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【有村架純】インタビュー「人生で初めてスポーツカーを運転させてもらったのですが、体に響くエンジン音やスピード感、車内からの景色、何もかもが初体験」

  • 2026.6.5

InRed6月売り7月号のカバーに登場してくれた俳優の有村架純さん。最新主演映画『マジカル・シークレット・ツアー』についてお伺いしました。

PROFILE
ありむら・かすみ/1993年2月13日生まれ、兵庫県出身。主な出演作に、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」、大河ドラマ「どうする家康」、映画『花束みたいな恋をした』
『ブラック・ショーマン』など。現在、ドラマ「GIFT」に出演中。待機作に映画『さとこはいつも』(9 月18 日公開)がある。

正しくないとわかっていても前に進むための選択だった

人生をやり直したい。そんな思いを抱えた女性たちが、危うい選択に足を踏み入れていく映画『マジカル・シークレット・ツアー』。違法な金の密輸に手を染めながらも、どこか爽快感が漂うのは、そこに“自分の人生を取り戻そうとする渇望”があるから。有村架純さんが演じたのは、夫の借金や生活の閉塞感を抱えながら生きる主婦・和歌子。

「人生の再起をかけて踏み出した一歩が、金の密輸。それは決して正しい選択ではないけれど、彼女たちにとっては今の自分を打破するための立ったひとつの救いだったんだと思います。この作品は、それを重苦しく描くというより、ちょっと滑稽でどうしようもない3人が、一生懸命だけどどこか楽しそうに存在している。その絶妙なバランス感が面白いなと思いました。女性3人の“シスターフッド感”というか、この3人が共有しているものを表現できたらいいなと思いながら演じました」

和歌子は、自分の人生をどこか他人に委ねたまま、少しずつ“自分らしさ”を失ってきた女性でもある。

「和歌子は、これまで自分の人生を認めてもらえなかった人なのかなと思っていて。周りに合わせながら、自分の意見を飲み込んで生きてきた女性。でも、日々の中で傷つけられたことをちゃんと蓄積している。それを見て見ぬふりをしながら、誰かの理想に合わせながら、自分で判断しないことに慣れてしまっていた。それが彼女なりの生き延び方だったのかもしれない」

そんな和歌子が、皮肉にも“違法”の中で、自分の感情や衝動を取り戻していく。

「もちろん美しい話でもないし、肯定できることでもないんですけど、でも彼女にとっては、“今の自分を突破したい”という切実な行動ですし、きっと後悔はしていない気がしています。何かしらの窮屈さは誰でも抱えていると思うので、この映画を通して、開放感や爽快さを疑似体験してもらえたら」

作中では、スポーツカーで疾走するシーンも登場する。実際の撮影もまた、和歌子の“解放感”とどこか重なっていた。

「人生で初めてスポーツカーを運転させてもらったのですが、体に響くエンジン音やスピード感、車内からの景色、何もかもが初体験。車高が低いと、そこまで速度が出ていなくても、ものすごく速く感じられて怖かった(笑)。シンガポールロケでは、街自体にも熱気やエネルギーが満ちていて、その空気の中で黒木(華)さんや南(沙良)さんと3人で金を密輸しているシーンは、不思議な高揚感がありました。和歌子自身も、あの瞬間はちゃんと呼吸ができていた気がします」

共演した黒木さん、南さんとの関係性も、作品の空気感とどこか似ていたという。

「みんなマイペースで、お互いのパーソナルスペースを守りながら自然に一緒にいる感じでした。撮影の最終日に、ホテルのバーで一緒にお酒を飲んだんですけど、そのとき黒木さんに『もっと有村さんという人を知りたかったです』と言っていただけて。ちゃんと心の距離を縮められていたんだなと思えて、うれしかったです」

映画『マジカル・シークレット・ツアー』

夫の借金を背負い、金の密輸に手を染めた主婦・和歌子。行き場のない女性たちと危うい成功を重ねる中で自由に生きる喜びを知るが……。6月19日(金)公開。

©2026「マジカル・シークレット・ツアー」製作委員会

Model=Kasumi Arimura
Photograph=Kazuki Nagayama
Styling=Makiko Iwata
Hair & Make-up=Izumi Niiyama
Interview & Text=Hazuki Nagamine

※InRed2026年7月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。
※画像・イラスト・文章の無断転載はご遠慮ください。

この記事を書いた人

長嶺葉月

ファッションや美容、ライフスタイルを切り口とした著名人へのインタビューで数々のファッション誌を中心に活躍。3度の飯と同じくらいネコが好き。

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