1. トップ
  2. 住まい
  3. デザインのプロに聞く、オープンシェルフを洗練させる方法8

デザインのプロに聞く、オープンシェルフを洗練させる方法8

  • 2026.5.21
Keyanna Bowen

オープンシェルフは部屋に彩りを加えるだけでなく、収納問題まで解決してくれる頼りになるアイテム。ただ、常に視線を集めるがゆえに、日常的なニーズを満たしつつ、これを美しくスタイリングするのは簡単ではない。視覚的なバランスを考慮して個性を反映し、さらに使いやすさまで満たす必要があるのだから。

「私たちが関わるプロジェクトでは、オープンシェルフをよく使います」とサンフランシスコを拠点にするインテリアデザイナー、レーガン・ベイカーは言う。「家の中でも、住み手の個性が如実に表れるアイテムだと思います。そこに自分の生活を飾っているようなものですから。うまく仕上げられたら、ここで自分自身のストーリーや自分が何を美しいと思うのかを語ることができます」

それでは、フォルムと機能は、どうバランスすればよいのだろうか。今回は、インテリアデザイナーたちに話を聞き、彼らがオープンシェルフにどのようにアプローチしているかを具体的に紹介する。8項目にまとめたので、さっそく見ていこう。US版「ハウス・ビューティフル」

Laure Joilet

部屋全体の雰囲気に合わせて素材と色を決める

レーガン・ベイカーがデザインを手掛けたこのキッチンでは、壁に沿って設置されたオーク製のオープシェルフに、グラスからオブジェのコレクションまで、さまざまなものがディスプレイされている。

「このシェルフは、部屋全体を構成する大胆なカラースキームの一部。キッチンの下にはグリーンのキャビネット、手前はブルーのアイランド、それからバックスプラッシュには『フェズ』のターコイズ色のタイルが使われています。だから。オープンシェルフに飾られているオブジェも、その中に馴染んでいるんです。後から付け足したようには見えないでしょう?」

キッチンの隣には、バトラーズパントリーも。ここには、「ベンジャミンムーア」の“ペール・アボカド”で塗ったシェルフがしつらえられている。こちらもキッチンと同じように意図的にデザインされた、収納&作業スペースだ。シェルフの素材と、そこにのせられたものが全体のカラースキームの一部として考えられていれば、部屋全体としての一貫性が保たれるということを覚えておこう。

Keyanna Bowen

飾るものは高さとサイズが重要

デザイナーたちは、遊び心を忍ばせることが大好き。オープンシェルフは、これを実践するのに最適なアイテムだ。

「飾るものは、さまざまな高さやサイズをミックスすれば、シェルフにダイナミックな印象をもたらすことができます。ここに並べられているものがすべて同じフォルムや高さなら、つまらないですよね」とライトハウス・ホーム・アンド・デザインのレスリー・クレイマーは言う。「各アイテムのよさが引き出されるようにディスプレイすると、シェルフ全体ではなくひとつひとつに目を向けてもらえるようになります」

クレイマーは、ちょうどよいバランスを叶える秘訣は、シェルフをにものを詰め込みすぎないことだと教えてくれた。ほどよい数にしぼり、的確なサイズやスケールを選択していくことで、『やりすぎ』になることなく、それぞれの魅力を存分に引き出すことができるのだ。

Jessica Burke

住人の個性を反映する舞台として考える

写真のフォーマルなリビングでは、天井まで届くシェルフとウォールナット製のキャビネットがカスタマイズされ、そこにアート作品などが並べられている。

「オープンシェルフは、アートやオブジェなどクライアントが個人的に収集してきたコレクションと共にスタイリングされています。部屋全体で語られている、アートをベースにしたストーリーですね」とベイカー。「シェルフが、クライアントが愛し、収集するものでスタイリングされた場合、それは単なる家具ではなく、クライアントの人となりを映し出す鏡となります」

本物の作品が主役になると、オープンシェルフが「その辺にあるものをランダムに置く場」ではなく、「落ち着いていて親密で、個性が感じられる美術館のような空間」に変貌する。

ベイカーは、ここに一貫性のあるカラーパレットを採用し、厳選された素材をミックス。雑然とした印象を避け、入念に考えられたまとまりのある空間を実現した。

Michael J. Lee

背景となる壁を大胆に装飾してみる

オープンシェルフに個性を加えたいのなら、目を引くような背景を採用してみてはいかがだろうか。写真は、インテリアデザイナーのデジリー・バーンズが、ニッチにしつらえたビルトイン型のバー。彼女は、プロジェクト開始当初よりシェルフのうしろをデザインの一部として捉えていた。

「壁紙やタイル、石材といった味わい深い背景を導入すると、たちまちシェルフが洗練されます。私たちがホームバーをデザインする際にインパクトを加えたいと思ったら、面白い壁紙を使うことが多いですね」と彼女は言う。

「背景に何もないと、オープンシェルフは平坦に思われたり、未仕上げの状態に見えたりしてしまいます。背後にレイヤーを加えることで深みが増し、カラーや個性を加えることができます。そこに並べられているのがグラスやリキュール類といったシンプルで何気ないアイテムであっても、選び抜かれ、注意深く配置されているような印象を与えるのです」

Shannon Askinasi

小さなグリーンを取り入れよう

グリーンやフレッシュな小枝を取り入れてシェルフに命を吹き込もう。これなら大きな予算も必要ない。葉のついた1本の茎、小さな寄せ植え、あるいは数輪の花があれば、オープンシェルフがやわらかな雰囲気に。そして、部屋にナチュラルなカラーやテクスチャー、それから温もりを加えてくれる。

「どんなに美しくスタイリングされたシェルフでも、時間の経過と共に新鮮味が薄れていってしまいます。リフレッシュを促し、よりダイナミックで人の気配がするような場をつくりたいのなら、グリーンを飾りましょう」とアッシュ・アンド・パイン・インテリアズの設立者、シャノン・アスキナシは言う。

「色とりどりの花々や枝を異なる高さで置いていけば、シェルフに動きが出て、視覚的に興味深い空間が出来上がります。気負わない洗練された様子は、見ていて気持ちがいいですよね」

Tamara Flanagan

大切なのは数よりもキュレーション

ファッションの世界でよく聞く言葉に、こんなものがある。「家を出る直前に身につけたアクセサリーは、『やりすぎ』になってしまうことが多い」。オープシェルフのデコレーションにも同じことが言える。あらゆる隙間を埋めつくしたくなる衝動にかられるが、息抜きのためのスペースは必要だ。

「オープンシェルフに求められるのは、収納というより、キュレーションだと思っています。つまり、質のよいものを少しだけディスプレイするということ」こう言うのは、インテリアデザイナーのアレックス・クレセリウスだ。

「抑制を効かせることにより、シェルフは洗練されていきます。写真の家に住むクライアントは、膨大な数のバーボンやウイスキーのコレクションを所有しています。何年もかけて選りすぐり品だけを収集してきました。私たちも、すべての棚を埋めるために新たな蒸溜酒を購入しようとすることはありませんでした」

Kate McElwee

棚のサイズに変化をもたせる

可能であれば、棚の高さやサイズに変化をもたせると、オープンシェルフを立体的に見せることができる。ニディファイ・スタジオのダグ・ジャックは、これによって手間をかけることなく視覚的な魅力を加えられると話す。

「家主がどのような構成を好んでも、対応することができる解決策。あらゆるコレクションをカジュアルでありながら洗練した形に見せることが可能です」とジャック。「同じ形のスペースが並ぶシェルフだと、そこに並べるもののサイズや種類が限られてしまいます。そして、すべてがあまりにも整然としていると、人は少しでもはみ出したものに目を向けてしまいがちです」

Jared Kuzia

とっておきの照明を投入する

部屋の中のデコレーションやディテールが慎重に整えられていても、その空間の印象を決めるのは照明。これはオープンシェルフにも通じる。インテリアデザイナーのトレバー・フルマーによると、シェルフの照明としてよく使われているのは埋め込み型のLEDだけれど、より存在感のあるものを使用した方が、シェルフが生き生きと輝く。

「壁用の照明やピクチャーライトを使うと、個性が際立ちます。光の向きとしては、真下ではなくて、オブジェに直接当たるように調節しましょう。そうすると、それぞれのアイテムがしっかりとスタイリングされているように見えるし、シェルフの構造を強調することができます」とフルマー。「照明は注目を集め、会話のきっかけにもなってくれますよ」

original text : WENDY ROSE GOULD
translation : CHISATO YAMASHITA

Hearst Owned

こちらもCheck!

Hearst Owned
Hearst Owned
元記事で読む
の記事をもっとみる