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3年隠してきた毎月のギフト。彼女に「バレた?」と返した俺が、ようやく口にできた親友の名前

  • 2026.5.8
ハウコレ

付き合って2年になる彼女に、3年前から続けてきたことを伏せていました。毎月25日に決まった相手に届けるギフト。彼女からの一通のメッセージをきっかけに、長く言えなかった話を、ようやく誰かに打ち明けることができました。

言いそびれた習慣

毎月25日、決まった人に食料品のギフト券を送る。それが3年続けてきた俺の習慣でした。彼女と付き合い始めたのは事故から半年後で、出会った頃にはもう日常になっていました。話すタイミングを何度も逃して、気づけば隠し事のようになっていたのです。正確に言えば、隠していたのではなく、口に出せなかったのだと思います。言えば、彼女の優しさで前に進まされそうで。前に進むには、自分の中の準備が、まだ足りませんでした。

「バレた?」と打った指

仕事中、彼女から「毎月誰かにギフト送ってるの知ってるよ」とメッセージが届きました。指が勝手に「バレた?」と打って、送ってしまいました。送ってから、軽すぎる返事だったと気づいたのです。 そこから説明を打ち始めて、止まらなくなりました。3年前の春、親友と仕事のことで言い争い、絶交したまま事故の知らせを受けたこと。葬儀の日に奥さんから「誤解しないで、彼はあなたのこと話してたよ」と言われたこと。何も返せないまま、3年が過ぎてしまったこと。

送り続ける理由

事故の翌月、初めてささやかなギフトを送りました。罪滅ぼしのつもりだったのか、自分でもよく分かっていません。返事が来なくてもいい、迷惑なら届かなくしてくれてもいい、そう思いながら毎月25日に送信ボタンを押し続けてきました。奥さんからは数回だけ、短いお礼のメッセージが届きました。娘さんが小学校に上がった、運動会で走った、と写真もなく一行だけ。読むたびに、自分が会いに行けない弱さを、まっすぐ突きつけられる気がしました。

そして…

家に帰ると、彼女がいつも通りお茶を入れてくれていました。何か言われるのを覚悟していたのに、彼女は「会いに行ってあげなよ」とは言いませんでした。ただ隣に座って、俺の手の上に自分の手を重ねただけでした。その手の温かさで、ようやく分かりました。3年間、本当は誰かに知っていてほしかったのだ、ということが。会いに行く勇気は、まだありません。それでも来月の25日は、いつもと少し違う気持ちで送信ボタンを押すのだと思います。隠してきたことを責めずにいてくれた人が、隣にいる。それだけで、抱えてきたものの重さが、ほんの少しだけ違って見えました。

(30代男性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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