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亡くなった父の口座から100万を出金→「当面は安心できる」はずが…弁護士からの一言に、30代息子が“青ざめたワケ”

  • 2026.6.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

相続が発生した際、亡くなった家族の口座からお金を引き出すケースは珍しくありません。

しかし、この判断が後に思わぬ影響を及ぼすことも。

今回は、亡くなった父の口座から100万円を出金したことで、父の借金1,000万円を背負う危機に直面した男性の事例を紹介します。

「亡くなった父の口座から出金したい」正当な手続きを踏んでお金を引き出した男性

30代男性のAさん(仮名)は、父を病気で亡くしました。

「これから葬儀費用なんかで何かとお金がかかるし…」と考えたAさんは、亡くなった父の口座から100万円を引き出すことに。

通常、銀行の口座は口座名義人の死亡により凍結してしまいます。

しかし、相続人は「遺産分割協議前の相続預金の払戻し制度」を利用することで、1金融機関あたり150万円を上限に払い戻しを受けられます。

Aさんは銀行で手続きを行い、父の口座から100万円を出金。

「これで当面は安心できる」そう思っていたといいます。

父の借金は1,000万円…相続放棄を決めたAさんに弁護士から“まさかの指摘”が

Aさんの父は個人事業主であり、1,000万円の借金がありました。

相続財産は少額の預金のみであったため、Aさんは一切の資産・負債を引き継がない「相続放棄」をすることに。

しかし、同じく相続放棄を検討している母が弁護士に相談していたところ、父の死後にAさんが凍結口座から出金した「100万円」の履歴が見つかります。

「このお金はどうしましたか?資金使途によっては相続放棄ができず、Aさんがお父さまの借金を引き継ぐことになってしまいます」

弁護士の言葉を聞いたAさんは、冷や汗をかいたそうです。

預金の引き出しは「法定単純承認」にあたる可能性も

亡くなった家族の口座からお金を引き出して使うと、「法定単純承認」であるとみなされるケースがあります。

そもそも単純承認とは、亡くなった人の資産や負債などをすべて相続することを指します。

また、法定単純承認とは、相続人の意思にかかわらず、一定の行為によって単純承認をしたとみなされる制度です。

単純承認をした後は、相続放棄はできません。また、相続放棄の手続き後に法定単純承認にあたる行為をした場合、放棄の効力は失われます。

「亡くなった家族の口座からの出金」が単純承認にあたるかどうかは、資金使途によって異なります。

〈単純承認にあたる可能性が高い資金使途〉

  • 相続人が自分のために使った場合
  • 故人の借金返済に充てた場合

〈単純承認にあたらない可能性が高い資金使途〉

  • 一般的な額の葬儀費用に充てた場合
  • 自分の財産と分けて封筒などに保管していた場合

※個別の事情によって判断は異なります

今回の場合、Aさんが父の口座から引き出した100万円はすべて葬儀費用にあてており、その明細も残っていました。

よって法定単純承認にはあたらず、結果として希望通りに相続放棄ができたのです。

相続放棄を検討する場合は預金の扱いに注意

法定単純承認は、故人の預金を引き出したのみでただちに該当するものではありません。

しかし、資金の使い道によっては相続放棄が認められなくなる可能性もあるうえ、「法定単純承認にあたるかどうか」はケースバイケースであるため、判断が難しいです。

単純承認をしたとみなされると、借金もすべて相続することになってしまいます。

相続放棄を検討している人は自己判断で故人の口座から出金するのを避け、事前に専門家に相談するのも1つの方法です。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員・行政書士資格保有の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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