持ち物であることがわかりました。

運転士は、乗客から聞いた場所を必死に探したそうです。それも、乗客の話を信じて対応したからこそ、座席の違いによって見つけられなかったのでしょう。

この時は大きなトラブルにならずにすみましたが、乗客の勘違いはよくあるものです。

特に、座った座席の位置は記憶が曖昧になりがちです。私自身も忘れ物をしたことがあります。そんなとき、しっかり忘れた物の特徴や利用した座席を伝えるようにしています。

みなさんも、もしバスへの忘れ物で困った時は、諦めることなく利用した時間や行先、利用した座席などを伝えてみてください。バス会社は、問い合わせがあれば丁寧に探してくれることでしょう。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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