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『退職金2,000万』を受け取った60代男性→「特別金利7%」銀行が勧めるプランを契約…3か月後、通帳を見て“青ざめたワケ”

  • 2026.7.23
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPとして家計相談やお金に関する情報発信を行っている柴田です。

退職金が振り込まれた直後、金融機関から連絡を受けた経験のある方も多いのではないでしょうか。

今回は、38年勤めたメーカーを定年退職し、退職金2,000万円を受け取ったAさん(60歳・男性)の事例をもとに、退職金向け金融商品の仕組みと注意点について解説します。

高金利プランの仕組みと検討時の注意点

Aさんのもとに届いたのは、「退職者限定・特別金利7%」という金融機関からの案内でした。

普通預金金利が低い水準にある中、年7%という数字は非常に魅力的に映ります。「置いておくだけで資産が増えるのでは」と期待が高まるのも自然なことです。

しかし、窓口で提示された条件にはいくつかの特徴がありました。

  • 適用条件:7%の金利が適用されるのは、退職金2,000万円のうち半分の1,000万円のみ。
  • 適用期間:金利の適用期間は3か月限定で、その後は通常金利へ移行する。
  • 併用条件:残りの1,000万円は、指定の投資信託で運用することが条件。

Aさんは「半分でも高金利が適用されるなら有利だ」と判断し、契約に至りました。

利息収入とコスト・運用リスクの実態

契約から3か月後、実際の運用結果を整理してみましょう。

3か月後の結果を整理しましょう。定期預金1,000万円×年7%の3か月分は、税引前で約17.5万円、税引後なら約14万円です。

一方、投資信託1,000万円には購入時手数料3%=30万円が契約時点で差し引かれ、さらに信託報酬(保有している間ずっとかかる年率の運用管理費用)が毎年1%超でした。

おまけに相談時は相場が下落しており、評価額も目減りし、トータルでは退職金が減っていました。「増やすつもりが、蓋を開けたらマイナス。何のための特別プランなのか」と通帳を見たAさんは肩を落とします。

このように、高い金利が提示されるプラン(投資信託セット型)は、高金利による利息還元と、投資信託から生じる手数料や運用リスクが組み合わさった構造になっています。提示された金利だけに注目せず、商品全体のトータルコストとリスク構造を把握することが大切です。

「定期預金単体型」の特徴と活用法

実は退職金専用定期には、投資商品の購入が不要な「定期預金単体型」もあります。

金利は年0.5〜2%程度とセット型より控えめですが、元本保証があり、投資商品の購入手数料は発生しません。金利適用期間(例:3か月)が終了した後に、別の金融機関の退職金向け定期預金へ組み替えるといった運用も可能です(手続きの手間や申込要件の確認が必要です)。

ただし、単体型を利用する場合でも以下の点に留意する必要があります。

満期を迎えるタイミングで、別の運用商品やサービスの案内を受けることがあります。金融機関もビジネスとして商品を提示しているため、提示された条件が自身の運用目的に真に合致しているかを客観的に判断する姿勢が求められます。

退職金の運用で意識すべき視点

退職直後は、今後の生活設計に合わせて資金を整理する重要な時期です。魅力的な条件を提示された際は、以下のポイントを意識するとよいでしょう。

  • 全体像の把握:表面上の高い金利だけでなく、セットになる商品のコストやリスクを総合的に計算する。
  • 目的別の資金整理:退職金を「手元に残す(守る)資金」と「長期的に運用する(増やす)資金」に明確に切り分ける。
  • コストの比較検討:資産運用を行う場合は、提示された商品だけでなく、多様な選択肢(低コストの運用商品など)と比較・検討する。

すでにセット型商品を契約している場合でも、保有する投資信託の手数料や運用状況を改めて確認し、自身のライフプランに合った運用方針に見直すことが推奨されます。


執筆・監修:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

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