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酢は「酸っぱくなるまで入れない」が正解!?少量で効かせるコツと、家庭でできる使い方のヒント

  • 2026.5.31

酢は「酸っぱくなるまで入れない」が正解!?少量で効かせるコツと、家庭でできる使い方のヒント

「酢は体にいい」と聞くけれど、実際どう取り入れたらいいのでしょう? 全国33の酢蔵を巡る発酵料理研究家・岩間明子さんと、東京農業大学の教授で調味料研究の第一人者・前橋健二さんの対談3回目。免疫機能を整えると最近注目されている「にごり酢」についても話題に!

プロと家庭、酢の使い方の違いにヒントあり

岩間 日本酒を飲むときは、酢の物をペアリングするといいと聞いたことがあります。そこから私は「日本酒に酢を入れたら、新しいドリンクになるのでは?」と考えました。試してみたらいけました。

前橋 酒のペアリングという観点では考えたことがなかったなあ。

岩間 最近はお酒を飲まない人も増えてきて、レストランやバーではノンアルコール・ペアリングの工夫が広がっているようです。

それから和食の料理人の方に聞くと、酢はレシピに載せられないくらい少量を使うことがあるそうなんです。たとえば3Lの出汁に5滴くらい。それでも効果があるというので、そこが家庭とプロの違いなのだと思いました。

前橋 酸っぱいと感じるほど入れるのは、入れすぎというケースが多いと思います。保存性を高める目的であれば、5ml(小さじ1)程度でも十分です。

岩間 新刊『お酢推すレシピ』では、そうめんをゆでるときにも酢を使っています。2Lのお湯に小さじ1の酢を入れると、タンパク質を分解する効果でそうめんがくっつきにくくなり、めんがぷりぷりっとするんです。

そうめんつゆも酢とみりん、ほんの少しの塩を加えるだけで、本当にさっぱりおいしく食べられます。

ほかにも、酢ドリンクや酢を入れたモクテル、つまりノンアルコールドリンクもたくさん紹介しました。全国のお酢屋さんの個性的な酢を使うと、よりおもしろいドリンクが出来上がります。

本では手に入りやすい一般的な穀物酢を使いましたが、最近注目されているにごり酢などを使っていただくと、砂糖のような甘みを加えなくても味わいがあっておいしいです。

酢が体に与える良い影響はこんなに!

前橋 にごり酢の「にごり」は、酢をつくるのに欠かせない酢酸菌です。酢酸菌といっても、商品になっているものはすでに死菌なのですが、人間の体は菌が腸内に入ってくるとちゃんと「菌だ」と認識して免疫が働き始めます。

酢酸菌は、乳酸菌と同じように良い菌です。醤油やみりん、酒は、菌をろ過して取り除いてしまいますが、菌がいた痕跡は残っています。それを人間の腸はしっかり認識し、体にいい免疫機能による効果が生まれる。いわゆる腸活と言われるものですね。

酢酸菌には、免疫機能を整える働きがあります。だからにごり酢のように、明らかに良い菌の痕跡が残っているものを摂ることをおすすめしているんです。

岩間 酢酸菌ちゃんたちはずっと働いてくれるんですね!

前橋 酢が体に与える良い影響としては、血圧を下げる、食後の血糖値上昇を抑える、内臓脂肪を減らす、疲労を回復する、カルシウムの吸収を促すといったことが挙げられます。

岩間 私はできるだけ食べやすく、作りやすく、毎日の食事に取り入れやすい形で酢を使うレシピをたくさん届けたいと思っています。市販されているお酢も、原材料の欄に米やリンゴといった材料だけ記載されているものを選べば間違いないです。酢酸菌がおいしく酢を作ってくれています。

前橋 酢酸菌の働きを食べる「菌食」ですね。肉を食べるのは「肉食」、野菜を食べるのは「草食」と言いますよね。納豆やきのこといった真菌類、麹でつくる発酵調味料なども含めると、日本人は毎日、菌食をしています。それが良い健康効果をもたらしているんです。菌が体内に入ると免疫が作動し、有害なものは排除されます。酢を毎日15ml摂るといいですよ、というのはそういうことなのです。

岩間 みんながお酢を摂るようになったら、酢の消費量も上がります! おいしいお酢を作り続けているお酢屋さんのためにも、消費量を今より1.5倍にしたいと思って活動しています。

前橋 日本の発酵技術は、世界から注目されていますよ。海外からも問い合わせをよくもらいます。

岩間 ぜひ、お酢を毎日の生活に上手に取り入れてください。

お話を伺ったのは

東京農業大学 応用生物科学部 醸造科学科 教授
前橋健二さん

専門は農芸化学。博士。日本の調味料研究の第一人者。発酵における微生物と成分変化、発酵調味料、味の解析や味覚の仕組みなど、「発酵」と「味」について多方面から科学的にアプローチしている。著書に『「にごり酢」だけの免疫生活』(青春出版社)など多数。

ビネガー・発酵料理研究家/酢醸造所サポーター
岩間明子さん

お酢の魅力に目覚め、歯科衛生士として働きながら、お酢レシピの発信や、全国のお酢蔵を訪ね歩く「お酢旅」を続ける。お酢にハマるあまり、東京農業大学応用生物科学部醸造科学科の研究生となり、前橋教授に師事。『お酢推すレシピ』(主婦の友社)は初著書。

取材協力:東京農業大学
撮影:佐山裕子(主婦の友社)

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