1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. 「喉が少し痛む」“ただの風邪”と放置した50代男性→数時間後、激しい息苦しさに襲われ…搬送先で告げられた“恐ろしい病名”

「喉が少し痛む」“ただの風邪”と放置した50代男性→数時間後、激しい息苦しさに襲われ…搬送先で告げられた“恐ろしい病名”

  • 2026.7.26
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさまこんにちは。周術期管理において、あらゆる病気をお持ちの患者さまを日々安全にお守りしている麻酔科専門医の松岡雄治です。

「喉が少し痛むけれど、熱もないし、ただの風邪だろう」。お仕事で忙しいKさん(50代男性)が、家族の「念のために受診して」という心配を「大げさだな」と笑い飛ばしたのは、何気ない日常の一コマでした。

しかしその数時間後、彼は激しい息苦しさに襲われ、自力での呼吸が困難な状態に陥りました。救急搬送先で告げられた病名は「急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)」。気道を確保するための緊急処置を受け、何とか危機を脱することができました。

退院後は元の生活に戻られていますが、「ただの風邪だと油断せず、もっと早く受診していれば…」と当時の様子を振り返られています。

今回は、風邪と見分けがつきにくく、急速に進行することがある「喉のSOS」について解説します。

急性喉頭蓋炎とは?呼吸の通り道が狭くなるメカニズム

喉頭蓋(こうとうがい)とは、食べ物が気管に入らないように蓋をする役割を持つ組織です。ここに細菌などが感染して炎症が起きるのが急性喉頭蓋炎です。

【気道が塞がれるフロー】

  • フタ部分への感染: 喉頭蓋に細菌などが感染します。
  • 急激な腫れ: 炎症によって喉頭蓋が急速に腫れ上がります。
  • 気道の狭窄(きょうさく): 腫れた喉頭蓋が空気の通り道(気道)を物理的に狭くします。
  • 呼吸困難のリスク: 進行が早い場合、数時間〜半日ほどで息苦しさが強まり、十分な換気ができなくなる危険性があります。

「普通の風邪」との違いと注意すべき特徴

この病気は30代〜60代の働き盛り世代にも多く見られます。特に糖尿病などの基礎疾患をお持ちの方や喫煙習慣がある方は、進行が早くなりやすいため注意が必要です。

また、「口を開けて鏡で見ても喉があまり赤くないのに、奥が猛烈に痛む」という特徴があります。そのため「見た目は大したことがないから大丈夫」と見過ごされてしまうケースがあります。

早めに気づきたい3つの重要サイン

一般的な風邪症状と区別するためのチェックポイントです。

1. 喉が痛すぎて「ツバが飲み込めず、よだれが垂れてしまう」

喉頭蓋の腫れにより、自らの唾液を飲み込むことすら強い痛みを伴い困難になります。

2. 声を出すと「こもった声(含み声)」になり、喉が痛い

腫れ上がった喉頭蓋が声の響きを遮り、こもったような声に変化します。

3. 息を吸うときに「ヒューヒュー、ゼーゼーと音が鳴る」

気道が著しく狭くなっているサインです。なお、息苦しさがある時に「仰向け」で寝ると、腫れたフタが重力で気道を塞ぎやすくなるため、体を起こした姿勢を保つことが重要です。

症状に気づいたときの行動

喉の強い痛みとともに「唾液が飲めない」「声がこもる」「息を吸うと音がする・息苦しい」といった症状が現れた場合は、決して我慢せず早急に医療機関を受診してください。日中であれば耳鼻咽喉科を、夜間・休日であれば救急外来を受診しましょう。

特に呼吸困難感や「ヒューヒュー」という吸気音がある場合は、自家用車での移動中に急変するリスクがあるため、迷わず救急車(119番)を呼んでください。

正しい知識を持ち、体の異変に早く気づくことがご自身の身を守ることにつながります。


監修者・執筆:松岡 雄治
総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ