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毎朝「傘持った?」と送り続けた僕が、彼女からの一言で送るのをやめた朝のこと

  • 2026.5.14
ハウコレ

雨が降りそうな朝、僕は彼女に必ず「傘持った?」と送っていました。心配というより、それで自分が安心していたのかもしれません。彼女からの一言で気づくまでは。

毎朝の小さな儀式

僕は前日の夜、必ず翌日の天気予報を確認します。雨が降りそうな日には、朝起きて一番に「おはよ。今日午後雨らしいよ、傘持った?」とメッセージを打つ。それが、付き合って2年になる彼女との朝の習慣でした。

返ってくるのはほとんどが「うん、ありがとう」。短い返信で十分でした。彼女がちゃんと傘を持って会社に向かったとわかれば、その日1日、僕は仕事に集中できる。たまに「忘れた、買う」と返ってくる日もあって、そのときは「気をつけてね」と返しました。いつのまにか、日課のようになっていたのです。

「お母さんか」の朝

朝、いつも通り送った「傘持った?」に、返ってきたのは「お母さんか」でした。

冗談として笑えばいい場面だとわかっていたのに、笑えなかったのです。彼女は寝起きで打ったのかもしれない、軽い気持ちだったのかもしれない。そう自分に言い聞かせても、心配を「親の小言」のように受け取られていたのかもしれない、という考えがどうしても消えませんでした。返信ができないまま、出社時刻になっていたのです。

打ち直した結果の返信

仕事の合間、何度もスマホを開きました。「ごめん、つい心配で」と打ちかけて消し、「(笑)気をつけてね」と打ちかけて消し、何度も入力欄を見つめ直しました。どう返信しても、言い訳がましく見える気がしたのです。

お昼休みの終わり、12時45分。最後に残った文章は「じゃあ、もう聞かないね」でした。送信ボタンを押してから、これは皮肉に見えるかもしれないと気づきましたが、もうそれ以上の言葉を選べる気力がなかったのです。

そして...

いつものように天気予報を開くと明日は雨マークが出ていて、いつものように「傘持った?」と打ちかけて、やめました。送るたびに「ありがとう」と返ってきていた朝が、急に遠くなった気がしたのです。

朝のメッセージを送らない日々が続きました。何度も「やっぱり送ろう」と思いましたが、もう僕の心配を彼女が望んでいないなら、押しつけてはいけないと自分を止めていたのです。

しばらくして、彼女から「ごめん、ちょっと話せる?」と連絡があり「うん、いいよ」と返して、電話で話しました。「気にしないで」と何度も言いましたが、僕はたぶん、心配したかったというより、彼女に「ありがとう」と言ってほしかっただけだったのかもしれません。明日からまた、天気予報を確認することにします。送るかどうかは、その朝の自分次第ですが。

(20代男性・営業職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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