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私立大に進学した長男→「大学無償化は低所得世帯だけ」と諦めていたが…40代夫婦を襲った“96万円”の大誤算【お金のプロは見た】

  • 2026.8.3
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、子ども3人を育てる40代のAさんの体験談です。「大学無償化は低所得世帯だけ」と思い込み、2025年度から多子世帯に広がった支援の対象だったのに申請せず、初年度分を取り逃した経緯をご紹介します。

「大学無償化は低所得世帯だけ」と諦めていた

Aさんは40代男性の会社員で、子ども3人を育てています。長男は私立大学に進学し、下の2人はまだ高校生と中学生。3人分の教育費が重なり、夫婦で家計がもっとも厳しい時期を迎えていました。

「大学無償化」という言葉は聞いたことがありましたが、「あれは住民税が非課税のような、低所得世帯だけの話」と思い込んでいました。共働きでそれなりに収入があるわが家は対象外だろうと内容を調べることも、申請を検討することもありませんでした。

2025年度から、多子世帯は所得制限なしで対象に

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ところが2025年度から、支援対象が大きく広がりました。扶養する子どもが3人以上いる多子世帯は、所得制限なしで、大学などの授業料と入学金の減免を受けられるようになったのです。

これは、子育て世帯の教育費の負担を減らし、少子化に歯止めをかけるための制度です。ポイントは「所得制限なし」という部分。収入が高くても、子ども3人を同時に扶養していれば対象になります。Aさんの家庭は、まさにこの条件に当てはまっていました。「低所得世帯だけ」という思い込みのせいで、自分の家庭が対象だったことに気づいていなかったのです。

無償ではなく上限まで。それでも負担は大きく減る

注意したいのは、「無償化」といっても、実際には減免に上限がある点です。私立大学の場合、授業料は年70万円まで、入学金は26万円までが上限です。授業料が年100万円なら、差額の30万円は自己負担として残ります。無償という言葉のイメージとは、少し違うわけです。

それでも、負担が大きく減ることに変わりはありません。ところがAさんは、この制度を使えることを知りませんでした。

Aさんが負担した入学金は28万円、初年度の授業料は100万円でした。制度を利用すれば、入学金は上限の26万円、授業料は70万円まで支援を受けられたため、自己負担は差額の32万円で済むはずでした。しかし制度を知らず申請しなかったため、本来受けられた96万円分(入学金26万円+授業料70万円)の支援を受けられなかったのです。

対象になるか、まず確認する

「無償化は低所得世帯だけ」と決めつけず、多子世帯なら一度、対象になるかを確認しておきましょう。申請の窓口は、通っている大学などの学生課です。日本学生支援機構(JASSO)のホームページでも、対象や申請の時期を確認できます。

なお、この支援は「子ども3人以上を同時に扶養している」ことが条件です。上の子が就職するなどで扶養する子どもが3人未満になると、対象でなくなる場合があります。年度ごとに家族の状況が変わる家庭は、その点も含めて、毎年確認しておくと安心です。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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