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「そ、そんな…」“退職金2,200 万円とiDeCo500 万円”を満額もらうつもりの58歳男性、定年2年前に銀行窓口に行って“絶句したワケ”

  • 2026.9.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「iDeCoは老後のために積み立ててきたお金だから、受け取るときも税金はかからないはず」そう思っている方は多いのではないでしょうか。

しかし退職金と受け取る時期が近いと、思わぬ税負担が発生することがあります。今回は、退職を2年後に控えた58歳男性Bさんが、窓口でiDeCoの出口戦略の重要性に気づいたエピソードをご紹介します。

「退職金もiDeCoも、退職所得控除があるから税金はかからないはず!」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

大手企業に勤めるBさんは58歳。定年退職まであと2年となり、老後の資金計画を立て始めていました。

Bさんは2017年にiDeCoに加入し、これまでコツコツ積み立ててきました。現在の残高は約500万円で、退職時にはさらに増える見込みです。60歳の定年時には、退職金2,200万円も受け取る予定でした。

「退職金もiDeCoも、退職所得控除が使えるから税金はかからないはず」と考えていたBさん。ある日、資産運用の相談で銀行の窓口を訪れた際、担当者との会話の中で思わぬ事実を知ることになりました。

「退職金とiDeCoを同じ時期に受け取ると、控除が使えないんですか?」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「Bさん、退職金とiDeCoの一時金は、受け取る時期が近いと退職所得控除が重複して使えなくなる場合があるんです」と担当者。

退職金とiDeCoの一時金は、どちらも「退職所得控除」の対象になります。しかし両方を近い時期に一時金で受け取ると、控除が重複して使えず、課税対象が大きくなってしまうことがあるのです。

「特に退職金を先に受け取ってからiDeCoを一時金で受け取る場合、『19年ルール』というものがあり、19年以内だと控除が調整されてしまいます」と担当者。

Bさんの場合、60歳で退職金2,200万円を受け取ると、勤続40年の退職所得控除2,200万円をほぼ使い切ってしまいます。その状態で近い時期にiDeCoの500万円を一時金で受け取ると、退職所得控除がほとんど使えず、受取額の多くが課税対象になってしまう可能性があったのです。

「そ、そんな…。積み立てるときのことばかり考えて、受け取り方までは考えていませんでした…。」と絶句するBさん。

「iDeCoには一時金・年金・併用という3つの受け取り方があります。年金形式で受け取れば公的年金等控除が使えます。もし一時金にこだわるなら時期をずらす方法もありますが、Bさんのように60歳で退職金をもらう場合、iDeCoの受け取り期限である75歳までの間に『19年』の間隔を空けることはできません。そのため、実質的には年金での受け取りや併用が有力な選択肢になります。まだ2年ありますので、税理士に相談しながらじっくり検討されるとよいと思いますよ」と担当者。

「まだ時間があるうちに知ることができてよかったです。退職してから慌てるところでした」とBさんは安心した様子でした。

近年、iDeCoの加入者は急増しています。2017年に加入対象が大きく広がって以降に始めた人が多く、これから退職を迎えるころにはまとまった残高になっているケースが増えていくと考えられます。だからこそ、受け取り方を事前に考えておくことがますます重要になっています。

iDeCoは「受け取り方」まで事前に考えておくことが大切

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

では、退職金とiDeCoの受け取りを控えている方は、何に気をつければよいのでしょうか。

  • iDeCoの一時金受け取りには退職所得控除が使えるが、退職金と受け取る時期が近いと控除が重複して使えない場合がある
  • 退職金を先に受け取ってからiDeCoを一時金で受け取る場合、「19年ルール」により受け取り間隔が近いと控除が調整される(※60歳で退職金を受け取る場合、iDeCoの最終受給期限である75歳までに19年以上空けることができないため、一時金受取では必ず調整の対象となります)
  • なお、2026年1月からは、iDeCoを先に受け取り退職金を後に受け取る場合のルールが従来の5年から10年に延長されています
  • iDeCoは一時金・年金・併用の3つの受け取り方があり、年金形式なら公的年金等控除が使える(特に国の年金が支給される65歳までの「空白期間」に受け取れば、年間60万円の非課税枠を活用しやすい)。ただし他の収入と合算され社会保険料などに影響する場合があるほか、年金を受け取るたびに振込手数料(給付事務手数料)がかかる点に注意が必要
  • iDeCoの受給開始は60歳から75歳まで選べるため、退職金との受け取り時期を調整することも検討できる(※ただし、会社側の退職金の支給時期を後ろにずらせる制度があるかどうかが鍵となります)
  • 受け取り方によって税負担が大きく変わるため、退職を迎える前に早めに税理士や税務署に相談することをおすすめする

「積み立てる」ことばかりでなく「どう受け取るか」という出口戦略も、iDeCoでは非常に重要です。退職を控えている方は、早めに受け取り方を検討しておくことをおすすめします。


参考:
確定拠出年金制度の概要(厚生労働省)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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