1. トップ
  2. エピソード
  3. 「もう駅着いたよ」デート直前、読んだのに返信が来ない彼→30分後、彼ではない人から連絡が来た

「もう駅着いたよ」デート直前、読んだのに返信が来ない彼→30分後、彼ではない人から連絡が来た

  • 2026.6.12
ハウコレ

待ち合わせの駅に着いて、改札の先の柱にもたれて彼を待ちました。約束の時間まではまだ少しありましたが、私はいつものように到着の知らせを送ります。読んだ合図はすぐにつきました。けれど、そこから返ってくるはずのひとことが、いつまでも届かなかったのです。

既読だけがついて、返信は来ない

「もう駅着いたよ」。そう送ったメッセージに、既読があっという間につきました。だからすぐに「今向かってる」とでも返ってくるものだと思っていました。

ところが、五分経っても、十分経っても、画面は既読がついたまま返信がきません。支度に手間取っているのかもしれない、電車が遅れているのかもしれない。そう考えながら、私は柱の前を行ったり来たりしていました。

三十分後、彼のものではない言葉が届いた

通知が光ったのは、それから三十分ほど経ったころでした。表示されたのは、いつもの彼のアカウントの名前。やっと返事が来た、と画面を開いて、私は柱にもたれたまま文章を何度も読み返しました。「突然ごめんなさい。これを打っているのは、あなたが待っている人ではありません」。続けて、もう一通。「私、その人の同棲相手です」。彼の口調とはまるで違う、知らない人の文字でした。彼のスマホから、彼ではない誰かが、私に返信していたのです。

「はっきりさせなくてもいい」を、私も選んでいた

頭に浮かんだのは、彼の顔よりも先に、自分のことでした。思えば私たちは、付き合おうと言葉にしたことが一度もありませんでした。

いつだったか「私たちって、付き合ってるんだよね?」と聞いたとき、彼は「そういうの、今はっきりさせなくてもいいじゃん」と笑って、それきりでした。私もそこに踏み込むことをしませんでした。確かめてしまえば、この心地よい時間が終わるかもしれない。そう思って、曖昧なままにしてしまったのです。

そして…

私は彼には何も送らず、連絡をくれたその人にだけ「教えてくれて、ありがとうございます」と返して、アプリを閉じました。相手の女性もまた、私と同じように傷ついた人なのだと思うと、責める気持ちにはなれませんでした。柱から離れて、来た道を引き返します。

次に誰かを「彼」と呼ぶときは関係をちゃんと言葉で確かめよう。そう決められただけでも、待った三十分には意味があったのだと思えました。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる