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68歳でW杯ハーフタイムショーへ! マドンナが“現役レジェンド”であり続ける7つの理由

  • 2026.6.25
Kevin Mazur/MG25 / Getty Images

史上最大規模で開催している2026FIFAワールドカップ。今年から決勝戦のハーフタイムにはNFLと同じようにエンターテイナーによるハーフタイムショーが開催される。記念すべき第1回のショーのパフォーマーに選ばれたのはシャキーラ、BTS、そしてマドンナ。マドンナは今年8月に68歳の誕生日を迎える。失礼ながら年齢だけを見れば「高齢すぎて無理なのでは?」という声が出てもおかしくないのだが、マドンナと聞けば大抵の人が納得する。そこで今回は、70歳間近となっても世界的な歌姫として支持と人気を集める魅力の源は何なのか。キャリアとプライベートから垣間見える7つの理由を分析する。

Kevin Mazur / Getty Images

病に屈しない不死鳥

マドンナは2023年1月、「セレブレーションツアー」の開催を発表する。彼女の40年にわたる歌手生活を祝福(セレブレーション)する記念すべきツアーだった。しかし彼女はそのリハーサルも佳境に入った6月、細菌感染症を患ってしまう。自宅で意識不明の状態で倒れているところを発見され、病院に緊急搬送。そのまま集中治療室に入院した。一時期は意識が戻らないのではないかとか、障害が残るのではないかとかさまざまな憶測が流れた。年齢も年齢であることから、かつてのようなパワフルな歌声は戻ってこないのではないかとも囁かれた。しかしマドンナは見事復活。予定から3か月だけ後倒しの10月にツアーを開幕した。

Kevin Mazur / Getty Images

マドンナは約半年かけてヨーロッパと北米を巡回、81公演をやりきった。ショーで披露した楽曲は公演地によっても異なるが、どのステージでも30曲以上。もちろん座って静かに弾き語り、ではなく踊りあり、ギター演奏ありのアクティブかつアグレッシブなものだった。このツアーは評論家たちから高評価を獲得、チケットはどの公演もあっという間にソールドアウトだった。後に、世界最速で完売したコンサートの1つと報じられている。人間であれば病に倒れることもある。しかしそれに負けずに、「人気歌姫」としてエンタメ界トップに復活する体力と精神力を持っているのがマドンナのすごさ。まさに不死鳥である。

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年齢差別と女性蔑視は許さない

マドンナといえばいくつになっても若い頃と同じような露出高めなキレッキレの衣装でどこにでも登場することで有名。だからこそ、「全身美容整形をしている」「若返りに必死」と中傷されることもある。2023年のグラミー賞授賞式にプレゼンターとして登場したときには顔がむくみ気味だったことから「美容整形のダウンタイム中らしい」「アンチエイジング手術のしすぎで顔が崩れたのでは?」と中傷めいた書き込みがSNSに大量浮上した。マドンナはこれに対して正々堂々と反論。後日メッセージを発表した。

Kevin Winter / Getty Images

この年の授賞式では、キム・ペトラスがトランスジェンダーの女性として初めてパフォーマンス、トロフィーも手にした。マドンナはスピーチでキムを祝福。彼女と、さらにコラボレーターだったサム・スミスの大胆さを讃えた。

マドンナは反論の中で「多くの人は、サムやキムのようなアーティストの大胆不敵さに感謝するという私のスピーチの内容に焦点を当てなかった。カメラマンが長いレンズのカメラで撮った、誰の顔も歪ませるようなクローズアップの映像についてだけ話す方を選んだ」と世間の態度を批判。「私はまたしてもこの世界に蔓延する年齢差別と女性蔑視の目に晒された。この世界とは、45歳を過ぎた女性を祝福せず、意志が強く勤勉で冒険を恐れない女性を罰する必要があると思っている場所だ」。

Kevin Mazur / Getty Images

長くなるが、マドンナの魂の主張ともいえるメッセージなので最後まで紹介したい。「私はこれまで自分がしてきたクリエイティブな選択や自分の容姿、服装について謝罪したことはない。これからもするつもりはない。私はキャリアを歩み始めたときからマスコミによって貶められてきたが、これが自分に耐えられた試練だと理解している。私の後ろに続くすべての女性がもっと楽になるよう、私は喜んで先駆者となる。ビヨンセの言葉を借りれば『私の魂は壊せない(You-won’t break my soul)』。私はこれからも壊していくこと、つまり限界を押し広げ、家父長制に立ち向かい、そして何より自分の人生を満喫することを楽しみにしている。ひざまずきなさい、ビッチたち!(Bow down bitches!)」。ビヨンセは楽曲『Bow down』で批判を跳ね返す強さを歌ったけれど、マドンナはまさにそれを体現してきた1人。ビヨンセもそれに異論はないはず。

Scott Gries / Getty Images

シスターフッドを尊重

「後ろに続くすべての女性」のことを考えているという宣言からもわかるように、マドンナは盗作や中傷などが原因でバトルにならない限り、基本的に女性をディスらない。後輩の歌姫たちを徹底的にサポートする、いわばシスターフッドの権化なのである。古くは2003年にブリトニー・スピアーズとクリスティーナ・アギレラとMTVビデオミュージック・アワードで共演(写真)。もちろんブリトニーもアギレラもそのときすでにブレイクを果たしていたが、マドンナとの共演でさらに箔がついた。またスーパーボウルのハーフタイムショーではM.I.A.とニッキー・ミナージュをゲストに招き、彼女たちの知名度向上に一役買った。2026年にはコーチェラフェスティバルでサブリナ・カーペンターのステージにサプライズ登場、サブリナのステージを最高潮まで盛り上げた。

Kevin Mazur / Getty Images

若さも老いも恐れない

サブリナと共演したそのステージも、マドンナのもう1つの強さを物語っている。 サブリナはボディスーツ&ガーターベルトなどランジェリー風のコスチュームやカールさせたブロンドヘア、コケティッシュなパフォーマンス、ときに炎上も恐れない刺激的なタイトルや歌詞などでシンガーとしての地位を確立した。間違いなくマドンナの流れを汲むアーティストである。その彼女と同じステージに立てば、新旧歌姫として比べられるのは間違いない。下手をすれば「マドンナが衰えた」「マドンナはもうオワコン」と言われてしまう。

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しかしマドンナはその可能性を恐れず、自ら彼女の舞台に立つことを選んだ。それは彼女が自分に自信を持っているから。しかもそれは年齢やキャリアを武器に彼女と闘って勝つ自信ではなく、自分にない彼女の若い感性と自分の経験をお互いに活かし合えるという余裕ある自信。若さをライバル視しない、おおらかな姿勢はすべての大人のお手本になりそう。

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若手との共演ステージは音楽界にとどまらない。2026年6月にパリで開催している2027春夏メンズファッションウィークのサンローランのショー会場に、ボディコンシャスなミニドレスに身を包んだマドンナが降臨。


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その到着を温かく迎え、フロントロウに隣同士で仲良く座ったのがチャーリーXCXだ。

偶然なのか真紅にドレスアップしていたふたり。サブリナがマドンナの王道ポップスターという側面を引き継いでいるとすれば、チャーリーXCXはマドンナのセルフプロデュース力やアンダーグラウンドな要素を包括する革新的な側面の系譜を継ぐといえるだろう。

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新しいものへの挑戦を恐れない

マドンナレベルの大御所になると、自分のスタイルに固執しがちなもの。しかしマドンナは新しいものに挑戦することを恐れない。プライベートでは62歳にして人生初めてのタトゥーを彫っている。「L R D M S E」とアルファベットが5つ並んだシンプルなデザインだったが、これは5人の子どもたちの頭文字。元恋人のカルロス・レオンとの間に生まれた娘ローデス(写真右)、元夫のガイ・リッチーとの息子ロッコ(写真左)、養子のデヴィッドとマーシー、ステラとエスターへの愛を込めて入れたと見られている。

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挑戦を恐れない姿勢は、アーティストとしての生き方にも認められる。2022年にマドンナはNFTアートを3作品発表、オークションに出品した。当時はまだNFTが徐々に広まりはじめた頃で、作品作りにそのアイディアを取り入れているセレブはまだ多くはなかった。そんな中、マドンナはメディアアーティストのBeepleことマイク・ウィンクルマンとタッグを組んで作品を完成。「私は女性のヴァギナから子どもが世界に生み出される方法だけでなく、アーティストがクリエイティビティを生み出す方法も含めて創造という概念を研究したかった」と刺激的なコメントを発表した。

Kevin Mazur / Getty Images

「女性のヴァギナから」というコメントからも想像がつくように、作品は女性のリプロダクティブプロセスをモチーフにしたもの。マドンナが木と交わり、蝶や昆虫を出産する様子が3作品にわたって描き出されている。女性器から虫が飛び出してくる描写はあまりにもリアルで生々しく物議を醸したが、マドンナはセレブ界におけるNFTアートの先駆者となった。しかも当時のマドンナはすでに60代。人によっても異なるがスマホや電子マネーに苦手意識を持ち、中には「らくらくフォン」に手を出す人もいるお年頃である。その年齢で、いち早くNFTというまったく新しい概念に軽々とトライするのがマドンナなのである。

ちなみにこの作品はオークションで約63万ドル(約1億円)で落札された。収益はすべて世界中の女性や子どもたちの支援に取り組む非営利団体に寄付された。

Arnaldo Magnani / Getty Images

常に恋せよ

マドンナは恋多き歌姫として有名。1980年代に有名グラフィティアーティストのジャン=ミシェル・バスキアと交際、ハリウッドの暴れん坊ショーン・ペンと付き合っていたこともある、迫力に満ちた恋愛遍歴の持ち主である。東西海岸のヒップホップ抗争の犠牲者となった2パックや、ジョン・F・ケネディの息子のジョン・F・ケネディ・ジュニアとデートしていたこともある。恋人の数の多さ、華やかさ、多種多様さに欠けてはセレブ界に並ぶものがないといっても過言ではない。

最近は自分よりもはるかに若い男性たちと付き合い続けているのだが、すごいのはほとんど恋人が途切れないこと。2010年から2013年にかけてはダンサーでモデルのブラヒム・ザイバット(写真左)と浮き名を流した。ザイバットは約30歳年下だった。

Stephane Cardinale - Corbis / Getty Images

次に年下振付師のティモール・ステファンズと短いアバンチュールを楽しんだマドンナは、35歳年下のダンサーのアラマリク・ウィリアムズと付き合い始めた。彼とは2022年初めに破局する。その後しばらく恋の噂が聞こえてこないと思ったら、翌年にはボクシングトレーナーのジョシュ・ポッパーとデート。ちなみにポッパーはマドンナの養子の息子デヴィッド・バンダのトレーナーを務めていた。2人の破局時期は明らかになっていないが、2024年7月には37歳年下の元サッカー選手、アキーム・モリス(写真左)との恋の噂が浮上した。

長年波瀾万丈な恋を繰り返していれば、ときには疲れてしまうのが世の常。しかしそれはマドンナには当てはまらない。常に恋をし、フェロモン全開にしておく。そのバイタリティが彼女をますますエネルギッシュにさせているのかも。

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セックスをタブーにしない

前出のNFT作品を見ても、マドンナとセックスは切っても切り離せない。デビュー当初から恐れることなくセックスという行為や自らのセクシャリティを楽曲やパフォーマンスのテーマに取り上げてきた。とはいえ、時代はそういった事柄を堂々と論じる女性に厳しかった。保守派から批判され、大炎上したことも一度や二度ではない。90年代に出版した写真集『Sex』はSMやオーラルセックスを取り上げていたことだけでなく、タイトルだけでも物議を醸した。

courtesy of Madonna via Instagram

セックスを恐れない姿勢は60代になっても変わらない。2022年にはSNSに「自分を抑圧しないで」というメッセージを投稿。バイブレーターを口にくわえた写真を披露した。ネックレスについているゴールドのチャームもバイブレーターである。これは女性のためのセルフプレジャーグッズを出している「Crave」のアイテム。マドンナは「残りの人生で1つのものしか身につけられないとしたら、このネックレスを選ぶ」というまで惚れ込んでいた。

動物学的に正しいかどうかはさておき、アメリカでも日本でも、年を重ねるにつれてセックスに対する欲求は薄れていくのが世間のイメージ。残念ながら女性が堂々とセックスについて語ることを不適切だと思う人々もまだいる(だからこそ更年期女性のセックス事情を隠さなかった『セックス・アンド・ザ・シティ』のサマンサが支持を獲得したとも言える)。そんななか、マドンナはセックスについて話題にし、女性たちにセクシャリティを楽しむよう呼びかける。おそらく命果てるまで、自分の欲求から目を背けることなく追求し続けるであろうマドンナ。人生100年時代を美しく、真にアクティブに生きるためのロールモデルなのである。

Jeff Kravitz/MTV VMAs 2021 / Getty Images

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