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《谷根千・食べ歩き散歩》1尾ずつ焼くたいやきや大正元年創業の甘味処、ジェラートやクレープも別腹で食べながら歩きたい【3選】

  • 2026.6.23
バラエティー豊かな食べ歩きを楽しんで。

谷中・根津・千駄木周辺を指す、通称“谷根千エリア”。古い商店街や寺町の風情が残るこのエリアは、今は東京観光の町歩きスポットとして多くの人が訪れるようになり、外国人の旅行客にも人気です。

そんな谷根千エリアはグルメの宝庫。とりわけ昔ながらの和の甘味から、初夏にうれしいジェラートまで幅広いのが特徴で、お散歩気分を盛り上げてくれること間違いなしです。

今回は、街歩きの途中でもふらりと利用できる“食べ歩きスイーツ”を中心に、谷根千のおすすめスポットをご紹介します。


根津から谷中へ、甘い寄り道のすすめ

◆根津のたいやき

谷根千には和のスイーツが似合う。

東京メトロ千代田線・根津駅を出て、不忍通りを千駄木方面へ歩くこと約5分。谷根千スイーツさんぽの最初に立ち寄りたいのが、1957年創業の「根津のたいやき」です。1916年創業の人形町の老舗「高級鯛焼本舗 柳屋」の根津支店として始まった同店は、2000年に柳屋の暖簾を返上したそうですが、今なおこの根津の地でたいやきを焼き上げています。

あんこがたっぷり。

「よく“こだわりはどこですか?”と聞かれますが、この言葉はどこか1カ所にだけ力を入れているように聞こえるのであまり好きではありません。すべての要素に余すところなく気を配ることが大切で、だからこそ良い商品ができるのです」(店主の林宣夫さん)

10時のオープンからすぐに行列ができる人気店。

そう語る通り、店主の林宣夫さんは父から学んだ昔ながらの一丁焼きスタイルを磨き続けています。たいやきの型に均等に熱が入るように手早く転がす技、良質な粒だけを厳選した小粒の小豆で作るあんこ、季節によって空気中の水分を吸っても舌触りが変わらないように微調節を加える生地。そのどれもに並々ならぬ熱意が込められていました。

●「たいやき」(230円)

少し焦げた皮目が食欲をそそります。

渾身の焼きたてたいやきは、思わず笑いがこぼれてしまうおいしさです。香ばしい焦げとパリパリで小麦の香りが広がる薄皮。その中に頭からしっぽまでギュッと詰まった熱々で滑らかな舌触りのあんこは、まさに絶品。ほのかな甘さは小豆と皮の香りを邪魔せずに包み込む見事なバランスで、これは行列ができるのも頷けます。

根津のたいやき

かわいい看板。

所在地 東京都文京区根津1-23-9-104
電話番号 03-3823-6277 ※混雑時は対応不可
営業時間 10:00~14:00
定休日 土・日曜・祝日(変則的になる場合あり)

店内で甘味を食べるか、アイス最中を食べ歩くか

◆甘味処 芋甚

レトロなショーケースに胸躍る。

「根津のたいやき」から根津神社方面へ数分歩くと見えてくるのが、老舗「甘味処 芋甚」です。1912年創業で、元は焼き芋を扱っていたそうですが、関東大震災を機にいわゆる“ミルクホール”のようなお店へと業態を変え、その後今の甘味処スタイルに落ち着いたのだとか。店内で食べられるスペースのほかに、通りに面した持ち帰り用カウンターも設けられており、食べ歩きにも最適です。

老舗の味。

現代的でくつろげる空間デザインは、34歳のときに父の営んでいた同店を引き継いだ4代目店主・山田博康さん発案の改装によるもの。ですが、店先と店内には、地元に住む常連のイラストレーターが寄贈したという“改装前のお店を描いたイラスト”も飾られており、地元で息づいてきたお店の歴史もしっかりと感じさせてくれます。

寄贈されたイラスト。

「小さい頃から父が働いているのを見てきたので、引き継いだときに大きな苦労はなかったですね。長く愛してくれているお客様のためにも、できる限り昔から続く味を守れるように頑張っています」(店主の山田博康さん)

SNSを見てふらりと訪れたカップルから、長らく通っている地元のマダムまで、訪れるお客さんたちを魅了しているのが、自家製のバニラアイスクリームと小倉アイスクリーム。この味を求めて足しげく通う常連さんは後を絶ちません。

●「アベックまめかん」(700円)
お店の名物アイスが2つとも味わえる豪華なあんみつ!

店内でいただくのは、レトロなネーミングセンスが可愛らしい「アベックまめかん」。その名の通り、名物のアイスクリーム2種類を贅沢にいただけるこのメニューは、どちらのアイスにするか選べなかったお客さんの要望で誕生したのだとか。アイスの魅力を邪魔しない程よい甘さのあんこと黒蜜、そしてプルプル食感の寒天とのバランスは絶妙です。なかでも心を奪われたのが小倉アイス。とろける口どけのアイスはなんと牛乳不使用。豆の濃厚さのみで作っているという老舗の技には驚かされます。

●「バニラアイスモナカ」「小倉アイスモナカ」(各150円)
手のひらサイズで気軽に食べられるのがうれしいアイスモナカ。

新鮮な牛乳に粉ミルクやコンデンスミルクなど、実に4種類の乳製品を組み合わせたバニラアイスクリームは、滑らかな口当たりなのにも関わらず、まるで氷菓のようにさっぱりとした後味が特徴。その秘密は、上白糖の上品な甘みと卵を使っていないことにあるのだそう。パリパリ食感の香ばしいアイス専用モナカと共に頬張れば、夏の暑さも吹き飛ぶはずです。

甘味処 芋甚

根津の街を見守り続けてきた。

所在地 東京都文京区根津2-30-4
電話番号 03-3821-5530
営業時間 11:00~18:00(L.O.17:40)
定休日 月曜(2026年10月〜2027年3月は月・火曜)

風通しのいいカフェでジェラートとクレープを

◆やなかなかカフェスタンド

木箱のようなテーブルと椅子が並んだユニークな店内空間。

続いて谷中銀座方面へ歩いて甘い寄り道をもう一軒。千駄木側から商店街に入ると奥に見えてくるのが「やなかなかカフェスタンド」です。T字路の角という立地のおかげもあり、窓が開け放たれたその店内は実に開放的。グッドデザイン賞の受賞経験もある、千駄木の建築設計事務所KUUが手がけたというお店のデザインは、モダンでありながら谷中銀座商店街の雰囲気によく馴染んでいます。

そんな同店ですが、元々は谷中エリアが大好きだったという店主の山﨑なつみさんが、2018年にオープンさせた「グルグルジェラート」というお店が始まりでした。しかし、今や人気商品となっている“クレープ”を出すには少々手狭に感じていたこともあり、姉妹店として2025年11月に、そこから徒歩数秒の現在の場所にも出店することを決意したそうです。

世界中の人に愛される店に。

「私が北海道の生まれでして、地元の食材を使った商品を提供したかったのです。お店の看板商品でもある手作りのジェラートは、提携している北海道の牧場のしぼりたてミルクを牧場そばの工場で新鮮なうちにジェラートにし、空輸で店舗に運んでいます」(店主の山﨑なつみさん)

元々甘いものに目がなかったという山﨑さん。地元北海道の味を東京に届けたかったというこだわりには、日本人のみならず外国人観光客たちも魅了されているようです。

●「ジェラート(シングル)」(500円)
北海道の特産品ハスカップの爽やかな酸味。

自慢のジェラートの中から今回いただいたのは、同じく北海道産というハスカップを贅沢に使用したフレーバー。こだわり抜いた北海道産牛乳はどのジェラートにもベースとして使用されているそうです。軽くて甘さ控えめな口当たりと、最後に感じられる濃厚なコクのバランスは絶妙で、そこにハスカップのベリーのような爽やかな酸味と香りが加わっており、気がつくともう一口食べてしまうクセになるおいしさ。

●「チョコバナナ生クリーム(クレープ)」(900円)
小麦粉では味わえない米粉独特の軽さがおいしいクレープ。

クレープメニューの中でも一番人気という「チョコバナナ生クリーム」。熱々のクレープはグルテンフリーの米粉を使っているそうで、小麦粉ベースのものよりも厚みがあり、かじるとそのもっちりとした食感に魅了されてしまいます。

食べ歩きの王様!

北海道産牛乳で作った生クリームの口どけはとても軽やかで、しつこさは全くありません。山﨑さんが目指している“毎日食べられるスイーツ”というコンセプトの通り、挟まれているバナナとチョコソースも甘さ控えめなので、ペロリと食べ切れるはずですよ。

やなかなかカフェスタンド

まさに“街角”にある。

所在地 東京都台東区谷中3-8-11
電話番号 非公開
営業時間 10:00~18:00
定休日 無休

歴史を感じる熱々のたいやきから、北海道の風を感じるコク深いジェラートまで、谷根千を散策すれば甘い誘惑の数々に思わず足を止めてしまうこと請け合いです。暑さが本格化する前に、穏やかで心休まる谷根千をスイーツ片手に歩いてみてはいかがでしょう。

文=むくろ幽介
写真=鈴木七絵

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