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父の死後『築38年の実家』を相続することに→不動産を調べようと、証明書を請求すると…60代息子が目にした“想定外の事実”

  • 2026.8.5
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、家計・資産形成・相続など、お金に関するご相談をお受けしている、マネーシップス代表 ファイナンシャルプランナー/IFAの石坂です。

相続財産を調べるとき、預金通帳や固定資産税の通知書、家族の記憶を手がかりにする方は多いでしょう。ただ、親本人もほとんど意識していなかった土地や、家族に伝えられていない不動産が残っていることもあります。

2026年2月2日から始まった「所有不動産記録証明制度」により、亡くなった人が所有権の登記名義人として記録されている不動産を、一覧で確認しやすくなりました。今回は、実家以外に不動産はないと思っていたところ、約180キロ離れた県外の山林3筆が見つかった事例を紹介します。

「実家だけ」のはずが…180キロ先で見つかった山林3筆

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

今回の事例は、88歳の父を亡くした62歳の会社員、Tさん(仮名)です。

父が亡くなってから8か月が経ち、Tさんは58歳の妹と相続手続きを進めていました。

確認できた金融資産は、3つの銀行口座に残された預金約1,800万円です。不動産は、父が一人で暮らしていた築38年の実家だけだと考えていました。

実家は土地約170平方メートル、建物約110平方メートルの一戸建てです。住宅ローンはすでに完済されており、預金を兄妹で分けたうえで、実家はTさんが引き継ぐ方向で話を進めていました。

遺品を整理すると、実家の権利証や固定資産税の納税通知書が見つかりました。一方、県外の土地を所有していることを示す書類や、山林分の納税通知書は、遺品の中から確認できませんでした。父からも、県外の不動産について聞いた記憶はなかったそうです。

「父の不動産は、この実家1軒だけだろう」

Tさんはそう考え、実家の相続登記に必要な戸籍や遺産分割協議書をそろえ始めました。

その途中で、2026年2月から始まった所有不動産記録証明制度を知ります。念のため父名義の不動産を調べようと証明書を請求したところ、実家の土地と建物に加えて、隣県の山間部にある山林も記載されていました。

山林は自宅から約180キロ離れており、車でも片道3時間ほどかかる場所です。しかも、1つの土地ではなく、約720平方メートル、約810平方メートル、約930平方メートルの3筆に分かれていました。合計面積は約2,460平方メートルです。

Tさんには、記載されていた地名にも土地にも心当たりがありませんでした。

親族への確認や登記記録の調査を進めると、祖父が約45年前に取得し、その後、父名義に登記されていた山林だと分かりました。ただ、長く利用されておらず、現地を見たことがある親族もほとんどいなかったようです。

その後、山林がある市町村から固定資産評価証明書を取り寄せると、3筆の固定資産税評価額は合計約40万円でした。

Tさんは、預金1,800万円と実家だけであれば、比較的スムーズに手続きを進められると考えていました。しかし、山林についても場所や名義、税金、管理状況などを調べ、誰が引き継ぐのかを妹と改めて話し合うことになりました。

固定資産税評価額が高くなくても、相続手続きの対象になる点は変わりません。実家だけを前提に作り始めていた遺産分割協議書も、山林3筆を加えて見直す必要が出てきました。

相続税の申告が必要な場合、期限は原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。相続開始から8か月後に新たな財産が見つかると、財産の確認や申告に使える時間が限られることもあります。

新制度を使うときに確認したい「古い住所」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

所有不動産記録証明制度は、不動産の所有者本人や相続人などが請求し、登記上の氏名や住所をもとに不動産を検索する制度です。近くの法務局の窓口やオンラインから請求できます。

ですが、登記された住所が古いままの場合、現在の住所だけを検索条件にすると、一覧に出てこないことがあります。親が何度か転居している場合は、戸籍の附票などから過去の住所も確認しておくとよいでしょう。

また、所有権の登記がされていない不動産や、登記簿がコンピュータ化されていない不動産などは、検索結果に出てこない場合があります。この制度を利用しても、すべての不動産を必ず確認できるとは限りません。

検索対象となるのは、所有権の登記がされている土地や建物です。預貯金、株式、生命保険などの財産は、別に調べる必要があります。

固定資産税評価額40万円でも必要になる手続き…相続登記は原則3年以内

相続のご相談でお伝えしたいのは、土地の価値だけでなく、今後の管理や手続きまで確認することです。

県外の山林が見つかった場合は、次の3点を整理してみてください。

  • 土地の場所と名義を確認する
  • 税金や管理状況を調べる
  • 誰が引き継ぐかを決める

相続登記は2024年4月から義務化されています。自分のために相続が始まったことと、その不動産の所有権を取得したことを知った日から、原則3年以内に申請する必要があります。

また、遺産分割によって土地を引き継ぐ人が決まった場合は、基本となる申請義務とは別に、遺産分割が成立した日から3年以内に、その内容に沿った登記を行う必要があります。

固定資産税評価額が40万円程度で、使う予定がない山林でも、手続きが不要になるわけではありません。売却しにくい土地ほど、誰が引き継ぎ、今後どのように管理するのかを早めに話し合っておくことが大切です。

相続では、財産額だけでなく、管理の負担も含めて考える必要があります。登記上の不動産を早めに確認し、家族で共有しておくと安心です。


※事例はプライバシー保護のため、内容の一部を変更しています。

執筆・監修:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、マネーシップス代表。累計1,200件以上の相談対応に加え、金融記事の制作・校正・監修の対応を行っています。専門は「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」。資産運用やライフプラン設計では、分散投資の考え方と人の心理を踏まえた行動設計をもとにサポートしています。
保有資格:証券外務員一種、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、日本証券アナリスト協会認定 資産形成コンサルタント、金融リテラシー検定

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