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「特定の昼寝パターン」は危険信号かもしれない

  • 2026.5.5
ある「昼寝パターン」は危険信号かもしれない / Credit:Canva

昼寝は、疲れた頭と体をリセットしてくれる気持ちのいい習慣です。

短い昼寝をすると、眠気が取れ、集中力や反応の速さが戻ると感じたことがある人も多いでしょう。

しかし高齢者の場合、昼寝が長い、回数が多い、午前中から眠ることが多いといったパターンは、単なる休息ではなく、体の不調を知らせるサインかもしれません。

アメリカの医学系研究機関マス・ジェネラル・ブリガム(MGB)などの研究チームは、56歳以上の1338人を最大19年追跡し、長い昼寝や頻繁な昼寝、とくに午前中の昼寝が、原因を問わず死亡するリスク、つまり全死亡リスクの高さと関連していることを報告しました。

この研究は2026年4月20日付で、『JAMA Network Open』に掲載されています。

目次

  • 高齢者の昼寝で「注意すべきパターン」が浮かび上がる
  • 問題は昼寝そのものではなく、「増え方」と「時間帯」

高齢者の昼寝で「注意すべきパターン」が浮かび上がる

昼寝には、良いイメージがあります。

短い昼寝は眠気を和らげ、注意力や作業効率の回復に役立つことがあります。

とくに睡眠不足の日には、昼寝が午後を乗り切るための小さな助けになることもあります。

一方で、高齢者の昼寝については、以前から少し気になる報告もありました。

長い昼寝や頻繁な昼寝が、神経変性疾患、心臓や血管の病気、全身の健康状態の悪化と関連する可能性が指摘されていたのです。

ただし、これまでの研究には大きな弱点がありました。

それは、多くが「自分はどれくらい昼寝しているか」という自己申告に頼っていたことです。

昼寝は本人の記憶だけでは正確に把握しにくい習慣です。

「少し目を閉じただけ」と思っていても実際には眠っていることがありますし、反対に「寝た」と思っていても、ただ静かに休んでいただけの可能性もあります。

そこで今回の研究チームは、腕時計型の活動量計を使い、参加者の活動と休息のパターンから昼寝を推定しました。

対象となったのは、アメリカ・イリノイ州北部に住む56歳以上の1338人です。

参加者は平均して約9.6日間、腕に活動量計を装着。

研究では、午前9時から午後7時までに検出された睡眠を「昼寝」と定義し、昼寝の長さ、回数、日ごとのばらつき、そして昼寝が多い時間帯を調べました。

さらに研究チームは、参加者を最大19年追跡し、その後の死亡リスクとの関連を分析しました。

このとき、年齢、性別、教育年数、人種、夜間睡眠、体内リズム、体格指数、うつ症状、慢性疾患、薬の使用、身体活動、日常生活の障害など、結果に影響しそうな要因も統計的に調整しています。

その結果、昼寝が長い人、昼寝の回数が多い人、そして午前中に昼寝をする傾向がある人では、死亡リスクが高い傾向が見られました。

では、どのような昼寝がリスクの高さと結びついていたのでしょうか。

なぜ昼寝が死亡リスクと関連しているのでしょうか。

より詳細な結果を見ていきます。

問題は昼寝そのものではなく、「増え方」と「時間帯」

今回の研究でまず注目されたのは、昼寝の長さです。

分析の結果、1日あたりの昼寝時間が1時間長いごとに、死亡リスクは相対的に13%高い傾向がありました。

また、昼寝の回数についても、1日に昼寝が1回増えるごとに、死亡リスクは相対的に7%高い傾向がありました。

さらに興味深いのが、昼寝の時間帯です。

午前中に昼寝のピークがある人は、早い午後に昼寝する人と比べて、死亡リスクが相対的に30%高い傾向がありました。

では、なぜ午前中の昼寝が気になるのでしょうか。

研究者たちは、午前中の昼寝が、睡眠の質の低下、体内時計の乱れ、慢性疾患、あるいは本人がまだ気づいていない健康問題を反映している可能性を考えています。

たとえば、夜に十分寝ているつもりでも、睡眠中に呼吸が何度も止まりやすくなる「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」のような睡眠障害があると、眠りの質は大きく下がります。

その結果、日中に強い眠気が出て、昼寝が増えることがあります。

また、心臓や血管の病気、呼吸の病気、糖尿病、慢性的な痛み、気分の落ち込み、神経変性なども、日中の疲れや眠気を強めることがあります。

この場合、昼寝は原因というより、体の中で起きている問題を映す「見えるサイン」だと考えた方が自然です。

研究チームも、昼寝が死亡リスクを直接高めると主張しているわけではありません。

むしろ、何らかの健康問題を抱えているがゆえに、昼寝が増えている可能性があるのです。

では、高齢期の本人や家族は、この研究をどう受け止めればよいのでしょうか。

まず、短い昼寝を必要以上に怖がる必要はありません。

疲れた日に少し眠ることや、昼食後に短く休むことは、多くの人にとって自然な行動です。

問題は、高齢期に入ってから、以前より明らかに昼寝が長くなったり、1日に何度も寝るようになったり、午前中から強い眠気に襲われたりする変化です。

もし高齢の家族が「最近、昼間によく寝るようになった」と感じるなら、それを単に「年を取ったから」と片づけないようにしましょう。

夜の睡眠の質、日中の疲れやすさ、薬の影響、慢性疾患、認知機能の変化などを確認するきっかけにしてみてください。

参考文献

The naps that are red flags as we age, backed by two decades of data
https://refractor.io/sleep/naps-research-health/

元論文

Objectively Measured Daytime Napping Patterns and All-Cause Mortality in Older Adults
https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2026.7938

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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