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首や肩の凝りを「パソコン作業のせい」と放置→翌日、50代男性を直撃した“悲惨な事態”に「あの時、すぐ受診していれば…」

  • 2026.7.27
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさまこんにちは。周術期管理で様々な患者さまをお守りしている麻酔科専門医の松岡雄治です。

「少し熱はあるが、首や肩の凝りはパソコン作業のせいだろう」。仕事に追われるKさん(50代男性)が、家族の「早く受診して」という言葉をやり過ごしたのは、日常の一コマでした。

しかし翌日、Kさんは意識混濁の状態で発見され救急搬送。診断名は「細菌性髄膜炎」でした。適切な治療で一命を取り留めましたが、「ただの風邪や肩こりだと油断せず、すぐ受診していれば…」と振り返られています。

なぜ受診の遅れが重症化につながるのでしょうか。今回は見逃してはいけない「頭痛と首の痛み」の危険なサインを解説します。

細菌性髄膜炎とは?脳を包む膜に起こる急激な炎症

髄膜(ずいまく)とは、脳や脊髄を包み込んで保護している大切な膜です。ここに細菌が侵入して急激な炎症を引き起こすのが「細菌性髄膜炎」です。

  • 細菌の侵入: 中耳炎や副鼻腔炎、あるいは風邪などの感染をきっかけに、肺炎球菌や髄膜炎菌などの細菌が血液を通じて髄膜へ達します。
  • 急速な炎症の拡大: 細菌が増殖することで、髄膜全体に強い炎症が短時間で広がります。
  • 頭蓋内圧の上昇: 炎症によって脳組織が腫れ、頭骨内の圧力が高まることで脳に強い負荷がかかります。
  • 重症化のリスク: 適切な治療が遅れると、意識障害や痙攣(けいれん)を伴う深刻な状態に陥る危険性があります。

「いつもの首こり・風邪」と「髄膜炎」の違い

「疲れで首や肩が凝る」「頭が重い」といった症状は日常でよく経験されるため、体調不良を感じても市販薬で様子を見てしまいがちです。

しかし、細菌性髄膜炎は基礎疾患(糖尿病や肝臓・腎臓の疾患など)をお持ちの方、高齢の方だけでなく、健康な成人に突如発症することもあります。また、近年は原因となる細菌の中に抗菌薬が効きにくい「耐性菌」が増加傾向にあるため、医療機関で原因菌に合った適切な治療を受けることが極めて重要になります。

見逃したくない3つの重要サイン

一般的な風邪や肩こりと区別するために、以下のサインに注意してください。

1.「首の後ろが強張り、あごを胸につけられない(項部硬直)」

単なる肩こりと異なり、首を前に曲げて「あごを胸につけようとする」と、強い痛みや抵抗感があって曲げられなくなります。

2. いつもと違う「急激で激しい頭痛」と発熱

風邪症状(咳や鼻水など)があまりないにもかかわらず、高熱とともに経験したことがないような強い頭痛が現れます。

3. 嘔吐してしまう

脳の圧力が高まることで、吐き気や激しい嘔吐が誘発されます。

普段の風邪とはちょっと違うかな?と思ったら

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「いつもの肩こりや頭痛とどこか違う」「高熱とともに激しい頭痛や首のこわばりがある」と感じた場合は、我慢せずに脳神経内科や救急外来を受診してください。

意識が朦朧(もうろう)としている、会話が噛み合わない、激しい嘔吐を繰り返すといった症状がある場合は、迷わず救急車(119番)を要請してください。

「受診すべきか判断がつかない」「救急車を呼ぶべきか迷う」という場合は、救急安心センター事業(#7119)に電話相談するのも有効です。看護師や専門スタッフが状況を聞き取り、適切な対応や受診先を案内してくれます。

身体が出す危険なサインにいち早く気づき、ためらわずに医療機関を活用することがご自身の健康を守る第一歩です。


監修者・執筆:松岡 雄治
総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など。

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