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突然現れた「妻の隠し子」。その時、夫は…? 夫婦は互いのすべてを知り得るか【著者インタビュー】

  • 2026.5.5
(C)鳥野しの/KADOKAWA(ビームコミックス)
(C)鳥野しの/KADOKAWA(ビームコミックス)

【漫画】本編を読む

出産経験のない女性のもとに、ある日突然「あなたの子どもです」と少女が訪ねてくる。少女は、女性の“卵子提供”によって生まれた子どもだった——。『egg わたし、あなたの子どもです。』(鳥野しの/KADOKAWA)は、他人の卵子や精子を利用することで誰でも子どもをつくることができる制度“egg”がある架空の社会の物語。

本作では、ドナー(卵子提供者)とレシピエント(卵子提供によって生まれた子ども)の人生の交わりを描く。二者は求め合うことも求め合わないこともあるが、その関係は複雑だ。親になる資格とは? セクシュアリティとは? そして人間同士のつながりとは? 人と人との在り方について改めて考えさせられる本作に込めた想いを、著者の鳥野しのさんに聞いた。

——2話の主人公は、結婚をしてから卵子提供をした女性経営者のあつひ。「女の本能で自分の遺伝子をばら撒きたい」という彼女の言葉に、女性が強くなっていく世界ならこんな展開もありえるかもしれない、と感じました。

鳥野しのさん(以下、鳥野):2話は「ある日突然、夫の隠し子がやってきた」の男女逆転がテーマだったので、昭和のドラマや映画で妻が散々言われていたことを妻側に言わせよう、と思いました。eggのシステムなら不可能ではないなと。

ただ、実際にそのような考えで実行する卵子提供者はそれほど多くないんじゃないでしょうか。あつひさんもノリで「女の本能で自分の遺伝子をばら撒きたい」とは言いましたが、結局は本音を隠すためでした。

——2話は、レシピエント(卵子提供で生まれた子)との突然の出会いから、あつひ夫妻の物語が展開しています。この夫婦を通じて伝えたかったのは、どんな思いでしょうか?

鳥野:何年、何十年と一緒に暮らしていても相手がどんな人間なのか全部はわからないし、すべて知る必要も、すべてを知らせる必要もないんじゃないかな? ということですね。「相手は自分とは別の存在なんだ」と時々ヒヤリとするのも大事かな、とも思います。配偶者間に限らず、ですけれど。

取材・文=吉田あき

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