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インテリア界に大きな影響を与えた、7名の伝説的インフルエンサーたち

  • 2026.6.18
Jack Robinson / Getty Images

インテリアの世界は、空間に命を吹き込む素晴らしいデザイナーやスタイリストによって彩られているが、そんな彼らに影響を与えているのは一体どんな人物たちなのだろうか――それは、画家や建築家から、ファッションデザイナー、編集者にいたるまで、さまざまな分野で活躍し、歴史に名を残してきたレジェンドたち。彼らは、美しい空間というタペストリーを織りなす永遠の糸のような存在として、私たちをずっと魅了し続けている。

今回のリストに名を連ねているアイコンのひとりで、園芸家で慈善家のバニー・メロンは、かつてこう語っている。「デザイン界において、達成されていないことはもうひとつもありません。ワクワク感を生み出すのは、発見することの喜びなのです。そして、古いアイデアと一人ひとりのオリジナリティをかけ合わせることに、面白さがあるのです」

美を追求するどんな分野においても、過去への敬意なしに未来を描くことはできない。インテリアの領域への注目度がこれまでにないほど高まっている今こそ、このフィールドに多大な影響を与えた、以下の“元祖インフルエンサー”たちを振り返るのにふさわしいタイミングと言えるだろう。

【アイコン1】イヴ・サンローラン:世界を股にかけるデザイナー

ビル・ウィリスがデザインしたモロッコ・マラケシュの自邸にて ©YVES SAINT LAURENT ©FONDATION PIERRE BERGÉ

ファッションデザイナーのイヴ・サンローランが、ビジネスパートナーであり当時の恋人でもあったピエール・ベルジェとともに初めてモロッコを訪問したのは、1966年のこと。この国、とりわけマラケシュという街の魅力は瞬く間に2人を虜にし、その後数十年にわたりサンローランのクリエイションに大きな影響を与え続けることになる。

サンローランが過ごしたマラケシュのヴィラ Penske Media / Getty Images

やがて2人は、フランス人の画家ジャック・マジョレルが造ったマジョレル庭園に隣接するヴィラを手に入れ、インテリアデコレーターのビル・ウィリスを招き入れて内装を依頼。マラケシュの鮮やかな色彩と光に無限のインスピレーションを見出したサンローランはついに、年のうち2回はこの地へ足を運び、自身のコレクションをデザインするまでになった。

【アイコン2】ダイアナ・ヴリーランド:アヴァンギャルドなオピニオンリーダー

自ら「地獄の庭」と呼んでいたNYの自宅のリビングルームでくつろぐヴリーランド Horst P. Horst

1939年から1962年まで、世界最古のファッション誌『ハーパーズ バザー』のファッションエディターを務め、その後10年以上にわたり『ヴォーグ』の編集長を務めたダイアナ・ヴリーランドは、スタイルの体現者ともいえるカリスマ的存在。

トレードマークである完璧に整えられた漆黒のボブヘアと、赤という色への偏愛——インテリアデザイナーのビリー・ボールドウィンが手がけ、彼女自身が「地獄の庭」と呼んでいたことでも知られる真っ赤なリビングルームから、ネイルカラーやメイクアップのチョイスにいたるまで——は、ファッション業界において忘れがたい印象を残した。

マキシマリストだったヴリーランド。NYのアパートは、ベッドルームもこのとおり Richard Champion / Getty Images

さらに彼女は、雑誌やそれを取り巻くカルチャーにウィットと深みをもたらしたことでも知られ、名物コラム『Why Don't You?』から、政治家や文化人への取材まで、彼女が手がけるあらゆる記事には確かな本質が宿っていた。

【アイコン3】サイ・トゥオンブリー:成熟した魂を持つ芸術家

トゥオンブリー、17世紀に建てられたローマの自宅にて Horst P. Horst

1958年、エドウィン・パーカー・“サイ”・トゥオンブリー・ジュニアは初めてローマを訪れた。この街はやがて彼の最大のインスピレーション源のひとつとなり、長年にわたる第二の故郷となる。1960年代のローマは、新たなアートを生み出そうとする映画監督や芸術家、文豪たちの熱気に満ちており、街に息づく古代のルーツが、押し寄せる新しいカルチャーの波との鮮やかなコントラストを描いていた。

バージニア州に生まれ、ノースカロライナ州の美術学校ブラック・マウンテン・カレッジで学んだトゥオンブリーは、ローマ滞在中に初めて抽象彫刻を制作し始め、より大きなスケールの絵画にも取り組み始める。そして、テキストや詩、数字を作品に取り込むスタイルもさらに深化させてゆく。

絵画や彫刻がそこかしこに置かれたローマの自邸 Horst P. Horst

彼が暮らした17世紀のパラッツォは、前述の名物編集者ダイアナ・ヴリーランドの手で『ヴォーグ』に紹介され不朽のものとなり、今なお多くのデザイナーやアーティストたちに刺激を与え続けている。

【アイコン4】ビリー・ボールドウィン:粋な美の追求者

自宅の書斎でポーズをとるボールドウィン Horst P. Horst

エレガントでモダンなライン、そして計算し尽くされた空間作りで知られるインテリアデザイナー、ビリー・ボールドウィンのスタイルは、潔いまでに“アメリカン”。彼はスケールとプロポーションの達人であると同時に、色彩の魔術師でもあり、リッチなチョコレートブラウンを世に広めたことでも知られる。

メリーランド州ボルチモア生まれのボールドウィンは、アメリカの著名な建築家で庭園デザイナー、アーティストでもあるチャールズ・A・プラットが設計した家で育った。やがてボールドウィンの仕事は、名高いインテリアデコレーター、ルビー・ロス・ウッドの目に留まり、ウッドはボールドウィンにNYの自分のオフィスで働くよう説得したという。ウッドの死後、ボールドウィンは独立し、ジャクリーン・ケネディ・オナシスやダイアナ・ヴリーランドをはじめとする著名な一族や人物のためにインテリアデザインを手がけた。

アートコレクターで弁護士のリー・イーストマンのためにボールドウィンがデザインした、NYのアパート Horst P. Horst

かつて彼はこう語っている。「好みがどれほど変わろうとも、優れたインテリアデコレーションの基本は変わりません。つまり、人が暮らし、好きなものに囲まれ、心地よさを感じる場所をつくること。ただそれだけの、シンプルなことなのです」

【アイコン5】グロリア・ヴァンダービルト:コスモポリタンな自由人

NYサザンプトンの自宅のベッドルームで、子どもたちと過ごすヴァンダービルト、1972年 Jack Robinson / Getty Images

ファッションデザイナーであり、ソーシャライト、作家、アーティスト、そして海運王&鉄道王コーネリアス・ヴァンダービルトの玄孫でもあるグロリア・ヴァンダービルトは、“アメリカーナ”をクールでボヘミアンなスタイルへと昇華させた女王。

彼女の真骨頂は、キルトで作られたカーテンや、ピンクと白のチェック柄のソファ、あふれんばかりの花柄といった要素を組み合わせ、洗練されたシックな空間へと落とし込むセンス。持ち前の芸術的才能を家族と暮らす住まいに惜しみなく注ぎ込み、空間をモダンでクールに保ちながらも、自由でエクレクティックな色彩とスタイリングのワザを存分に発揮していた。

NYマンハッタンの自宅のリビングルームにて Horst P. Horst / Getty Images

【アイコン6】バニー・メロン:敬虔なナチュラリスト

庭に面した自宅の窓から顔を出すメロン Horst P. Horst / Getty Images

アメリカの慈善家であり、園芸家、ガーデナー、そしてアートコレクターでもあったレイチェル・ランバート・“バニー”・メロンは、インスピレーションに満ちた内装と外観をデザインする並外れた才能を持っていた。その原動力となったのは、舞台デザインを学ぶために大学進学を望むも父に禁じられてしまうという、叶えられなかった夢だったのかもしれない。

バージニア州のハント・カントリーからワシントンD.C.、NY、ケープコッド、パリ、そしてアンティグア島にいたるまで、彼女が所有した邸宅の数々は、それぞれが見事にキュレーションされた美の結晶だった。しかしメロンの最たる功績は、卓越したランドスケープデザインのセンスに他ならない。なかでも、夫ポールと暮らしたバージニア州アッパービルの広大な敷地「オーク・スプリング」の庭園は、見事なまでの美しさで現在も多くの人々を魅了中。

「オーク・スプリング」内の一角にある「バスケット・ハウス」 Jonathan Becker

独学で庭造りを学んだ彼女は、よき友人であるジョン&ジャッキー・ケネディ夫妻のためにホワイトハウスのローズガーデンを再設計したことでも知られているほか、「オーク・スプリング」内に、1万冊にも及ぶ希少な植物学の書籍を収めた見事な図書館を創設もしている。

【アイコン7】ウィリアム・“ビリー”・ヘインズ:ハリウッド・リージェンシーの帝王

LAの自宅でポーズをとるヘインズ Courtesy of William Haines Designs

LAの歴史において最も華麗にキャリアチェンジを成功させた人物のひとりといえば、ウィリアム・“ビリー”・ヘインズだろう。1920年代から30年代にかけ、彼は映画スターとしての地位を確立させていたが、ゲイであることをオープンにしたために映画界を追われ、人気俳優としての地位を手放し、インテリアデコレーターへの道を歩み始める。

大女優ジョーン・クロフォードが最初の大口クライアントとなり、その後も多くのスターたちが彼のもとを訪れた。まるで生きたポートフォリオのように華やかにしつらえたブレントウッドにある自宅で、彼は伝説的なパーティをたびたび開いていた。

ヘインズがデコレーションを手がけた、ジョーン・クロフォードの自宅のリビング Archive Photos / Getty Images

シノワズリや英国のアンティーク家具に、手描きの壁紙、柔らかな曲線、座面の低いソファといった、大胆でモダンなエッセンスをミックスするヘインズのスタイルは、空間をグラマラスかつ会話が弾むものに変え、「ハリウッド・リージェンシー」と呼ばれるインテリア黄金時代を切り拓いた。そのスタイルは、今なおインテリアシーンのスタンダードを心地よく覆し続けている。

From VERANDA

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