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「早くもらった方が得」年金を“65歳→62歳”に繰上げ受給した男性…しかし、年金事務所で告げられた“想定外の事実”に驚き

  • 2026.6.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「年金は早くもらった方がお得」そう思っている方は少なくありません。しかし年金の繰上げ受給には、知らないと後悔する重大な落とし穴があります。

今回は、窓口でお客様から伺った、62歳から年金を繰上げ受給して後悔した60代男性Bさんのエピソードをご紹介します。

「早くもらえるならその方がお得じゃないか!」

60歳で定年退職を迎えたBさん。退職後はしばらくゆっくりしたいと考え、再就職はせずに過ごしていました。

しかし貯蓄を取り崩す生活が続く中で、「早めに年金をもらい始めた方がいいのではないか」と考えるようになりました。

「どうせもらえるお金なら、早くもらった方が得じゃないか」と62歳になったタイミングで年金事務所に相談に行き、繰上げ受給の手続きをしました。年金は60歳から65歳になるまでの間であれば、希望するタイミングで繰上げ受給を申請することができます。

しかし手続きを進める中で、担当者から告げられた言葉にBさんは思わず固まってしまいました。

「繰上げ受給すると、年金額が一生涯減額されます」その後、別の用件で銀行窓口を訪れたBさんから、この話を聞かせていただきました。

「一生涯…減額されるんですか?」

「年金事務所で手続きをする際に説明を受けたんですが、まさかこんなに影響が大きいとは思っていなかったんです」とBさん。

Bさんが65歳から受け取れるはずだった年金は月約17万円。しかし62歳から繰上げると、1ヶ月あたり0.4%×36ヶ月=14.4%が減額され、月約145,520円となります。毎月約24,500円の差が、一生涯続くのです。

仮に85歳まで生きた場合の受取総額を比べてみると、65歳から受け取った場合は約4,080万円。一方、62歳から繰上げ受給した場合は約4,016万円。差額は約64万円のマイナスになります。

さらに65歳以降の20年間だけで見ると、月々約24,500円の差が積み重なり、約588万円も少なくなってしまいます。「3年早くもらえた」という安心感の裏で、老後の毎月の手取りが一生涯減り続けるのです。

「65歳まで待てばよかったと後悔しても、繰上げ受給は取り消しができないんです」とBさんは肩を落としていました。

年金の受給開始時期は、慎重に考えることが大切

では、同じ状況を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。
年金の繰上げ受給を検討している方は、以下の点を事前に確認しておくことをおすすめします。

・繰上げ受給すると1ヶ月あたり0.4%減額され、65歳より前に受給を開始した月数分だけ年金額が減る
・この減額は取り消しができず、一生涯続く
・長生きするほど、繰上げ受給による損失額は大きくなる
・病気やケガで障害状態になった場合に受け取れる「障害年金」は、繰上げ受給をすると請求できなくなる場合がある。健康に不安がある方は特に注意が必要
・反対に繰下げ受給(最大75歳まで)すると1ヶ月あたり0.7%増額される
・ねんきんネット(日本年金機構)で自分の年金見込み額を確認し、繰上げ・繰下げどちらが有利かシミュレーションしてから判断を

「早くもらえる=お得」とは限りません。ご自身の健康状態・家計の状況・老後の生活設計を踏まえた上で、年金の受給開始時期を慎重に検討することが大切です。不安を感じる方は、年金事務所やFP(ファイナンシャルプランナー)などの専門家にご相談ください。


参考:
65歳前に年金を繰り上げて受け取りたいとき(日本年金機構)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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