1. トップ
  2. タワマン28階を購入も「出庫まで20分」"機械式駐車場"に消耗した30代夫婦の後悔【一級建築士は見た】

タワマン28階を購入も「出庫まで20分」"機械式駐車場"に消耗した30代夫婦の後悔【一級建築士は見た】

  • 2026.5.22
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

「朝、子どもの習い事に車で送ろうとしたら、駐車場の前に列ができていて。出庫まで20分かかりました」

そう話すのは、都内のタワーマンション(地上38階建て・28階の3LDK・約75㎡)を約8,500万円で購入したRさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

物件選びの際、駐車場のことはほとんど気にしていなかったといいます。ところが入居後、駐車場を使うたびに小さなストレスが積み重なるようになりました。

機械式駐車場は「車1台あたり3〜5分」が標準

タワーマンションでは、限られた敷地に多くの駐車スペースを確保するため、機械式駐車場が採用されているケースが多くあります。エレベーターのように車を上下させたり、立体パズルのように上下・左右に動かしたりして格納する仕組みで、土地の有効活用には適していますが、日常の使い勝手にはクセがあります。

Rさんのマンションでは、自分の車が出てくるまでに通常で5分、混雑時は10分以上。さらに自分より前に並んでいる人がいれば、その分の待ち時間も加算されます。

雨の日は操作盤の前で傘をさしながら待つことになり、忘れ物に気づいて戻ろうとしても再出庫まで10分以上かかります。

サイズ制限で将来の買い替えが難しい

機械式駐車場には、車のサイズ制限があります。一般的には、車高1.55m・車幅1.85m・車長5.0m以下といった上限が設定されており、これを超える車は格納できません。

近年人気のSUVやミニバンの中には、この制限に引っかかる車種もあります。

「家族が増えたから大型ミニバンに買い替えたい」と思っても、駐車場が対応していなければ実現できないのです。

Rさん夫婦はどう対応したのか

駐車場の不便さを痛感したRさん夫婦は、付き合い方を見直しました。日常の出庫待ちを見越して、出かける時間を15〜20分前倒しする習慣をつけました。雨の日や真夏の外出は、車ではなく徒歩や公共交通機関を使う頻度を増やしたといいます。

車の買い替えについても、駐車場のサイズ制限内で選べる車種から検討する方針にシフト。

「車は駐車場に合わせて選ぶもの」という考え方は、最初は不自由に感じたものの、次第に慣れていったといいます。

「機械式駐車場」が合う人もいる

機械式駐車場が暮らしにフィットする人もいます。車の利用頻度が高くない人や、週末だけ買い物やレジャーで使う程度の人であれば、出庫待ちのストレスを感じる場面は限られます。車高の低いコンパクトカーや軽自動車に乗っている人は、サイズ制限の心配も少なく、将来の車種変更でも選択肢が広く残ります。

タワーマンションを検討する際は、駐車場の方式や出庫所要時間、サイズ制限、近隣の代替駐車場の有無まで確認しておくこと。

「マンションに駐車場がある」だけで安心せず、「自分の使い方に合っているか」まで見ておくことが、入居後の駐車ストレスを減らす第一歩です。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる