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「GW限定で500万オフにします」軽井沢で別荘契約を急かされた40代夫婦→ホテルで発覚した“相場の真実”

  • 2026.5.22
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社で10年以上の現場経験を持つ、宅地建物取引士のT.Sです。大型連休を利用して行楽地へ足を運んだ際、非日常的な雰囲気に気分が高揚して、普段なら買わないような高価なお土産を買ってしまった経験をお持ちではないでしょうか。

今回は家族旅行で訪れた先で、リゾートマンションの購入を即決しそうになったご夫婦が、間一髪で踏みとどまったエピソードを紹介します。

旅の解放感と営業担当者の甘い誘惑

40代で自営業の夫とパートの妻は、2人の小学生の子どもを連れて、GWの後半に軽井沢へ家族旅行に出かけました。観光の合間に駅前を歩いていると、完成済みリゾートマンションのモデルルームへと案内されます。

軽い気持ちで立ち寄ったところ、紹介されたのは70平米の2LDKで販売価格は3,800万円でした。別荘としての利用を意識した、完成から1年以上経過する未入居の在庫物件でしたが、室内は非常に魅力的だったそうです。

すると営業担当者から「GW期間中の見学者限定で500万円OFFにします」「今日お申し込みいただければ諸費用も会社で負担しますよ」と、次々に特典が提示されます。さらに「この後別のお客様の内見も入っておりすぐに決まってしまう可能性が高いです」と、暗に契約を急かされました。

妻の冷静な一言とホテルで発覚した相場の真実

すっかり心が動いた夫に対し、営業担当者は「申込証拠金は後日のお振込みで結構です。本日中に申込書にご記入いただければ、このお部屋を他のお客様に取られないよう押さえられます」と畳み掛けます。夫が申込書に署名しようとしたところで、妻が「大きな買い物だから一晩考えさせて」と冷静に切り出して、その場を離れました。

ホテルに戻った夫婦は、不動産ポータルサイトなどを使って周辺エリアの相場を調べます。すると500万円引かれたとしても、周辺の築浅中古物件と比較して平米単価が明らかに高く、ベースの価格設定が割高だったと判明したのです。翌日改めて連絡を入れ、購入を見送る旨を伝えると、営業担当者は「もうこの価格は出せませんよ」と急に冷たい態度へ変化したそうです。

非日常空間での決断リスクとクーリングオフの注意点

旅行先のような非日常空間では判断が甘くなりやすいため、その場で決めずに一晩持ち帰って冷静になる時間を作りましょう。「期間限定」や「大幅値引き」といった言葉に惑わされず、周辺の相場と比較検証することが大切です。

また不動産の契約において、モデルルームでの申し込みや契約はクーリングオフの対象外となるケースが多い点にも注意が必要です。土地に定着した建物内にあるモデルルームなどは、宅地建物取引業法上で「事務所等」とみなされるため、原則としてクーリングオフが適用されません。

ただし、仮設のテントなど一時的な施設である場合は、状況によってクーリングオフの対象となる例外も存在します。いずれにしても取り消しが難しくなるリスクを考慮して、即決は避けるのが安全といえるでしょう。



ライター:T.S(宅地建物取引士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。

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