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「こんなはずでは」約5,900万円の注文住宅、南西の大きな窓が夏に招いた"想定外の事態"

  • 2026.7.16
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「開放的なリビングにあこがれて、南西側に大きな掃き出し窓をとったんです。でも夏の午後は、西日でまぶしくて暑くて。ソファも床も日に焼けてきて、こんなはずでは、と」

そう話すのは、都内近郊に注文住宅(築3年・延床34坪・約5,900万円)を建てたEさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。南西に面したリビングの大きな掃き出し窓は、写真で見た開放感が決め手でした。

「見た目と明るさで選んでしまって、夏の日ざしまでは考えていませんでした」とEさんは振り返ります。

なぜ大きな窓は、夏に暑くなるのか

大きな窓が夏に暑くなるのには、はっきりした理由があります。窓は、夏に家の中へ入ってくる熱の、最大の入り口だからです。

資源エネルギー庁によると、夏の冷房時に室外から侵入する熱のうち、約7割は窓などの開口部からとされています。壁や屋根よりも、窓のほうがずっと熱を通しやすいのです。だから、窓が大きくなるほど、その入り口も大きくなり、入ってくる日射熱も増えます。

とくに、西や南に面した窓は日ざしが強く当たります。南は日中の高い日ざしが、西は夕方の低い日ざしが長く差し込むため、大きな窓だと、午後から夜まで室内が暑くなりやすいのです。

暑さだけではない、大きな窓の盲点

大きな窓の盲点は、暑さだけではありません。

まず、まぶしさです。西日の時間帯は、光が低い角度から差し込むため、テレビが見えにくかったり、目が疲れたりします。次に、日焼けです。日ざしに含まれる紫外線で、ソファやカーテン、フローリングが少しずつ色あせ、窓が大きいほど日の当たる範囲も広がります。

加えて、大きな窓は断熱の弱点にもなります。ガラスは壁より熱を通しやすいため、夏の暑さの入り口になり、冬も、日の差さない時間帯には熱の逃げ口になるのです。

Eさん夫婦はどう対応したのか

日ざしに悩んだEさん夫婦が見直しの軸にしたのは、「日ざしは室内に入る前に外側で遮る」ことでした。

最初はレースや遮光カーテンで対応していましたが、室内のカーテンは、すでに窓から入った熱を受け止める形になるため、暑さそのものはなかなか引きませんでした。そこで、西側の窓に外付けのすだれやシェードを取り付け、日ざしを窓の外側でカット。室内の暑さとまぶしさが、ぐっとやわらいだそうです。

「いずれは、より断熱性の高い内窓(二重窓)の追加も考えたいです。外で遮るだけで、こんなに違うとは思いませんでした」とEさんは振り返ります。

大きな窓を選ぶときは「夏の日ざし」も考えて

大きな窓は、光をたっぷり取り込み、外の景色とつながる開放感が魅力です。しかも冬には、この日ざしが味方になります。冬の太陽は夏より低いところを通るため、南の大きな窓は日ざしを部屋の奥まで取り込み、日中の部屋を暖めてくれるのです。庇や軒が昔から使われてきたのは、高い夏の日ざしを遮りつつ、低い冬の日ざしは通せるから。

一方で、窓の大きさは、夏の日ざしや熱の入り口の大きさでもあります。選ぶときは、見た目の開放感だけでなく、以下の点もあわせて考えておくと安心です。

・窓の向き(西や南の大きな窓は、日ざし対策を前提に考える)
・庇や軒、外付けシェードなど、外側で日ざしを遮る工夫があるか
・熱を通しにくい遮熱タイプ(Low-E複層)のガラスを選べるか
・ソファやテレビなど、日焼けやまぶしさが気になる家具の置き場所を考えているか

大切なのは、「映える窓」は「日ざしが入る窓」でもあると知っておくこと。そのうえで、窓の向きやガラス、外側の日よけまで考えておけば、大きな窓の開放感と、夏の快適さは両立できます。

参考: 省エネ住宅(家庭向け省エネ関連情報)(資源エネルギー庁)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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