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学歴だけを誇りにしてきた私が、嫁を見下した日。息子が差し出した封筒で、すべてが引っくり返りました

  • 2026.6.15
ハウコレ

親戚が集まった我が家の居間に、嫁が焼いてきた菓子の甘い香りが漂っていました。みんながおいしいと褒めるその菓子を、私はどこか面白くない気持ちで眺めていました。自分でも、なぜあんなに意地を張っていたのか、今ならわかる気がします。

甘い香りと、面白くない気持ち

嫁が焼いてきた菓子を、親戚がしきりに褒めていました。「このお菓子、本当においしいわね」。その声を聞くたびに、私の気持ちは妙にざわつきました。我が家の自慢は、良い大学を出て良い会社に勤める息子です。その息子の隣にいるのが大学も出ていない嫁だということを、私はずっと受け入れられずにいたのです。

言わなくていい一言

気づけば私は、みんなの前で嫁の経歴を口にしていました。「あなたは、たしか大学を出ていないのよね」。場が少しざわついても、私は止まりませんでした。「うちの息子は良い大学を出て、良い会社に勤めているでしょう。それなのに」。そして、口にしなくていいはずの言葉を、はっきりと言ってしまったのです。「うちの息子とは釣り合わないわね」。

息子が差し出した封筒

すると息子が立ち上がり、一通の封筒を私の前にそっと差し出しました。「母さん、これ見て」。中身は一枚の賞状でした。息子は親戚に向かって言いました。「さっきからみんなが褒めてくれてるこのお菓子、全部、妻の店のものなんだ」。嫁の小さな店が、地域のコンテストで最優秀賞をとっていたのです。私が物差しにしてきた学歴とはまるで違う場所で、嫁はちゃんと認められていました。

そして...

本当は、私自身も大学には行っていません。この家に嫁いだとき、学のない嫁だと陰で言われ、悔しい思いをしました。だからこそ息子には学歴をと願い、それだけがいつしか自分の誇りになっていたのだと思います。私は、かつて自分が言われて傷ついた言葉を、そのまま嫁にぶつけていたのです。賞状の文字を何度も目でなぞりながら、私は膝の上で手を握っていました。後日、私は嫁に「あのお菓子、また作ってちょうだい」と頼みました。短いひとことでしたが、私なりの精いっぱいの謝り方でした。

(60代女性・主婦)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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