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「なんで届いていないの!?」午前中指定の荷物が無い…!焦る“配達員の本音”と、荷物の在処は…?

  • 2026.5.14
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さまこんにちは。元宅配員のmiakoです。

ネットショッピングで商品を注文すると、翌日には届く。
そんな便利さが当たり前になってきた今、時間を指定して荷物を待っていたのになかなか届かない、という経験をされたことがある方もいるのではないでしょうか。

実は宅配員にとっても、お客様から「荷物がまだ届かない」という連絡を受けることは、ひと言では言い表せないほど緊張する瞬間のひとつです。

今回は、そんな問い合わせを受けた日のことをお話しします。

「翌日届く」が当たり前になった時代 

日本のネットショッピングで配送スピードが大きく変わったのは、2000年代後半から2010年ごろにかけてのことといわれています。
それ以前は「通販は届くまでに一週間ほどかかるもの」という感覚が一般的だったように思います。

その常識が変わるきっかけのひとつとなったのが、お急ぎ便などの翌日配送サービスです。
「注文してから1週間」という感覚が、このサービスの登場により次第に「翌日には届く」へと塗り替えられていきました。

今では翌日はもちろん、エリアによっては当日配送も可能となり、細かな時間帯指定までできるようになりました。

便利になったぶん、お客様の期待値もそれに合わせて高まっていきました。

「午前中に届くはずなのに」お客様からの着信

ある日、午前中の配達を終えて営業所へ戻る途中のことでした。

担当エリアの午前指定の荷物はなんとか時間内に届け終え、残っているのは不在だったものと、時間指定のない荷物だけという状況でした。

そのとき、携帯電話に着信が入りました。

「あの、今日の午前中に届くはずの荷物がまだ届かないんですけど」

一瞬、背筋が凍りました。

お客様からご住所とお名前を伺うと、確かに私が担当するエリア内のご住所でした。
しかしその時点で、そのお客様の荷物を預かった記憶がありませんでした。

午前中の自分の動きを頭の中で素早く振り返りました。
荷物はたくさんありましたし、このお客様のご自宅近くも走りました。
でも、その住所が書かれた荷物を積んだ記憶がありません。

配達の途中でどこかに落としてしまったのではないか、という恐怖が頭をよぎりました。
しかし、まだ何もわからない段階です。

「恐れ入りますが、お荷物の伝票番号はお分かりでしょうか」
「えっと、ちょっと待ってくださいね」

お客様から荷物の伝票番号を聞き取ると、「お調べしまして、折り返しお電話いたします」とお伝えして、いったん電話を切りました。

荷物はどこに?事務所への確認

すぐに事務所へ電話をかけました。

「午前指定の荷物が届いていないというお客様からの問い合わせですが、調べてもらえますか?」

荷物の伝票番号での追跡調査は宅配員が持つ端末でも確認できますが、事務所からのほうがより詳しい情報を調べられることもあります。

「発送はされているんですが、(当営業所から最寄りの)中継店を通過したのが今日の10時過ぎみたいですね。昼便で届くか、間に合わなければ夕方になりそうです」

その日の午前10時にやっと近くの中継店にあったのであれば、午前中にお届けするのは物理的に不可能でした。
仕分けのミスでも、配達中に落としたわけでもない。それがわかっただけで、少しだけ胸をなでおろしました。

お客様に折り返しの電話を入れました。
午前中指定をされていたくらいですから、早く手元に欲しかったのだろうということは伝わっていました。
怒られる覚悟をしながら、電話をかけます。

「大変お待たせいたしました。お荷物をお調べしましたところ、朝の段階でまだ営業所に届いておりませんでした。ただ、現在近くまでは届いているようですが、私がまだ営業所に戻っていないため、詳しい確認ができておりません」
「え?午前中指定でしょ?なんで届いてないの?今日の午前中に欲しかったんだけど!」

お客様の苛立ちはもっともです。
時間指定をしていたのに届かなかった、その悲しみや怒りは十分に伝わりました。

お詫びしたうえで、「この後営業所に戻り、昼便で届いているか確認してから改めてご連絡いたします」とお伝えして、急いで営業所へ向かいました。

営業所に戻ると…同僚たちも同じ状況だった

営業所に戻ると、先に戻っていた同僚たちが昼便の荷物を仕分けているところでした。
一緒に作業をすると、お客様の荷物を見つけることができました。

「よかった、午前中の荷物やっぱり遅れてたんだ。さっきこのお客さんから問い合わせがあったんだよ」
「自分のところもだよ。午前中の荷物がまだ届かないんだけどって」
「私もです」

同じように、午前指定の荷物が届かず、お客様から連絡が来ていたという同僚が何人もいました。
この日は朝から荷物が多く、午前中に間に合わなかったケースが自分だけではなかったのです。

荷物が確認できたので、お客様へ再び電話をかけました。

「大変お待たせしております。先ほど昼便にてお荷物が営業所に届きました。この後14時以降にお届けに伺いますが、ご都合はいかがでしょうか」
「…わかりました。16時前には出かけたいので、それまでに持ってこられますか?」
「かしこまりました。できるだけ早めに向かいます」

しぶしぶといったご様子でしたが、荷物が無事に近くまで届いたことには安堵していただけたようでした。
ただ、予定していた時間に届かなかった状況には、どこか納得しきれていないご様子でもありました。

時間指定は「希望」であり「保証」ではない

時間指定は、お客様の受け取りたい時間帯をお伺いするためのもので、確実にその時間内にお届けを保証するサービスではありません。
宅配員たちはその希望にできる限り寄り添おうと走っていますが、荷物がなければお届けすることはできません。

今回のケースのように、注文した後に荷物が最寄りの営業所に届くまでには、さまざまな状況が影響します。

出荷元のタイミング、輸送トラックのトラブル、途中の交通渋滞。そして繁忙期には、全国から中継店に荷物が一気に押し寄せることで、スムーズに流れなくなってしまうことなどです。
翌日配送は嘘ではありませんが、特に「翌日の午前中」という短いスパンは、不可抗力で対応しきれないことも起こり得るのです。

よく物流は水のようだとたとえられます。

川の水量が日によって変わるように、荷物の量も日々異なります。
荷物が多い日には、どれだけ丁寧に対応しようとしても、流れがあふれてしまうことがあるのです。

どうしても確実に受け取りたいときは

急いで手元に置きたいものや、確実に受け取りたい荷物がある場合、いくつか頭に入れておくと安心できることがあります。

必要なものがある場合、到着までの日数に余裕をもってご購入いただくのが安心です。

どうしても翌日に必要なものを、前日の夜にネットで見つけてポチっと購入してしまうこともあると思います。
本当に急いで必要なら直接買いに行く方が早いのでしょうが、なかなか見つからないものをネットで見つけたら、思わず買い求めるのはとてもよくわかります。

そしてサイト側も「翌日午前にお届け」と案内をして注文を受け付けることもあります。

しかし、物流の2024年問題もあり、必ずしもその声に応えられるものばかりではないのが実情です。

そのため、購入予定の商品が必要な日が決まっているときは、遅くともその数日前には届くように注文されると安心です。

注文する前は「翌日お届け」となっていても、注文後の在庫の関係で発送が遅れ、翌々日のお届けになることがあります。また、いざ届いたときに商品に不備があったり、中身が違ったりといったトラブルが起きる可能性もあります。少し時間に余裕があれば、そうした事態にも対応しやすくなります。

また、宅配員が家に来るのが待ちきれず不安になる場合や、不在にしたくない場合、営業所止めを利用するという方法もあります。
営業所に荷物が届いた時点で、自分の都合に合わせて受け取れるため、不在の心配がなく確実に手元に届きます。
ただし、営業所までの距離や交通手段などにより、すべてのお客様に向いている案内とは言い切れませんし、受け取る際には身分証明書が必要です。

一番お伝えしたいのは、「翌日午前便=確実に午前中に届く」ではないということです。
午後になる可能性もあると少し心づもりをしておいてもらえると、万が一のときにも慌てずに済むかもしれません。

宅配員たちは、一つひとつの荷物をできる限り早く、丁寧にお届けしたいという気持ちで走っています。
お客様にとっても宅配員にとっても、荷物がスムーズに届く日々が続いていくことを願っています。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた"宅配のリアル"を、経験者ならではの視点で綴っています。
荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。


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