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なぜ?猛暑が腸内環境を悪化させる理由。「ヨーグルトを食べる」では全然足りない!

  • 2026.6.26

暑さが本格化するこれからの季節、「しっかり寝ても疲れが取れない」「なんだか体がだるい」と感じていませんか?

こうした暑さによる不調は「夏バテ」と思われがちですが、実はその正体、猛暑によって腸内環境が悪化することで起こる「お腹の夏バテ」のサインかもしれません。

今回は、小児科医で赤坂ファミリークリニック院長を務める伊藤明子先生に、猛暑と腸の意外な関係、そして腸を守る食べ方について解説していただきました。

猛暑が腸内環境を悪化させる

近年の研究では、猛暑が腸内環境を悪化させることが明らかになっています。

暑い環境では、体温を下げるために体の末端の血管を広げて汗をかく仕組みが働くため、血液が皮膚や筋肉により集中します。その結果、腸への血流が激減し、腸の細胞がダメージを受けます。

さらに、暑さによって腸のバリア機能を支えるタンパク質が壊れることで、腸内環境の悪化が一気に加速してしまいます。

さらにやっかいなのは、腸が「壊れやすく、治りにくい」状態に陥ること。

腸は本来、傷ついても自分で修復する力を持っています。しかし高温環境では、腸の再生メカニズム自体が抑制されてしまうのです。

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腸を守る「酪酸産生菌」は暑さに弱いのが弱点

近年、世界中の研究者から最も注目を集めているのが、酪酸を作り出す「酪酸産生菌」です。

酪酸は、大腸上皮細胞のエネルギー源となり、腸のバリア機能を強化し、慢性炎症を抑え、さらには脳機能や睡眠にまで影響する「万能な短鎖脂肪酸」として、近年急速に研究が進んでいます。

ところが、この酪酸産生菌は、猛暑による熱ストレスでもっとも減少しやすい菌の一つなのです。

酪酸不足が招く「3つの不調」

酪酸産生菌が減って酪酸が不足すると、さまざまな不調があらわれやすくなります。代表的な3つをご紹介します。

1. 抜けない疲労感

酪酸はもともと、腸のバリア機能を支えるタンパク質の発現を促進し、腸管バリアを強化しています。酪酸が減ってバリアが緩むと、本来通らないはずの細菌の破片や毒素が血中に漏れ出します(=腸漏れ)。

漏れ出した炎症因子は全身を巡り、肝臓などで慢性的な炎症を引き起こします。この慢性炎症が、「しっかり寝ても疲れが取れない」「体がだるい」「微熱感が続く」といった夏特有の疲労感の正体である可能性が指摘されています。

夏の疲労感は「暑さで体力を消耗したから」だけではなく、「暑さで腸管が弱ってしまったこと」や「酪酸不足で腸が漏れ、慢性炎症が起きているから」かもしれません。

2. 寝付けない・眠りが浅い

近年の研究で、酪酸をはじめとする短鎖脂肪酸が、腸と脳を結ぶ「腸脳相関」を介して睡眠の質に深く関わっていることが明らかになってきました。

酪酸は、睡眠ホルモン「メラトニン」の前駆体であるセロトニン(腸で約9割が作られる)の産生に関与し、また体内時計の調整にも影響します。

猛暑で酪酸産生菌が減ると、寝苦しさだけでは説明できない「眠りの浅さ」「夜中に目が覚める」「朝のだるさ」が生じやすくなります。「熱帯夜のせいだろう」と片付けがちな睡眠不調も、お腹の夏バテのサインかもしれません。

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3. 夏風邪をひきやすくなる

酪酸は、過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を誘導し、免疫のバランスを整える働きを担っています。

酪酸産生菌が減少して酪酸が不足すると、免疫の司令塔である腸の機能が乱れ、ウイルス感染への抵抗力が低下します。

「夏風邪をひいた」「冷房で喉をやられた」と感じている人は、もしかすると暑さによる腸内環境の悪化=酪酸産生菌の減少が潜んでいる可能性があります。

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猛暑から腸を守る食べ方「腸内細菌リレーを意識」

「腸活=ヨーグルトを食べる」だけにとどまっていませんか?

それでは猛暑による破壊スピードには追いつけません。猛暑に備えるためには、菌の勢力を強くし、酪酸を作り出す力を鍛え上げる腸活が必要です。

鍵となるのが、腸内細菌が代謝物を受け渡しながらバトンをつなぐ「腸内細菌リレー」を回す食べ方です。

そのカギとなるのが、発酵食品に加えて「発酵性食物繊維」を一緒にとること。

とくに小麦ブランシリアルや、もち麦は、酪酸産生菌のエサとなる発酵性食物繊維を多く含み、腸内細菌リレーを回すのに役立ちます。

むずかしい調理は必要ありません。ヨーグルトに小麦ブランシリアルをかける、もち麦ごはんに納豆をのせるなど、いつもの食事に「のせるだけ」「混ぜるだけ」で実践できます。

朝にオススメ! 小麦ブランシリアル×ヨーグルト

ヨーグルト(150〜200g)に、小麦ブランシリアル(40g前後)をかけるだけ。朝に取り入れることで、腸内細菌リレーが1日の早い時間から回りやすくなります。

昼・夜にオススメ! もち麦ごはん×納豆

もち麦ごはんに、納豆をのせるだけ。朝のブランシリアル×ヨーグルトで始まった腸内細菌リレーを、もち麦の発酵性食物繊維×納豆菌の掛け合わせでさらに加速させます。

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暑さからくる不調を「夏バテだから仕方ない」と片付ける前に、まずは腸を守る食べ方から始めてみてはいかがでしょうか。

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監修者プロフィール

赤坂ファミリークリニック 院長 伊藤明子(いとう・みつこ)先生

赤坂ファミリークリニック院長。東京大学医学部附属病院医師。アスリートの健康管理や腸内細菌についての研究にも精力的に取り組む。東京大学大学院医学系研究科研究員。東京外国語大学卒、帝京大学医学部卒、東京大学大学院医学系研究科卒。近著に『医師が教える子どもの食事 50の基本~脳と体に最高の食べ方、最悪の食べ方』。テレビ・ラジオ・雑誌等各メディアに多数出演・掲載。2児の母。

<Edit:編集部>

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