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クリーニング店で「シミが増えた! 弁償して!」と言い張る客。「覚えてますか?」店主がスカッと解決

  • 2026.5.4

『お客様は神様』という言葉がありますが、時にはその言葉を盾にした理不尽な要求に、心が折れそうになることもありますよね。今回は、筆者の友人が学生時代に体験したエピソードを聞かせてくれました。

画像: クリーニング店で「シミが増えた! 弁償して!」と言い張る客。「覚えてますか?」店主がスカッと解決

突然のクレーム客

大学生の頃、私は週に何度か叔父の営むクリーニング店を手伝っていました。

叔父はこの道30年のベテランで、丁寧な仕事は近所でも評判。
チェーン店には決して負けない、職人の技を持った人でした。

ある日、私が店番をしていると、派手な身なりの中年女性が突然「このコート、クリーニングに出す前にはなかったシミがついてるんだけど!」と怒鳴り込んできました。

「クリーニングに出したせいで汚れたんだから、弁償してよ!」
息巻きながら高額なお金を要求する彼女の剣幕に、店内は嫌な空気に。

叔父の誠実な仕事が否定されたようで、私の胸も痛みました。

記録と記憶が語る真実

困り果てていると、奥から叔父が出てきました。
叔父は女性の言い分を聞くと、眼鏡をかけ直し、じっとコートを見つめて、こう言いました。
「お客様、このコートは去年の10月にもお預かりしましたね」

女性が「そうだけど……それがどうしたのよ!」と食ってかかると、叔父は分厚い手書きの管理台帳を持ってきて、パラパラとめくり始めました。

その管理台帳はいつも叔父が大切に保管しているもので、そこにはこれまでに預かった衣類の状態が日付と共に事細かに記録されているのです。

突きつけられた真実

叔父はあるページに行き着くと手を止め、
「当時、同じシミを確認し『これはクリーニングでも落ちません』とお伝えしたはずです。お客様は『いいから洗って』とおっしゃいましたね」

叔父の記憶と記録に、女性は絶句。

叔父がさらに本人が署名した控えを見せると、言い逃れができなくなった女性は顔を真っ赤にし、コートを奪い取って去っていきました。

プロの矜持が、悪質な言いがかりを退けたのです。

誠実な仕事が守るもの

叔父は女性の姿が見えなくなると、ふぅ……と息を吐き、「記録しておくものだなぁ」と私に向かって苦笑いしました。

けれど、私は思うのです。
台帳を見る前に「去年の10月にもお預かりした」と瞬時に目の前のコートと記憶が結びついたのは、叔父がすべての仕事に真剣に向き合っているからだと。

すごいのは、台帳ではなく、仕事に対する叔父の真摯な姿勢です。
古びて表紙が擦り切れた台帳を愛おしそうに撫でる叔父の横顔を見て、私は『これこそがプロの仕事なんだ』と、誇らしい気持ちになりました。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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