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お金と引き換えに卵子を提供。卵子提供が合法化された社会を舞台に「自分の体のことを決めていいのは自分だけ」という“当たり前”を描く【著者インタビュー】

  • 2026.5.6
(C)鳥野しの/KADOKAWA(ビームコミックス)
(C)鳥野しの/KADOKAWA(ビームコミックス)

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出産経験のない女性のもとに、ある日突然「あなたの子どもです」と少女が訪ねてくる。少女は、女性の“卵子提供”によって生まれた子どもだった——。『egg わたし、あなたの子どもです。』(鳥野しの/KADOKAWA)は、他人の卵子や精子を利用することで誰でも子どもをつくることができる制度“egg”がある架空の社会の物語。

本作では、ドナー(卵子提供者)とレシピエント(卵子提供によって生まれた子ども)の人生の交わりを描く。二者は求め合うことも求め合わないこともあるが、その関係は複雑だ。親になる資格とは? セクシュアリティとは? そして人間同士のつながりとは? 人と人との在り方について改めて考えさせられる本作に込めた想いを、著者の鳥野しのさんに聞いた。

——現状日本では、卵子提供はハードルが高く、かなり限定的なケースが多いようです。本作では、生まれた環境から自由になるため…性別適合手術を受けるため…など「お金と引き換えに自分の身を切り売りする必要があった人たち」の卵子提供の物語も描かれています。そんな立場の人たちの気持ちを、どのように表現したいと思いましたか?

鳥野しのさん(以下、鳥野):「わたしの体はわたしのもの」「自分の体のことを決めていいのは自分だけ」という、当たり前のことを忘れないように、と描いたつもりです。彼らの決断を外野からジャッジするのは間違っている、という部分ですね。

——本作の中での卵子提供のルールでは、レシピエント(卵子提供で生まれた子)は16歳になればドナー(卵子提供者)の情報を知ることができます。しかしドナーにはレシピエントを知る機会は与えられないなど、厳しい制約があります。ドナーとレシピエントに権利の差があるのはなぜでしょうか?

鳥野:ドナーの「知る権利」は、場合によってはレシピエントである子どもたちの心を脅かすことになります。ですので、eggが機能するような社会であれば、子どもの権利を一番に考えるでしょうし、2番目は保護者としての育ての親の権利かな、と。ドナーの権利はずっと後ろだろうな、と考えました。

取材・文=吉田あき

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