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「ゴールの瞬間、思わず…」4年前、深夜のW杯観戦で苦情…新築購入後、30代夫妻が謝罪したワケ【一級建築士は見た】

  • 2026.6.12
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

2026年6月、北中米でのワールドカップが開幕。アメリカ・カナダ・メキシコの3か国開催で、日本との時差の関係から、日本時間の深夜から早朝にキックオフされる試合も少なくありません。深夜にテレビの前で観戦する人も多いこの時期だからこそ、知っておきたい「ある失敗談」があります。

「ゴールの瞬間、思わず叫んでしまったんです。後日、管理組合から『夜中の声が響いている』と連絡が来ました」

そう話すのは、約8年前に都内のマンション(当時新築・約70㎡・3LDK)を約6,500万円で購入したKさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

サッカー好きのKさんは、4年前に開催された前回のワールドカップを、深夜まで毎晩のように観戦していました。前回大会も日本時間の深夜・早朝の試合が多く、Kさんも換気のために少し窓を開けたまま、テレビの前で熱中。ゴールのたびに歓声を上げていたところ、数日後に下の階と隣の住戸から「夜間の物音や声が気になる」という苦情が管理組合経由で寄せられたのです。

「日中は平気」でも、深夜の物音は伝わりやすい

同じ音量でも、昼間は気にならなくても深夜には気になる。これは気のせいではありません。

日中は交通音や生活音など、さまざまな背景音があるため、室内の物音はその中に紛れます。ところが深夜は周囲が静まり返り、背景音が小さくなるため、わずかな物音でも相対的に目立ちます。歓声や手拍子、ソファから立ち上がる音などが、昼間よりくっきりと隣戸に届いてしまうのです。

マンションの音は「床」を伝わって届く

マンションでは、音は空気だけでなく建物の構造を通じても伝わります。声やテレビの音は空気を伝わる「空気音」ですが、床に伝わった振動はコンクリートを通じて下階に届く「固体音」となります。とくに飛び跳ねる音や、かかとで強く歩く音は、スリッパやカーペットだけでは防ぎきれません。

なお、近年のマンションには、コンクリート内部に空洞を設けた「ボイドスラブ」という床構造が使われることがあります。スラブが厚く重量衝撃音に強い一方で、空洞の共振により、かえって特定の音が伝わりやすくなる場合もあると指摘されています。「新しいマンションだから静か」とは限らず、深夜の物音には配慮が必要です。

Kさん夫婦はどう対応したのか

苦情を受けたKさん夫婦は、観戦スタイルを見直しました。

深夜の試合は窓を閉め、テレビの音量を普段よりかなり控えめに設定。歓声を上げそうな場面でも、ぐっとこらえて声のボリュームを抑えるよう意識しました。床には防音マットを敷き、立ち上がるときの振動が下階に伝わりにくいよう工夫したといいます。さらに、苦情元の隣戸と下階には、管理組合を通じてお詫びを伝えました。

「夢中になると気づけないからこそ、最初から音が出にくい環境を整えるのが一番だと実感した」とKさんは振り返ります。

深夜のイベント観戦は「事前の備え」で楽しむ

マンションの管理規約や区分所有法では、他の居住者の迷惑になる行為が禁じられています。深夜の騒音が続くと、管理組合からの是正要請につながることもあります。深夜に盛り上がるイベントを楽しむときは、次の点を意識すると安心です。

・テレビやスピーカーの音量を控えめにする
・歓声や手拍子など、とっさに出る音に注意する
・床に防音マットやラグを敷き、振動を伝わりにくくする

音量や振動への配慮さえできれば、自宅は最高の観戦空間になります。「自分の部屋だから自由」ではなく、「深夜の物音は思っているより隣に届く」と知って備えること。それが、近隣と良い関係を保ちながらW杯を楽しむ第一歩です。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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