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20等級を維持した50代父、子どもの結婚後に発覚した“想定外の現実”「結婚する前に相談していればよかった」

  • 2026.7.22
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

自動車保険の保険料を左右する「ノンフリート等級制度」。長年無事故を続けて高い等級になると保険料は大きく割り引かれますが、この等級は一定の条件を満たせば家族へ引き継ぐことができます。

しかし、この制度は利用できるタイミングが限られており、「もっと早く知っていれば…」と後悔するケースも少なくありません。

子どもが独立してから判明した「等級を引き継げない」という現実

Aさん(50代・男性)のケースです。Aさんは、長年無事故を続け、自動車保険の等級も20等級を維持していました。同居していたお子さんはAさん名義の車を運転、自動車保険で補償されていたため、お子さん名義の自動車保険には加入していませんでした。

しかし、お子さんが結婚して新生活を始めるタイミングで、新しい車を購入。自動車保険へ加入するため相談に来られました。そこでわかったことは、「すでに別居しているため、親の等級を引き継ぐことができない」という事実です。結局、お子さんは新規契約(6等級または条件によっては7等級)から加入することになり、保険料は想像以上に高額になってしまいました。

保険料をご案内すると、Aさんは驚いた表情で、

「えっ、そんなに高いんですか?親子なんだから、私の等級をそのまま使えると思っていました」

と話されました。

私が「親子間で等級を引き継ぐには、同居していることなど一定の条件があります。お子さんが独立して別居した後では、引き継げないケースがほとんどなんです」とご説明すると、「そうだったんですか…。結婚する前に相談していればよかったですね。そんな条件があるなんて全く知りませんでした」

と、残念そうに肩を落とされていました。

さらに、「子どもが結婚することばかり考えていて、自動車保険まで気が回りませんでした。まさか手続きのタイミングでこんなに保険料が変わるとは思ってもいませんでした」と苦笑いされていた姿が、とても印象に残っています。

等級は誰にでも引き継げるわけではない

自動車保険の等級を引き継ぐことを「等級継承」といいます。ただし、誰にでも自由に譲れるわけではありません。

一般的には、配偶者や同居している親族(祖父母、親、子など)への引き継ぎが可能です。また、配偶者は別居していても対象となる場合があります。一方で、子どもが結婚や就職などで別居した後では、親子間であっても等級継承ができなくなるケースがほとんどです。

つまり、「いずれ車を購入する予定がある」「近いうちに結婚や独立を予定している」という場合は、同居している間に手続きを検討することが重要になります。

なお、保険会社によって細かな条件があったり、保険期間内に別居しても等級継承が可能な場合があったりと、取り扱いが異なるため事前に確認しておくと安心です。

「親が損をするだけ」とは限らない

等級継承は、年齢の若い人にとって保険料を安く抑えられメリットのある方法ですが、「親の等級を子どもへ譲ると、親は新規契約になって損をするのでは?」という疑問も残ります。

確かに、高い等級を子どもへ引き継ぐと、親が新たに契約する保険は通常6等級からのスタートになります。しかし、一定の条件を満たせばセカンドカー割引(複数所有新規契約の特則)を利用できる場合があります。

親がすでに一定以上の等級の契約を持っており、2台目として新たに契約する場合などは、通常の6等級ではなく7等級からスタートすることが可能です。結果として、親子それぞれの保険料ではなく、世帯全体で見ると保険料を抑えられるケースも少なくありません。

ただし、この方法も、子どもが同居していることなど一定の条件を満たしている必要があります。別居してからでは利用できない場合があるため、やはりタイミングには注意しましょう。

ライフイベントは保険を見直すタイミング

自動車保険は毎年更新するものというイメージがありますが、補償や保険そのものを見直すべきタイミングは、結婚や就職、子どもの独立、車の買い替えといったライフイベントの時です。

今回のAさんのように、「知らなかった」だけで子どもが高い保険料を何年も払い続けることになってしまうケースは珍しくありません。等級継承やセカンドカー割引は、条件や手続きのタイミングが非常に重要な制度です。

ご家族の生活が変わる予定があるなら、「まだ先だから」と考えず、一度代理店や保険会社へ相談しておきましょう。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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