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夫の入院で“給付金80万円”を代理請求した60代妻→「配偶者なら当然できる」はずが…保険会社から告げられた“想定外の一言”

  • 2026.9.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

大学卒業後、国内生命保険会社に35年間勤務し、営業・営業所長・企画・事務など幅広い業務を経験してきた「あしふみ」です。 

生命保険や医療保険の給付金は、原則として本人が請求します。では、本人が重い病気などで請求の意思表示や手続きが難しくなった場合はどうなるのでしょうか。「妻や子どもが代わりにやってくれるだろう」と考える方は少なくありませんが、家族だからといって必ずしもすぐに請求できるとは限りません*1。

今回は、62歳の男性が長期入院し、妻が入院給付金など約80万円を請求しようとした際、想定以上の時間がかかった事例を紹介します(内容の一部は特定を避けるため変更しています)。

「妻がいるから大丈夫」と思っていたAさん

会社員のAさん(仮名・62歳)は妻との2人暮らし。50代で医療保障を見直し、入院時に給付金を受け取れる保険に加入していました。

ある病気で長期入院することになり、治療が長引くなか、Aさんは自分で書類を確認したり手続きを進めたりすることが難しくなっていきました*2。

契約から入院給付金など合計約80万円を請求できる見込みだったため、妻が保険会社へ連絡します。

「主人が手続きできないので、妻の私が代わりに請求したいのですが」

配偶者なら当然できると思っていた妻ですが、担当者からはこう説明されました。

「ご契約には、指定代理請求人の登録が確認できません。奥さまが請求できるかは、約款やご主人さまの状態を確認したうえでご案内します」

「妻なのに、すぐに代わりに請求できないのですか?」
妻はそう困惑したそうです。

本人に代わって請求する「指定代理請求人」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

生命保険には、本人が特別な事情で請求できない場合に、あらかじめ指定された家族などが代わりに請求できる仕組みがあります。これを「指定代理請求人」といいます。

妻や子どもだからといって自動的になれるものではなく、契約者が被保険者の同意を得て事前に指定しておく必要があります。Aさんの契約にはこの登録がありませんでした。

もっとも、指定がないからといって直ちに請求できなくなるわけではありません。保険会社や商品によっては、配偶者や同居の親族などが約款上の「代理請求人」として請求できる場合もあります*3。

Aさんの妻は、保険会社と相談しながら必要書類をそろえ、最終的には無事に手続きを終えました。ただし「配偶者だからすぐに請求できる」というものではなく、確認と準備に想定以上の時間がかかりました。

20年前に指定したままになっているケースも

指定代理請求人は、一度決めれば終わりというものではありません。生命保険は20年、30年と続くことがあり、その間に離婚や再婚、指定した人の死亡などで状況が変わることもあります*4。

古い契約ほど「誰を指定したか覚えていない」「そもそもそうした仕組みがあるのか分からない」というケースも珍しくありません。

元気なうちに「誰が請求するのか」を確認

給付金は「いくら出るか」に目が向きがちですが、「誰が請求できるのか」も大切な確認項目です。保険証券や契約者向けページで、次の点を確認してみてください。

  • 指定代理請求人が設定されているか、現在の家族状況に合っているか
  • いない場合、誰が代理請求人となり得るか
  • 代理請求できる条件は何か
  • 保険証券の内容を家族が確認できる状態か

分からない場合は、契約先の保険会社へ問い合わせるのが確実です。保険証券の保管場所や加入内容を家族に伝えておくことも大切です。本人しか契約の存在を知らなければ、家族が請求できることに気づかない可能性もあります。

「妻がいるから大丈夫」と思い込まず、元気なうちに一度確認しておくことが、いざというときの家族の負担を減らすことにつながります。


注釈: 
*1 契約内容や本人の状態によって、請求できる人や必要書類の確認に時間がかかることがあります。
*2 代理請求の対象となるかは入院期間の長さでは決まらず、契約で定められた事情(請求の意思表示が困難など)に該当するかで判断されます。
*3 対象となる配偶者・親族の範囲や要件は保険会社・商品ごとに異なり、指定代理請求人がいなくても給付金を受け取れないわけではありません。
*4 商品によっては請求時点でも指定代理請求人が所定の親族関係等の条件を満たす必要があります。指定代理請求制度の詳細(対象となる保険金・給付金、条件、指定できる人の範囲など)は契約内容・約款をご確認いただくか、加入先の保険会社へお問い合わせください。

執筆:あしふみ
大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務。個人・法人営業、営業所長、企画・販売促進、事務部門などを経験。FP2級の知識と保険実務の経験を生かし、保険や家計に関する情報を分かりやすく伝えている。

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