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台風の直前、何を準備する? 被災して気づいた「足りなかった備え」とは

  • 2026.6.1

台風は、地震と違って接近を事前に予測できる災害です。だからこそ、直前の行動次第で被害や生活の不便さを減らすことができます。
近年は梅雨時期など、長期的な豪雨による水害も増加しています。温暖化の影響もあり、これから水害はもっと増えると言われています。
令和元年房総半島台風で被災した際、私自身も「やっておいてよかったこと」と「やっておけばよかったこと」を数多く実感しました。停電や断水が起きたとき、事前のちょっとした準備がその後の暮らしやすさを大きく左右します。
今回は、実際の経験をもとに、台風接近直前や豪雨前にやっておきたい備えについてご紹介します。

停電前に用意しておきたい食事の備え

台風による被害の中でも、特に生活に影響が出やすいのが停電です。電気が使えなくなると、炊飯や調理ができなくなるだけではなく、冷蔵庫の中の食材管理も難しくなります。
令和元年房総半島台風で被災したとき、わが家は幸いにも一時的な停電で済みましたが、道路を挟んだ目の前の地域では、一週間ほど続きました。これからくる台風がどの程度の被害をもたらすのかは、去ってみなければわかりません。そこで現在は、台風が接近する前に食事に関する準備を意識して行うようにしています。

まず行っているのが、ご飯を多めに炊いておくことです。炊きたてのうちにおにぎりにしておけば、停電後でも手軽に食べることができます。ラップで包めば衛生的ですし、家族それぞれが食べやすい形にしておくこともできます。特に子どもがいる家庭では、食べ慣れたおにぎりがあるだけで安心感につながります。
また、お湯をあらかじめ沸かして水筒に入れておくのも大切な準備のひとつです。停電すると電気ケトルやコンロが使えなくなる場合もありますが、保温性の高い水筒に入れておけば、しばらくの間は温かいお湯を使うことができます。インスタント食品を食べるときや、温かい飲み物を飲みたいときなど、使い道は意外と多くあります。

さらに、冷蔵庫の中にある傷みやすい食材は、あらかじめ調理しておくことも意識しています。停電すると冷蔵庫内の温度が上がり、食材が傷みやすくなるため、事前に火を通しておくだけでも無駄を減らすことにつながります。作り置きしてすぐに食べられる状態にしておけば、停電中の食事の負担も軽くなります。

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断水に備えて確保しておきたい「水」

停電と同じくらい困るのが断水です。水が使えなくなると、飲み水だけではなく、トイレや手洗いなど、生活全般に影響が出ます。

被災時に特に役立ったと感じたのが、お風呂に水を張っておくことです。一見シンプルな対策ですが、トイレの水としても使えるため、生活のストレスを大きく軽減してくれます。飲み水としては使えませんが、「流す水がある」というだけでも安心感が違います。
また、ペットボトルの飲料水を多めに用意しておくことも欠かせません。日頃から備蓄している方も多いと思いますが、台風接近前には改めて本数を確認し、必要に応じて買い足しておくと安心です。
このとき意識したいのが「使い分け」です。飲料用の水と生活用の水を分けて考えておくことで、限られた水を無駄なく使うことができます。例えば、ペットボトルの水は飲料用として確保し、生活用の水は浴槽や別の容器で確保するといった工夫です。
水は重く、いざというときに一度に確保するのが難しいものです。だからこそ、台風の進路が見えてきた段階で、早めに準備しておくことが重要だと感じています。
得に夏場は、水分補給が欠かせません。500mlのペットボトル飲料を備えておけば、こまめに水分が取れますし、コップが不要なため洗い物も減らせます。

見落としがちな「生活の備え」が差を生む

食事や水の準備に目が向きがちですが、実際の生活ではそれ以外の部分でも不便を感じる場面が多くあります。被災経験から感じたのは、「ちょっとした準備」がその後の快適さを大きく左右するということでした。

例えば洗濯です。停電や断水が起きると、洗濯機が使えなくなります。あらかじめ洗濯を済ませておくだけで、着替えに困る心配が減り、衛生面でも安心できます。特に家族が多い場合は、事前に整えておくことで余裕が生まれます。
また、スマートフォンやモバイルバッテリーの充電も忘れてはいけません。災害時は、情報収集や連絡手段としてスマートフォンが重要な役割を担います。満充電にしておくだけではなく、モバイルバッテリーも同様に準備しておくことで、停電中の安心感が大きく変わります。

懐中電灯のチェックも大切です。電池が切れていないか、すぐに取り出せる場所にあるかを確認しておくことで、いざというときに慌てずに済みます。停電時は夜になると一気に不安が増すため、明かりの確保は欠かせません。
意外と忘れがちなのがトイレに懐中電灯を置くことです。フックで吊り下げられるものか、自立させられるタイプの懐中電灯を置いておくのがおすすめです。
こうした準備はどれも特別なことではありませんが、やっておくかどうかでその後の過ごしやすさに大きな差が出ると実感しました。

“準備できる災害”だからこそ、今できる行動を

豪雨や台風は、事前に進路や接近のタイミングがわかる数少ない災害のひとつです。だからこそ直前の行動によって、被災後の生活を少しでも楽にすることができます。
実際に経験して感じたのは、「少しの準備が大きな安心につながる」ということでした。家にあるものでできる備えは多くあります。
今回ご紹介した内容は、どれもすぐに実践できるものばかり。台風の接近や豪雨が予想されるときには、「何をしておけばいいか」を事前にイメージし、できることから少しずつ準備してみてください。日常の延長線上にある小さな備えが、いざというときの大きな支えになります。

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海老原葉月
ライター、整理収納アドバイザー1級
カインズ公認の「日本一のカインズマニア」、スリコマニアとしても知られる。
13歳、11歳、1歳の三兄弟を子育て中。東日本大震災、令和元年房総半島台風にて被災した経験から、防災に関する情報を発信。

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