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服選びの返信が「右」「左は嫌」だけになる俺が、彼女にようやく打ち明けた事情

  • 2026.5.23
ハウコレ

僕は彼女と付き合って1年半になる、ITエンジニアです。仕事柄、プログラミングは得意ですが、感情を言葉にするのは昔から苦手で、メッセージの返信がいつも短くなってしまうのが悩みでした。それが原因で、ある日、彼女を困らせてしまったのです。

「右」しか出てこなかった夜

デート前日の夜、彼女から写真が届きました。並んだワンピースの画像と「この服どっちがいい?」のメッセージ。デートを楽しみにしているのが伝わってきて、画面を見つめながら考えました。

すぐに右だと思いました。色が彼女の肌に合っているし、形も彼女が普段着ている雰囲気に近いからです。でも、その「思った理由」を文字にしようとすると、言葉が全部どこかへ消えてしまうのです。迷った末、僕が送った返信は「右」のひとこと。送ってから「もう少し書けよ」と自分でも思いましたが、何を足せばいいのかが分からないまま、画面を閉じました。

「なんで?」に詰まった頭

しばらくして「なんで?」と返事が来ました。困りました。理由はあるのです。あるはずなのです。でも、それを言葉に変換する作業が、僕にはどうしても上手くできない。

色がきれいだから?シルエットが好きだから?どれも合っているような、どれも違うような気がして、結局、頭にあった消去法を出して「左は嫌」と送ってしまいました。

送信した瞬間、画面の向こうで彼女が呆れているだろうな、と想像してしまいました。違うのです。本当はちゃんと考えて、ちゃんと選んでいるのです。それを、たった一言でも届けられない自分のことを、画面を見つめながらしばらく責めていました。

ようやく打ち明けた苦手

次に会った日、彼女は「もっとちゃんと感想を言ってほしい」と切り出しました。覚悟していた言葉でした。誤魔化さずに話そうと決めて、僕は口を開きました。

「言葉にするのが苦手なんだ」。学生時代から作文も読書感想文も、最後まで埋めることができた記憶がありません。頭の中で気持ちは動いているのに、文字に変換する経路だけがどうしても細いのです。

「右がいいと思ったのは本当だよ。色も形もきみに合うと思ったから」。話しながら、彼女が少し驚いた顔をしているのが見えました。「左は嫌」は本当にただの消去法で、嫌いという意味じゃなかったと、ようやく伝えることができたのです。

そして…

僕の言葉数は、これからもきっと多くはならないと思います。それでも、彼女が「色?形?」と具体的に聞いてくれるようになってから、少しずつ答えやすくなりました。

言葉が苦手な分、行動で見せようと思っています。彼女が選んでくれた服を着る回数を増やしたり、もらったものを大切に使ったり。それが、僕なりの「ありがとう」と「いいよ」の伝え方です。短い返信が冷たく見えていたことを知って、これからは、もう少しだけ言葉を足してみる練習も始めようと思います。

(20代男性・ITエンジニア)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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