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「ちょっとトイレ」と言って15分帰ってこない社員。だが、日々の業務をしながら言えなかった本音とは

  • 2026.5.30
「ちょっとトイレ」と言って15分帰ってこない社員。だが、日々の業務をしながら言えなかった本音とは

規則正しい離席のリズム

前職のオフィスで、同じ部署に総合職の正社員がいた。

その人の行動には、一定のリズムがあった。

席に着いてから大体45分ほど経つと、席を立ってトイレに向かう。

戻ってくるのはおよそ15分後。それが1日中、繰り返される。

午前中に3回、午後にも3回程度。数えようとしたわけではないが、気づけば自然と把握するようになっていた。

離席のたびに、本人は軽く一言だけ告げた。

「ちょっとトイレ」

毎回同じ短いフレーズだった。

最初は体の具合でも悪いのかと思い、上司に確認したことがある。

返ってきた答えは、特に持病などはないということだった。

ならばなぜ、とも思ったが、そこまで追及できる立場でもなかった。

(じゃあ、あの15分は何をしているんだろう)

心の中で首を傾けながら、自分の仕事を続けた。指摘できる立場ではない。

黙って画面に向かった。それが唯一の選択肢だった。

電話が鳴り続ける時間

問題になっていったのは、電話対応だった。

「また消えた」

そう思った矢先に電話が鳴る。

代理で出るのはいつも私だった。契約社員という立場で、正社員の席に入ってくる電話まで引き受けることになっていく。

1本対応し終えても、また次の電話が来る。

自分の作業に集中できない時間が、1日の中で確実に積み上がっていった。

集中が途切れるたびに、やり直しにも時間がかかった。

他の同僚が対応することもあるにはあった。

ただ席の配置やタイミングの問題か、結果として私が受ける割合が増えていった。

それに対して、特に何か言われるわけでも、評価されるわけでもなかった。

誰かに申し訳なさそうにするわけでもない。それがかえって、じわじわと胸に積もった。

割り切れない気持ち

雇用形態が違う以上、給料に差があるのは分かっている。最初から理解していた。

ただ実際に働きながら、向こうが頻繁に席を外している分だけ、こちらに電話が集まっていくという構図が続くと、腑に落ちない気持ちが少しずつ積み重なっていった。

頑張れば評価されるわけでもない。それを訴えられる場所もない。仕組みの問題だとは分かっていても、その不公平感は薄れなかった。

その職場は別の事情で退職した。今は特に引きずっているわけではない。

相手に悪意があったわけでもなく、制度の問題だと分かってはいる。ただふとした瞬間に、あの45分ごとの離席と、鳴り続ける電話の音が思い出される。何かが積もっていたあの日々の、静かな残像として。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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