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医師「なるべく避けてください」→実は『夏のエアコン』でやりがち…身体の不調を引き起こす“3つのNG習慣”とは?

  • 2026.7.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

厳しい暑さが続く夏、毎日お世話になるエアコン。しかし、「エアコンをしっかり入れているはずなのに、なぜか体がだるい」「室温に気をつけているのに、熱中症のような症状が出る」と悩んでいませんか?

実は、私たちが良かれと思って設定している温度に対する思い込みや、無意識のうちに行っているエアコン習慣が、体温を調整する「自律神経」に大きな負担をかけているかもしれません。

今回は、エアコンの使い方によって生じる自律神経の乱れのメカニズムや、やりがちな誤解、そして今日からできる正しい対策について、麻酔科医の松岡雄治さんに詳しく解説していただきました。

「設定温度28℃」でも危険?自律神経を乱すエアコンの誤解

---エアコンを「28℃」に設定して使い続けているのに、なぜか体調を崩してしまうことがあります。これはなぜでしょうか?

松岡雄治さん:

「エアコンによる自律神経の乱れには、主に『実際の室温とのズレの放置』と『過度な冷やしすぎ』が関わっている可能性があります。

よくある誤解は、『エアコンの設定温度』=『実際の室温』と思い込んでしまうことです。エアコンで設定した温度に近づくはずなので、つけっぱなしであれば大きくズレるはずはないと思われるかもしれませんが、実際には測ってみると部屋の中でもまちまちなことがあります。

環境省が推奨する『室温28℃』は、エアコンの設定温度のことではなく室温のことです。部屋の構造や日差しの入り方などによって、実際の温度とエアコンの設定温度にはズレが生じることに注意しましょう。

設定を28℃にしただけで安心していると、実は室温がそれ以上になっていて熱中症を招いたり、逆に冷やしすぎて外気温との差が開き、体温を調整する自律神経に負担をかけたりする原因になります。

また、加齢に伴い皮膚の温度センサーが鈍くなっているご高齢の方や、まだ暑さに慣れていない梅雨明けの時期などは、上手に汗をかけず体に熱がこもりやすいため、室温管理には特に慎重な配慮が必要です。」

無意識にやっていませんか?自律神経を疲弊させるエアコンのNG習慣

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---私たちが普段、無意識のうちにやってしまっている自律神経に良くないエアコンの使い方があれば教えてください。

松岡雄治さん:

「無意識のエアコンNG習慣は自律神経を疲弊させ、夏バテなどの様々な不調を引き起こします。具体的には以下の3つの習慣が挙げられます。

冷風に直接当たり続ける
エアコンの風に直接当たり続けると、皮膚の表面が急速に冷やされます。本来、人間の体は暑さを感知すると血管を広げて熱を逃がそうとしますが、冷風にさらされ続けると血管が過度に収縮して血流が滞ってしまいます。これが全身の血行不良を招き、肩こりやだるさにつながるためなるべく避けてください。

外気温との激しい温度差を作る
設定温度を下げすぎて屋外との温度差が極端に大きくなると、部屋を出入りするたびに、自律神経は急激な『血管の拡張』と『収縮』を短いスパンで繰り返さざるを得なくなります。この急激な変化の連続が、自律神経を著しく疲弊させる原因のひとつです。

一晩中つけっぱなしになるのを避けるため、おやすみタイマーで就寝後に消えるようにする
エアコンをOFFにすると実はあっという間に室温は上昇していきます。外気温との差が大きいほど室温の上昇も速やかです。快適な温度でつけっぱなしにすることで、温度の変化による自律神経への負担を軽減することが期待できます。」

だるさを防ぐ!今日からできるエアコン設定と体づくりのコツ

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---自律神経の負担を和らげ、夏を快適に乗り切るために、私たちは今日からどのような対策を取り入れればよいでしょうか?

松岡雄治さん:

「だるさのない軽やかな夏を過ごすために、以下の設定と体づくりのコツを実践してみてください。

温湿度計を置く
自身の近くに温湿度計を置き、『室温が28℃前後』に保たれているか確認することが大切です。特に暑さを感じにくくなっているご高齢の方がいる場合は、ご家族が気にかけてチェックしてください。

風向きを上にして空気を循環させる
冷たい空気は下にたまる性質があるため、エアコンの風向きを上向きに設定すると循環が期待できます。扇風機やサーキュレーターを併用して空気を循環させると、直接風に当たらずとも部屋全体をムラなく涼しく保ちやすくなります。

就寝時のタイマーは長めに設定
夜間にエアコンが切れて室温が急上昇すると、睡眠が妨げられ、翌日の疲労や熱中症リスクが高まります。就寝時も、タイマーは少なくとも3〜4時間は稼働させましょう。

「暑熱順化」で汗をかく力をつける
暑くても普段から汗をかかない場合、体温調節機能が低下しているおそれがあります。
適切に汗をかいたりできるように、暑い環境に慣れていきましょう。例えば、涼しい朝夕にややきついと感じる程度のウォーキング(1日30分程度)を行ったり、シャワーだけで済ませず湯船にゆったり浸かったりすることで、上手に発汗して体温調節する力(暑熱順化)を養うことができます。」

少しの工夫で自律神経を守り、厳しい夏を快適に乗り切ろう

設定温度を28℃にしただけで安心してしまうことの危険性や、直接冷風を浴びる習慣、就寝時のタイマー切れによる室温の急上昇など、良かれと思っていた行動が実は自律神経を疲弊させていたことに気付かされた方も多いのではないでしょうか。

自身の周りに温湿度計を置いて実際の室温を確認する、風向きを上にして空気を循環させる、就寝時のタイマーを長めに設定する。こうしたエアコン設定の少しの工夫に加え、ウォーキングや湯船に浸かる入浴などで「暑熱順化」を進めていくことが、夏バテを防ぎ、自律神経を守ることにつながります。

少しの工夫を取り入れて、ご家族皆様で厳しい夏を快適に乗り切ってください。一方で、もし体調不良が続く場合は無理をせず、早めに医療機関を受診することをお勧めします。


参考:

熱中症 環境保健マニュアル2022(環境省)

熱中症を防ぐためには(環境省)

職場における熱中症対策の強化について(厚生労働省)

監修・執筆:松岡 雄治
総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など。

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