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専門家が推奨する、住宅の価値を高める15のポイント

  • 2026.6.19
DeVol

住まいにとって最大の価値とは、自分自身がその空間をどれだけ楽しめるかにある。とはいえ、どのような投資が将来的に「利益(リターン)」をもたらすかを知っておいて損はない。いつか売却する時が来たとき、知識の有無が大きな差となって現れるからだ。

実際のところ、現在の買い手、とりわけ独自の審美眼を持つトレンドセッターたちは、誰にでも受け入れられるような無難で退屈な物件にはさほど惹かれない。むしろ個性が光る、こだわり抜かれた住まいに強く魅せられる傾向にある。「細部まで考え抜かれ、美しく仕上げられた住まいは、どこにでもあるような一般的な家よりもはるかに魅力的です」と、不動産仲介会社「オーコート」のオーナー兼ディレクター、ダニエル・オブライエンは語る。

「重要なのは、誰もが憧れるような洗練された雰囲気でありながら、同時に現実的な暮らしやすさも感じられる空間を提案を示すことです。そうすることで買い手は、『一からすべてを作り直す』という、多くの人が尻込みしてしまうような大掛かりな苦労をすることなく、少しずつ自分好みに住まいをアップグレードしていく未来をイメージできるようになります」

また、莫大な費用を投じる必要もない。リノベーション並みの予算をかけずとも、価値ある魅力的な“デザインの見せ場”をいくつも作り出すことは十分に可能。「買い手が恋に落ちるのは、建物の構造や空間の広さだけではありません。そこへ移り住むことで手に入る“ライフスタイル”そのものに惹かれるのです」と、デザイン住宅に特化した不動産会社「ザ モダン ハウス」および「イニゴ」の査定代行責任者、ジョージア・グランフェルドは指摘する。

「売却物件のリスティングを見る際、買い手は空間の複雑な構造を深く理解しようとする前に、まずは壁に飾られたアートや家具に目を向けるということが証明されています」では、具体的にどこへ資金を投じるべきなのだろうか?住まいをよりいっそう魅力的にブラッシュアップしたい人のために、住宅の専門家たちが提案する賢い投資法をここで紹介しよう。UK版「レッド」より。

The Modern House

一流のデザインに投資する

目先の出費を抑えるために安価な設備を選びたくなるかもしれないが、名だたるブランドへの投資は、支払った金額以上の価値(リターン)を確実にもたらしてくれる。「築年数を経た住宅では、『プレイン イングリッシュ』や『デヴォル』のシェーカースタイルのキッチンがよく見られます。これらは、敷石やクオリータイルの床、さらには『アガ』や『ラカンシュ』の大型オーブンレンジと非常によく調和するのです」とグランフェルドは語る。

ただし、過度な期待は禁物。一流ブランドの製品は確かに個人的な満足感や資産価値を高めてくれるが、買い手側としては注意も必要。「ドイツ製のコンロのように、厳選された設備は住まいの格を引き上げますが、それらは買い手の購入決定を後押しする、あくまでささやかな一因にすぎません」とオブライエンは指摘する。「これらは、こだわり抜かれた細部への目配りや、目の肥えた買い手が重んじる職人技の証となります。しかし、その影響力は通常、立地や全体の延床面積、屋外スペース(庭など)といった要素に比べれば二の次になるのが一般的です」

Victoriia Kovalchuk / Getty Images

照明にこだわる

買い手は、ありきたりで退屈な照明といったディテールにも敏感に気づくものだ、とオブライエンは指摘する。しかし、正しく照明を選び抜けば、将来的に実りあるリターンをもたらしてくれる。なかでもムラーノガラスの照明は、人気も資産価値も高まっているスタイルであり、自分自身の暮らしの満足度も引き上げてくれるに違いない。「家全体に配する照明を丁寧に厳選することは、多様なシーンに対応し、人々を温かく迎え入れる雰囲気を演出するうえで不可欠です。これこそが、日々の暮らしの質を左右する鍵となります」と、不動産投資会社「オーガスト」のデザイン責任者、カロリーナ・ヴィエルズビッカは語る。

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建物の優れた骨組みを守る

仕上げのクオリティの高さは絶対条件。「特に歴史ある住宅において、建物の本来の構造や素材に配慮しながら注意深く修復作業が行われている場合は、その価値が大きく高まります」とグランフェルドは語る。「あるいは、それがミッドセンチュリーの名作住宅であるなら、オリジナルの特徴をできるだけ多く残すことが、最終的には資産価値を高めることにつながるはずです」

in4mal / Getty Images

新旧をミックスする

人気の高い伝統的な建築様式の特徴住まいの価値に大きな役割を果たす。なかでも機能性と美しさの両方を兼ね備えたもの(例えば、実際に使える暖炉や装飾窓など)は、不動産価値を高める極上の要素となる。そこに、モダンな要素をほんの少し加えるのも効果的。

「伝統的な特徴が、その家ならではの個性を尊重した現代的な改修によって補完されているとき、住まい全体の価値と注目度は大幅に高まります」とオブライエンは指摘する。

鍵となるのは「本物であること」。「購入を検討している買い手には、安価な代替品や、お粗末な修復作業は瞬時に見抜かれてしまいます」

Oleg Breslavtsev / Getty Images

長く使える上質なマテリアルを選ぶ

もしリノベーションの投資効果を高めるために、たったひとつだけ実践することがあるとすれば何だろう?「時代に左右されない、タイムレスなデザインに投資することです」とオブライエンは提案する。「石や木、金属など、経年変化を楽しめる美しい仕上げや素材を選ぶといいです」

グランフェルドによれば、かつては「プロの厨房にのみ使われることが多かった素材」であるステンレス製の天板が、現在は高い人気を集めているという。一方で、「テラゾーやコルク、漆喰仕上げといった素材は、空間により遊び心のあるニュアンスをもたらしてくれる。

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断熱性など住宅性能に配慮する

「トレンドを追いかけるのではなく、住まいが本来持つ根本的な魅力を高めるリノベーションに注力すべきです」とオブライエンは語る。「エネルギー効率の向上といったいくつかの投資は、市場の状況に左右されない普遍的な価値を持っています。これは経済的なメリットだけでなく、生活の質や環境面という点でも同様です」

実際のところ、家探しをしている人々は、環境への配慮を証明する確かな“お墨付き”を強く求めている。グランフェルドによれば、光熱費の高騰や気候変動を背景に、現在はより高いエネルギー性能証明書の格付けや優れたエネルギー効率が、物件選びにおいてこれまで以上に重視されるようになっているという。

Gokcemim / Getty Images

自分らしさと目的を指針にする

収納棚をカクテルバーへと生まれ変わらせたり、階段下のデッドスペースをアンティーク調の絵付けタイル貼りのパントリーに仕立て直したりしたからといって、それが常に高値での売却を保証してくれるわけではない。「投資へのリターンは、どのような仕様にするかによって変わってきます」とオブライエンは語る。しかし、自分自身が満足し、それだけで十分に価値があると感じられるのであれば、それは極めて有意義な資金の使い方だと言える。

とはいえ、空間の利便性を高める工夫、例えば、窓辺に設けたベンチシート1階のトイレをリモデルしたユーティリティルームなどは、思いがけず不動産価値の向上につながることもある。「買い手が惹かれるのは、単に見栄えが良いだけの空間ではなく、明確な目的を持って緻密に作り込まれた空間なのです」とオブライエンは指摘する。

Eric Gregory Powell / Getty Images

自然素材の塗料を取り入れる

サステナブルな暮らしへとシフトする大きな流れは、塗料選びといった細部にまで波及している。「壁に粘土塗料や調湿性のある塗料を塗ったり、床に天然石を用いたりと、自然由来で実用的、かつ耐久性に優れた素材を積極的に取り入れる傾向が強まっています」「築年数の経った古い住宅の修復作業では、建物の通気性をしっかり保つために、石灰塗料や西洋漆喰が以前よりもはるかに多く用いられるようになっているのです」

「全体的に見て、『エドワード・ブルマー』のようなブランドが展開する天然顔料の塗料など、有害物質を含まないオーガニック素材を選ぶ人が増えています」

Maria Korneeva / Getty Images

庭もしくはアウトドア空間を育てる

では、屋外の空間はどうだろう?そこには無限の可能性が広がっている。「植栽の計画から、庭を彩る家具にいたるまで、買い手を惹きつける要素は実に様々です。家庭菜園や果樹を好む人もいれば、観賞用多年草や石を配した庭を好む人もいます」とグランフェルドは語る。

成功のための秘訣は何だろう?それは“引き算の美学(レス・イズ・モア)”だ。「多くの人は、手入れに手がかかりすぎる庭は敬遠したいと考えています」とグランフェルドは言う。「それに、本当に植物を育てるのが上手な園芸愛好家であれば、むしろ自分の手で庭をいじる機会を大いに楽しみたいと思うものです」

Edwin Tan / Getty Images

量(部屋の数)より質を重視する

使われずに放置されている予備の部屋を、広々とした贅沢なバスルームにしたいと思っていない?自分が心から望む場所に貴重なスペースを充てることは、間違いなくその空間で過ごす満足度を高めてくれる。そして、ベッドルームが1つ減ったからといって、必ずしも物件の資産価値が下がるわけではない。さらに言えば、「ベッドルームを広々としたバスルームや書斎に作り変えたり、あるいは2つの部屋をつなげて、より広く開放的な空間を生み出したりしたとしても、その住まいは変わらず非常に好条件で買い手がつきます」とグランフェルドは語る。

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想像の余地(改修の余白)を残す

事前にリノベーションなどのお膳立て済めておくことには、確かに買い手を引きつける魅力がある。「建築コストが高騰している現代において、買い手は自分たちでリノベーションを手がけることに、少し慎重になっています」とグランフェルドは指摘する。しかしその一方で、買い手が自ら可能性を思い描けるような“余白”を残しておくことにも、また別の価値がある。例えば、増改築の建築許可をあらかじめ取得しておいたり、自由に手を加えられる広めの空間をそのまま残しておいたりすることだ。

「住まいが持つポテンシャルは、特にクリエイティブでデザインへの意識が高い買い手にとって、非常に強力な魅力となります」とオブライエンは語る。「大切なのは、その可能性を際立たせることです。細かく仕切られすぎた空間は物件の魅力を狭めてしまうことがありますが、開放的でライフスタイルに合わせて柔軟に変えられる住まいであれば、より幅広い層の顧客の心に響くはずです」

Victoriia Kovalchuk / Getty Images

床面積の拡大を試みる

資産価値を高めるための、最も一目瞭然な方法とは何だろう?それは、空間を大幅に広げること。「延床面積が住まいの価値に影響を与えるのは間違いありません」とグランフェルドは語る。「しかし、デザインや間取りも極めて重要です。部屋と部屋の間に心地よい動線はあるでしょうか。また、光や景色を最大限に活かせるように空間が配置されているでしょうか」

Lesley Lau

屋外に「もうひとつの部屋」を作る

「近隣や通りからの視線を遮って、プライバシーを確保したい」。そう考えたとき、豊かに茂る植栽を植えるのはひとつの解決策だが、最終的な投資効果という点では、必ずしも長く持続するわけではない。「成長した成木を植えることは、目隠しになり、物件の格調を高めてくれますが、その分コストも高くなりがちです」とオブライエンは語る。

「私なら、代わりに庭の離れのような、全天候型で実用的なスペースへの投資を検討します」実際のところ、庭の使われていないデッドスペースは、新たな空間を構築するための真っ白なキャンバスと捉えるべき。

「離れやプレハブなどの屋外建造物は、市場に出ている他の物件との明確な差別化に大いに役立ちます」とグランフェルドは指摘する。「私たちの顧客には非常にクリエイティブな層が多く、音楽制作や絵画といった趣味を楽しむためのアトリエを探しているケースがよくあるのです」

Handcrafted Movement / Getty Images

あるいは「離れ」へとアップグレードする

もし、その屋外空間をそれ単体で生活が完結する独立した空間にできれば、物件の評価は最高ランクになる。「そこをゲスト用の宿泊スペースや、賃貸に出せる独立住居へと生まれ変わらせることができれば、さらに理想的です」とグランフェルドは付け加える。

その効果は数字が証明している。離れのある住宅の平均価格は、この人気スペースを持たない同条件の住宅の売り出し価格を20%以上も上回っているのだ。

ひとつ提案を挙げるなら、「ボニ」のモバイルホームを取り入れるのはどうだろう?オーダーメイドでつくられるこのチャーミングな屋外建造物は、一見すると控えめで愛らしい佇まいでありながら、職人技と無限の可能性を秘めている。床暖房や大きな丸窓から、専用のバス・トイレ、さらには野生の草花で彩られた緑化屋根にいたるまで、こだわりを尽くした仕様が施されている。

xizeng lu / Getty Images

売却価格の上限を意識する

「リフォームによるリターンを得るという点では、可能性は無限大というわけではありません」とオブライエンは、過剰投資のリスクがあるとして警告している。「特に、改修内容があまりにも特化していたり、物件が明確な価格上限のある地域にある場合はなおさらです」

端的に言えば、その物件の価値は郵便番号次第ということだ。

original text : Bella Evennett-Watts

>>UK版『RED』のオリジナル記事はこちら

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