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世界でもっとも美しい本屋。ポルトガル・ポルトが誇る、120年の歴史を纏った芸術的建築

  • 2026.6.23

CREA Traveller 2026 夏号は「ポルトガル」特集。ヨーロッパ大陸の西の果て、大西洋の大海原を見つめてきたポルトガルの歴史と文化には、海との繋がりが常にあった。郷愁を表現する“サウダーデ”を胸に秘めた情緒的な側面に触れ、海風と太陽、人々の温もりで健やかな感性を取り戻す旅へ。

“美術館のような街”と言われるポルトは、アズレージョで装飾された教会、ステンドグラスから光が注ぐ芸術的な書店など、華麗な宝物で旅人を迎える。


“この街に文化の聖地を”という想いで誕生した

中央の階段はもともと茶色だったが1993年の改装時に間違えて赤に。結果的に採用された。

中央の赤い階段、壁に施された繊細な細工、自然光を取り入れるステンドグラス……。ファンタジー映画のシーンを思わせる“世界で最も美しい本屋”として名高い「レロ書店」は、開店前から行列ができるこの街で最も人気のある場所だ。

ステンドグラスには仕事への姿勢を表したラテン語の「Decus in Labore(労働の尊厳)」と表記。

創業は1906年。ワイン関係の仕事をしていたジョゼ・レロ、アントニオ・レロ兄弟が文学への情熱から立ち上げた。設計したのはエンジニアのフランシスコ・ザビエル エステベス。市長でもあった彼は“文化の聖地になる場所を作る”という想いで、中世のゴシックの復興であるネオゴシックとアール・デコ様式を用いた斬新な内装を生み出した。

書棚のフレームや天井は漆喰を木製に見えるようにデザインし、階段や構造体にはコンクリートを用いるなど、高い建築技術が詰まった“作品”。

書棚には街の人たちをイメージした彫刻が展示。

1920年以降になるとポルトガルにおける文学書の輸出入業者となり、シェイクスピア全巻をポルトガル語に翻訳・出版した。2000年代に入り、“世界で最も美しい本屋”と称されたことで、たくさんの観光客が押し寄せた。店内だけを見て帰ってしまう客が多くなったため入場料制にし、本を購入すればその分は割引することで、書店としての本分を守っている。

趣ある本棚。

取り扱うのは文学を中心に旅や料理、写真集など2万冊以上。地下には『ハリーポッター』の初版本をはじめ希少本を展示しており、プラチナ・バウチャーを購入すれば見ることができる。レロ書店を訪れるきっかけは観光だったとしても、思いがけない一冊との出合いが待っている。

ポルトの街並みやレストランを紹介した本は各19.90ユーロ。

レロ書店(Livraria Lello)

所在地 Rua das Carmelitas, 144, Porto
電話番号 22 200 2037
営業時間 9:00~19:30
入場料/12ユーロ~ ※要予約
https://livrarialello.pt/

文=梅崎奈津子
写真=平松市聖
協力=Visit Porto & North of Portugal

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