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「なんでこんなに安いの?」相場より300万円安い“高級感あるマンション”、入居後すぐに覚えた“違和感”のワケ

  • 2026.7.16
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

マンションを探していると「この価格でこの外観?」と思わず目を引く物件に出会うことがあります。ホテルのようなエントランスや高級感のあるデザインを見ると「かなりお得な物件を見つけた」と感じる方も少なくありません。

しかし、不動産は見た目の印象だけでは分からないことがあります。

今日は、周辺相場より約300万円安いマンションを購入したものの、高級感のある自動ドアを見て「オートロック付きのマンションだ」と思い込み、入居後に大きな誤算を経験した40代ご夫婦のお話をご紹介します。

周辺相場より300万円も安い「掘り出し物件」に飛びついた

数年前、マンション売却のご相談で来店されたのは40代のAさんご夫婦でした。査定を進めるなかで、ご夫婦は購入当時を振り返りながらこんな話をしてくださいました。

「実は、このマンションは周辺相場より300万円ほど安かったんです」

購入したのは、築年数の浅い中古マンション。外観は落ち着いたデザインで、エントランスには大きなガラス張りの自動ドアが設置され、まるでホテルのような雰囲気でした。

内見したときには「この価格でこの設備なら、かなりお得だね」と、ご夫婦は購入を決意したそうです。

一方で「なんでこんなに安いんだろう」という疑問もあったものの「売主さんが早く売りたかったのかな」と考え、価格が安い理由までは深く確認しませんでした。

入居して初めて気付いた「オートロックなし」

ところが、入居後すぐに違和感を覚えました。ある日、宅配業者が玄関前まで来たことに驚いたそうです。

「あれ?エントランスで呼び出しがなかった…」

不思議に思って確認すると、エントランスは自動ドアであるものの、オートロック設備は設置されていませんでした。つまり、住民以外でも自由に建物内へ出入りできる構造だったのです。

その後は、訪問販売員や勧誘員が共用廊下まで入ってきたり、宅配業者が自由に出入りしたりすることも珍しくありませんでした。

夜遅くに見知らぬ人が共用廊下を歩いている姿を見かけることもあり、奥様は防犯面への不安から落ち着かない日々を過ごすようになります。

実はAさんご夫婦は、ホテルのようなエントランスと自動ドアを見て「自動ドアがあるのだから、オートロック付きのマンションだろう」と思い込んでいたそうです。

内見当日は、すでに現地に到着していた不動産会社の担当者が先に建物内へ入って案内してくれたため、ご夫婦は担当者がオートロックを解錠したのだと思い込み、エントランスの仕組みまで気にすることはありませんでした。

そのため、入居して初めて「誰でも自由に出入りできる建物だった」という事実に気付いたのです。

後から設置するのは非現実的?

Aさんご夫婦は、管理会社へオートロック設備の設置について相談しました。しかし、オートロックを新たに設置するには、管理組合(マンションの共用部分を管理する区分所有者の組織)の合意が必要になります。さらに、配線工事やエントランス設備の改修など多額の費用もかかるため、簡単に導入できるものではないと説明を受けました。

ご夫婦は、購入時の資料を改めて確認したそうです。すると、重要事項説明や物件資料には、オートロック設備が設置されていないことがきちんと記載されていました。

つまり、不動産会社からは適切に説明が行われていたものの、ご夫婦は「高級感のあるエントランスだからオートロック付きだろう」と思い込み、設備の内容まで十分に確認していなかったのです。

「見た目で勝手にオートロックだと思い込んでしまって、細かい説明まで確認していませんでした」

と、Aさんは肩を落としていました。

さらに、担当者へ周辺相場より安かった理由を改めて確認すると、オートロック設備がないことも価格に反映されていると説明を受けました。

「やっぱり安いのには理由があったんですね…」

Aさんが苦笑いしていた姿が印象に残っています。

オートロックの有無を見落とさない

実際に今回のような勘違いは、決して珍しいケースではありません。

ホテルのようなエントランスや自動ドアが設置されていても、オートロック設備まで備わっているとは限らないためです。見た目だけでは判断しにくく、内見時に思い込んでしまう方も少なくありません。

また、周辺相場より安い物件には、設備や立地、管理状況など、価格に反映される理由があるケースもあります。

中古マンションの購入でオートロックを希望されている場合は、来訪者がどのように建物へ入る仕組みなのか、実際にエントランスで細かく確認しておくことが大切です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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