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「あんたが部長?冗談でしょ」と見下す古参社員→最初のプロジェクトで態度が変わった

  • 2026.5.8
ハウコレ

異動初日、15年勤務の古参社員に面と向かって放たれた一言。悔しさを押し殺して臨んだ最初のプロジェクトで、予想もしなかった変化が訪れました。

初日の洗礼

着任の挨拶を終えた直後のことでした。デスクに戻ろうとした私の背中に、よく通る声が届きました。「あんたが部長?冗談でしょ」。振り返ると、この部署に15年いるという古参の社員が、腕を組んでこちらを見ていました。

周りの社員は誰も何も言いません。目を合わせてくれる人すらいませんでした。覚悟はしていたつもりです。30代前半で、しかも他部署からの異動。歓迎されないことくらいわかっていました。初日の夜は眠れませんでした。

壁だらけの船出

着任して最初のプロジェクトは、大口の取引先への提案でした。過去の経緯を把握するため、あの古参社員に「過去の提案資料、共有してもらえますか」とお願いしました。返ってきたのは「自分で探してください」の一言だけ。 

仕方なく、社内の共有フォルダを一つずつ開いて、過去3年分の資料を自力で読み込みました。他の社員も、彼の目を気にしてか積極的には手を貸してくれません。孤立した状態で提案の骨子をまとめる日が続き、指先がキーボードの上で何度も止まりました。

予想していなかった声

提案の直前になって、先方の担当者が異動になったという連絡が入りました。方針の練り直しが必要になり、チーム全体に焦りが広がったそのとき、あの古参社員がふいに口を開いたのです。

「先方の担当者が変わってます。前任の方とは好みが違うので、構成を変えたほうがいいです」

思わず顔を上げました。声のトーンはそっけないままでしたが、そこには確かな経験が詰まっていました。私は「ありがとうございます」と素直に頭を下げ、彼の助言をもとに構成を組み直しました。

そして...

提案は通りました。結果が出た翌日から、彼の態度がほんの少しだけ変わりました。挨拶を返してくれるようになり、会議で意見を求めると、短くても応じてくれるようになったのです。 

ただ、私にはわからないことがあります。あの日、なぜ急に力を貸してくれたのか。そしてなぜ、目が合うたびにほんの一瞬だけ視線をそらすのか。何かを言いかけて飲み込んでいるような、あの表情。「冗談でしょ」と言い放った人が見せた小さな変化の理由を、私はまだ知りません。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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