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「車内が少し臭うんですが…」バス車内での“異臭トラブル”→添乗員が後方座席で見つけた“原因”

  • 2026.8.1
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

元バスガイドのくろちびです。

バスツアーでは、年齢や趣味、旅の楽しみ方が異なるさまざまなお客様が同じ車内で過ごします。
お酒を楽しむ方もいれば、景色を眺めながら静かに過ごしたい方もいます。

だからこそ、一人にとって心地よい時間が、別のお客様にとっては困りごとになってしまうこともあります。

今回は、宿泊ツアーで実際に経験した「車内の異臭トラブル」と、その経験から学んだ事前案内の大切さについてお話しします。

「車内が少し臭うんですが……」お客様からの小さな相談

ある宿泊ツアーでの出来事です。

昼食会場を出る頃には、お酒を楽しまれたお客様も多く、午後は車内でも宴会の続きを楽しむ方が増えていました。

サービスエリアへ到着した際、一人のお客様が私のところへそっと来られ、「車内が少し臭うんですが……」と小声で相談してくださいました。

車内を見渡しても、その場では原因は分かりません。しかし、特定のお客様へ直接お声掛けをすると、車内の空気が悪くなったり、お客様同士のトラブルに発展したりする可能性があります。

そこで私は、「サービスエリアを出発いたします。お酒やおつまみを召し上がるお客様は、窓を少し開けて換気にご協力をお願いいたします」と、車内全体へのお願いという形でご案内しました。

原因を探すよりも、車内全体の空気を守ることを優先

その日の宿に到着し、お客様を館内にご案内した後、私は車内の清掃と確認を行いました。

すると、後方座席で異臭の原因を見つけました。

貴重品以外は車内に置いたままでOKと案内していたため、一部お客様のお荷物が置いてあったのですが、シートには焼酎がこぼれ、窓枠には開封済みのするめ、柿の種、チーズおかき、いぶりがっこ、ジャーキーなど、香りの強いおつまみが並べられていたのです。

お酒を楽しんでいたお客様に悪気はありません。旅行という特別な時間を仲間と楽しみたいという気持ちは、私にもよく分かります。

しかし、観光バスは多くのお客様が同じ空間を共有する場所です。お酒やおつまみを楽しむ方がいる一方で、臭いが苦手な方もいらっしゃいます。

私が大切にしたのは、「誰が悪いのか」を追及することではなく、すべてのお客様が気持ちよく過ごせる車内環境を守ることでした。

焼酎はタオルで丁寧に拭き取り、窓を開けて十分に換気を行いました。また、宿泊ツアーでは事前に「開封済みの飲み物や食料品は処分させていただく場合があります」とご案内していたため、あらかじめご了承いただいていた通りに処分し、翌日も気持ちよくご乗車いただける状態に整えました。

事前の一言がトラブルを防ぐこともある

この出来事を経験してから、宿泊ツアーでのご案内内容を見直しました。

以前は、「貴重品以外のお荷物は車内へ置いていただいて構いません」とお伝えしていましたが、その後は、お酒を楽しまれるお客様が多いツアーでは、「開封済みのお酒やおつまみは、お持ちいただくか、こちらで処分させていただきます」と事前にご案内するようになりました。

トラブルは、起きてから対応するだけではありません。ほんの一言添えるだけで防げることもあります。バスガイドには、お客様同士が気持ちよく旅行を楽しめる環境を整える役割もあるのだと、この経験を通して改めて実感しました。

誰もが気持ちよく過ごせる旅へ

観光バスは、多くのお客様が時間と空間を共有する公共の場所です。一人ひとりの楽しみ方を尊重しながら、全員が快適に過ごせる環境をつくることも、バスガイドの大切な仕事です。

この経験は、事前の一言や小さな気配りが、大きなトラブルを防ぐことにつながると教えてくれた忘れられない出来事となりました。


ライター:くろちび

プロフィール
 バスガイドとして4年間、奈良・京都・大阪を中心に観光案内を担当。修学旅行や団体旅行、高齢者ツアーなど、さまざまなお客様をご案内してきました。現場で実際に経験した出来事や、旅行の裏側、接客を通して学んだことを、実体験をもとにお伝えしています。


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