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老後資金のため3000万円貯金「これで十分暮らしていける」はずだったが…→数年後、70代夫婦が直面した“想定外の大誤算”

  • 2026.8.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務め、日々お金に関するご相談に向き合っている中川です。

「老後資金は3,000万円あれば安心」と考える方は少なくありません。住宅ローンを完済し、年金とまとまった貯蓄があれば、安定した老後を送れるように見えます。

しかし、加齢に伴う医療費の増加や物価上昇など、老後の家計は想定外の理由で圧迫されることも多いのが現実です。今回は「年金と貯蓄があるから大丈夫」と安心していた70代夫婦が、老後家計の厳しさに直面した事例から賢い備え方を考えていきましょう。

老後資金3,000万円。安心できるはずだった夫婦の家計

今回ご紹介するのは、70代前半のAさんご夫婦です。

夫は会社員として長年働き、退職後は年金生活に入りました。子どもは独立し、住宅ローンも完済しています。

老後に備えて準備していた金融資産は約3,000万円。夫婦の年金収入は月22万円ほどでした。

「贅沢をしなければ、年金と貯蓄で十分暮らしていける」

Aさんご夫婦はそう考えていたそうです。実際、退職直後の数年間は大きな不安を感じることはありませんでした。

医療費と生活費がじわじわ家計を圧迫

しかし、年齢を重ねるにつれて状況は少しずつ変わっていきました。

夫は高血圧や糖尿病で通院が必要になり、妻もひざの痛みで定期的に病院に通うようになります。

診察代や薬代だけでなく、通院のための交通費や保険適用外の費用なども含めると、毎月の医療関連費は想像以上に増えていきました。

さらに近年は、食費や光熱費の上昇も家計に直撃します。以前と同じ生活をしているつもりでも、毎月の支出は確実に増えていきました。

月22万円の年金では足りず、さらに「一時出費」が重なる

Aさんご夫婦の年金収入は月22万円ほど。実際の生活費は月24万〜26万円ほどかかるようになり、毎月2万〜4万円の赤字(年間約30万〜50万円の取り崩し)が発生していました。

3,000万円の貯蓄があれば「年間50万円程度の取り崩しなら大丈夫」と思いがちです。しかし、本当の脅威は日々の赤字だけではありません。

今後、外壁塗装や家電の買替などの「住宅維持費(100万〜200万円)」や、将来の「介護費用(1人あたり数百万円)」といった大型の臨時支出が数年おきに発生すると、取り崩しスピードは一気に加速します。

「日々の赤字」に「将来の大型支出」が合わさることで、思っていた以上のペースで資産が減っていくことに、Aさんご夫婦は焦りを感じ始めたのです。

「3,000万円ある」ではなく「将来どう減っていくか」をシミュレーションする

老後資金の相談で多いのが、「現在の資産額」には意識が向いていても、「今後どんなペースで減っていくか」を把握していないケースです。

Aさんご夫婦も、貯蓄があるという安心感を持っていました。

しかし、日々の生活費の不足に加えて、今後のライフイベント費用を考慮すると、決して放置できない状況であることがわかりました。

老後家計は「今の支出」だけでは判断できない

老後の資金計画を立てる際、現在の生活費だけを基準にしてしまいがちですが、本当に重要なのは「将来増える可能性のある支出(医療・介護・住宅修繕など)」を見越しておくことです。

「住宅ローンが終わったから」「年金と貯蓄があるから」と油断せず、将来の支出増加まで考慮したシミュレーションを行い、余裕のある計画を立てていきましょう。


※本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、特定の金融商品や投資行動、ライフプランを推奨・保証するものではありません。実際の資金計画や資産運用にあたっては、専門家にご相談の上、ご自身の判断で行ってください。

監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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