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5年前、隣に座って10年で“美人アナ”と結ばれた。ヒッチハイク→大ヒット歌手となった「無茶ぶり」司会者

  • 2026.7.30
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2019年10月、テレビ朝日の金曜ゴールデン帯3番組の合同会見に出席した有吉弘行(C)SANKEI

有吉弘行の面白さは、目の前にいる相手から出てくる。ひな壇に並んだ芸人でも、視聴者の投稿を読み上げる進行の場でも、そこにいる誰かのいちばんおかしいところを短い言葉で言い当てて、その場ごと笑いに変えてしまう。いまや大晦日の生放送で司会に立つ人だが、やっていることは変わらない。

2021年4月、その有吉が夏目三久との結婚を発表した。出てきたのは、二人の名前が並んだ自筆のコメントである。相手の夏目は、10年前から同じ番組で有吉の隣に立っていた人だった。広島で組んだコンビから、テレビ朝日のスタジオで隣り合うまで。有吉が立ってきた場所を順にたどってみたい。

持ちネタではなく道中で見つかった

有吉が芸人として組んだ相手は、地元の同級生だった。1994年、広島で小学校から高校まで一緒だった森脇和成と、お笑いコンビ・猿岩石を結成。2年後の1996年、この無名のコンビが日本テレビ系『進め!電波少年』の「ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」に抜擢される。香港を起点に、東南アジア、インド、中東を通ってロンドンを目指す企画である。移動の手段はヒッチハイク。4月に香港を出て、ロンドンに着いたのは10月だった。

ネタも賞レースもない。二人が大陸を進んでいく道中が、そのまま毎週の放送になった。帰国した年の12月には、藤井フミヤが詞を書き藤井尚之が曲をつけた『白い雲のように』で歌手としてデビューした。

芸人が世に出る形としては、かなり変わっている。持ちネタで見つかったのではなく、ヒッチハイクでの移動を引き受けたことで見つかった。

呼び名をつける芸が持ち場になる

2007年8月、テレビ朝日系『アメトーーク!』。有吉はひな壇に並んだ共演者を一人ずつ見て、世間がその人に持っているイメージを短い言葉にして置いていった。

品川庄司の品川祐に置いた言葉が、「おしゃべりクソ野郎」である。その場が大きな笑いになった。名づけられた品川は、この日を境に、周りからその呼び名で扱われるようになる。この一件はのちに「おしゃクソ事変」と呼ばれ、有吉はあだ名の芸人として広く知られていく。

以後、共演者に呼び名をつけることが有吉の仕事になっていく。局が変わっても、座組が変わっても、呼ばれた先で同じことを求められる。2009年2月には、『アメトーーク!』のDVDの発表会に乱入してきた山崎邦正へ、その場で「実力不足」と付けている。

この芸は、一人では成立しない。目の前に誰かが座っていて、その人に来歴や見た目や芸風があって、はじめて言葉が出てくる。持ちネタを持ち込むのではなく、その場にあるものから取り出す。有吉の芸は、ずっとこの形をしている。

隣に座り続けて大晦日の司会へ

2011年4月、テレビ朝日系『マツコ&有吉の怒り新党』が始まった。マツコ・デラックス、有吉、夏目三久の3人。視聴者から届く怒りのメールを読み、それに二人が物申していく番組である。

夏目は日本テレビのアナウンサーだった。2011年1月に退社してフリーになり、その3か月後に始まったこの番組が、転身後最初のレギュラーになる。有吉を世に出したのも、15年前の日本テレビ系の番組だった。二人が並んだのは、日本テレビではなく、テレビ朝日系の新番組である。

同じ年の10月からは、看板コーナー「新・三大○○調査会」が始まる。そのテーマに詳しい人に三つを選んでもらい、夏目が説明し、マツコと有吉がそれを見て言葉を足す。番組は2017年に幕を閉じ、リニューアルという形で現在も続く『マツコ&有吉 かりそめ天国』となった。

2023年から2025年にかけては、NHK紅白歌合戦の司会を3年続けた。初めて立った2023年の第74回では、司会席から歌う側へ回り、藤井フミヤと『白い雲のように』を披露している。着ていたのは猿岩石の頃の衣装だった。

10年の時を経てのゴールイン

2016年8月、有吉と夏目の熱愛がスポーツ紙に報じられた。妊娠していること、年内に結婚することまで記事になっている。ところが、この報道は誤りだった。同じ年の11月、報じた側が謝罪する記事を出している。最初の記事から3か月あまり後のことである。熱愛も、妊娠も、年内の結婚も、書かれたようには起きていなかった。

しかし、2021年4月に二人の結婚が発表される。出てきたのは、事務所を通じた連名の自筆コメントだった。同じ番組に立ってから、10年が経っている。

放り込まれた男がいまは放り込む側へ

2026年1月、『有吉の壁』の劇場版『面白城の18人』が3週間限定で公開された。日本テレビ系のレギュラー番組の人気企画「アドリブ大河」を映画にしたもので、収録は京都の東映太秦映画村。有吉は監督を務め、殿の役で出演もしている。武将になりきった芸人たちに、殿が無茶ぶりをする。しかし『有吉の壁』のレギュラー放送は9月いっぱいまでで、10月以降は特番へ移るが、この番組からは多数のヒットユニットなどが誕生した。

日本テレビ系の企画に放り込まれて世に出たのが、30年前。いまは自分の冠番組で、芸人たちを企画に放り込む側に立っている。


※記事は執筆時点の情報です

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