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「クヴァドラ」より、デザイナー柳原照弘の新作カーテンテキスタイルが登場

  • 2026.6.17
Koji Honda

デンマークのテキスタイルメーカー「クヴァドラ」が、柳原照弘による新作カーテンテキスタイルを発表した。シアーと遮光の2種は、さまざまな土地の土や石を観察して生まれた、地球が内包する色彩を再現している。

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これまで「クヴァドラ」と共に、多数のインテリアテキスタイルを手掛けてきた柳原照弘だが、今回初めてカーテンテキスタイルを手掛けた。「クヴァドラ」が近年力を入れているサステナブルな素材から、今回はリサイクルポリエステルをベースに、柳原がカラースキームを構成した。18色展開でシアー素材の“アウター・ビュー”と、14色展開で遮光仕様の“インナー・サイト”の2種類を発売する。

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大地が内包する、まだ見ぬ色彩を求めて

新作の色彩の背景にあるのは、自然界から生まれる色だ。土は採取する場所の地層や地質の影響によって、さまざまな表情を見せる。しかし今回は、自然界から採取した色をそのまま採用するのではなく、さらに踏み込んでカラースキームを組み立てていったと柳原は語る。

「写真のように、土からはこれほど豊かな色が生まれます。通常なら、このカラースキームをそのまま製品に展開するのですが、そこに、これまで培ってきた素材に対する“2つの視点”を組み合わせることにしました。それは、素材を遠くから見つめる俯瞰した視点と、素材の内部に潜り込む視点です。同じ素材でも、視点と距離によって見えてくる色は変わります。肉眼では黄色い土に見えても、顕微鏡で観察すると実に多彩な色彩が現れます。今回は肉眼で捉えた色をそのまま用いるのではなく、俯瞰したときに見える色と、顕微鏡のように近接して見たときに見える色という、2つの距離感をもとにカラースキームを組み立てていきました」

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柳原が語る色に対する“視点”は、これまでに「クヴァドラ」と取り組む中で生まれた着眼点だとも話す。

「制作過程において『クヴァドラ』のチームは必ず、生地の拡大写真を見せてくれます。それを見ると糸の中に異なる色がツイストされて混ざっていたり、縦糸と横糸で異なるトーンが組み合わされていたりと、生地のミクロの世界の中に無数の色が息づいている。この『クヴァドラ』が普段行っているクリエイティブの過程そのものから、インスピレーションを得ました」

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<写真>リネンのような質感が心地よい、透け感のある“アウター・ビュー”。経糸には不規則な節を持つスラブ糸を使用することで、ナチュラルな風合いが生まれた。18色展開。

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このような実験的なリサーチを経て生まれたカラースキームは、わずかな色の違いにこだわった美しいグラデーションが広がる。カラーチャートに当てはめてみると独特の偏りが見られるが、まさにその個性こそが、「クヴァドラ」が柳原に期待している要素なのだ。

「私たちの提案するカラースキームは、同じグレーであっても、青みがかったグレーや黄みがかったグレーがある、といった具合です。これは建築的なアプローチだと言えます。たとえば建築で用いる左官は、同じベージュでありながら中に入る素材によって全く異なる表情を見せます。私たちはそうした絶妙なグラデーションで色を展開しています。同時に、空間を設計する立場でもあるので、空間の中で色がどうあるべきかを常に考えています」

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<写真>滑らかで適度なツヤが重厚感を醸し出す、遮光仕様の“インナー・サイト”。裏面にも表と相性のいいカラーが配されている。14色展開。

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柔らかな光を纏い、リネンのような清涼感とテクスチャーが目を引く“アウター・ビュー”。そして、空間に静かな気品と重厚感をもたらす“インナー・サイト”。いずれも柳原の真骨頂とも言える、ニュアンスに富んだ唯一無二のカラースキームが光る。「クヴァドラ」のテキスタイル開発において、新たな可能性を秘めたプロダクトとなっている。



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柳原照弘

2002年に自身のデザインスタジオTeruhiro Yanagihara Studio(TYS)を設立。神戸とアルルでは、ギャラリースペース「Vague(ヴァーグ)」を運営。TYSのデザイン哲学と空間デザインを表現する拠点として、エキシビションやフードリサーチ、レジデンシープログラムなどの活動を行う。

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