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修理費100万円超も…レッカー車も簡単には進入できない「前のクルマが通れたから」で相次ぐ危険運転

  • 2026.9.2
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皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

近年、夏になると各地でゲリラ豪雨が発生し、短時間で道路が冠水したというニュースを目にします。

しかし、多くのドライバーが「少し水がたまっているだけだから大丈夫」「前のクルマも通れたから問題ないだろう」といった判断をし、結果、愛車に深刻なダメージを与えてしまうのです。

実際に、私の目の前で突然の豪雨によって道路があっという間に冠水。そのとき、多くのドライバーが「このくらいなら走れる」と進入した結果、次々と立ち往生する事態が発生しました。

ゲリラ豪雨で会社前の道路が冠水…次々と動けなくなったクルマ

ある夏の日、激しいゲリラ豪雨が降り続き、会社前の道路は短時間で冠水しました。

最初はタイヤの半分ほどだった水位も、雨が弱まらないうちにどんどん上昇し、道路と歩道の境目が見えなくなるほどの状態に。そんな中でも、「このくらいなら通れるだろう」と判断して進入するクルマが後を絶ちませんでした。

しかし、道路の途中まで進んだところでエンジンが停止。そのまま動けなくなる車両が相次いだのです。

さらに問題だったのは、冠水した道路では救援車両も近づけないことでした。レッカー車も簡単には進入できず、雨が収まって水が引くまで救助できないケースもありました。

また、ドライバーが道路と勘違いして軽自動車ごと用水路へ転落し、命に関わる痛ましい事故も発生しています。

冠水した道路では、水面によって路肩や側溝、用水路との境界が見えにくくなります。見た目には浅い水たまりのように見えても、その先には思わぬ危険が潜んでいることがあるため、「少しなら大丈夫」という判断は非常に危険です。

ドライバーの中には「前のクルマは通れたから自分も大丈夫だと思った」と話す人もいましたが、実際には同じ道路でも場所によって水深が異なります。

マンホール周辺や道路のくぼみは見た目以上に深くなっていることも多く、水面だけでは危険を判断できません。

「前のクルマが通れた」は安全の証拠ではない

冠水路で特に注意したいのが、「他のクルマが走れたから自分も大丈夫」という考え方です。実際には、クルマによって条件は大きく異なります。

例えば、SUVのように車高が高いクルマと軽自動車やセダンでは最低地上高が違います。また、同じ車種でも速度によって水の巻き上がり方は変わります。勢いよく走れば、タイヤが大量の水を巻き上げ、エンジンルームへ入り込みやすい状態となるのです。

さらに、前のクルマが通過した直後でも、水位が数分で上がることは珍しくありません。ゲリラ豪雨では、わずかな時間で状況が一変するため、「さっきは通れた」はまったく安心材料にならないのです。

特に危険なのが、エンジンが空気と一緒に水を吸い込んでしまうケースです。

水は空気のように圧縮できないため、エンジン内部の部品が損傷し、いわゆるウォーターハンマー現象が起きることがあります。

こうなると、エンジン載せ替えが必要になるケースもあり、修理費が数十万円から100万円を超えることも。車両保険の契約内容によって補償される場合もありますが、加入状況や事故状況によって異なるため、すべてが補償されるとは限りません。

冠水した道路では「引き返す勇気」が愛車を守る

冠水した道路を見つけたら、最も安全なのは進入しないことです。少し遠回りになったとしても、迂回できる道路があるなら迷わずそちらを選びましょう。

「あと少しだから」「急いでいるから」と無理に進むことで、高額な修理費や長期間クルマが使えない状況につながる可能性があります。また、万が一冠水した道路でエンジンが停止した場合は、何度もエンジンを再始動しようとしないことも重要です。

もしエンジン内部まで水が入り込んでいた場合、再始動によって損傷をさらに悪化させてしまう恐れがあります。

安全な場所へ避難し、ロードサービスや整備工場へ連絡して指示を受けることをおすすめします。

近年は毎年のように各地で線状降水帯やゲリラ豪雨が発生しています。夏の豪雨では、「このくらいなら走れる」という経験や勘よりも、「近づかない」「引き返す」という判断が何より大切です。

ほんの数分の判断が、高額な修理費や愛車との長い別れを防ぐことにつながります。夏のドライブでは、天気予報だけでなく雨雲レーダーも活用し、危険を感じたら無理をしない運転を心がけましょう。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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