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築8年の3LDKタワマン売却を急ぐも…1ヶ月が経過しても“内見ゼロ”→40代夫婦を襲った“予想外の異常事態”

  • 2026.5.21
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社で10年以上現場経験を積み、現在は不動産ライターとして活動する宅地建物取引士のT.Sです。急な転勤や家族の事情により、住み慣れた自宅を手放さなければならない場面は誰にでも起こり得ます。

とくに戸数の多いマンションでは、売却の時期が重なると思わぬ苦戦を強いられるケースが少なくありません。今回は海外赴任が決まりタワーマンションの売却を急いだものの、同じマンション内で多数の売り出しと重なり、値下げ競争に巻き込まれてしまったご家族のエピソードを紹介します。

同じマンションで12件が競合し内見ゼロが続く焦り

500戸を超えるタワーマンションの中層階を所有する、40代のLさん夫婦の事例です。夫の海外赴任が4ヶ月後に迫り、ご夫婦は家族同行で渡航することを決定。海外滞在は5年以上の長期となるため、築8年の3LDKの自宅を売却して資金化することに決めました。複数社の査定を経て、9,800万円という価格で売り出しをスタートさせます。

ところが不動産情報サイトを確認すると、同じマンション内で同時期に12件も売り出されていることが判明しました。これには明確な理由があります。数年後に控えた1回目の大規模修繕や、修繕積立金の値上げを前に売り抜けたい層が動き出していたのです。さらに近年のマンション価格上昇で含み益が大きくなり、売却益を狙って動く層も重なっていました。

Lさんの部屋と同じ階数帯や方角の住戸も複数あり、完全に競合してしまいます。1ヶ月が経過しても、Lさんの部屋には内見の問い合わせがほとんど入りませんでした。夫は「反応がないと焦るな」と困った様子でした。

大幅な価格改定と空室ホームステージングによる差別化

海外赴任のタイムリミットが迫る中、Lさん夫婦は仲介担当者と戦略を練り直しました。夫は「赴任まで時間がないから思い切って9,400万円に下げよう」と、400万円の大幅な値下げを決断します。

さらに並行して、出国準備のため家財を引っ越し業者の倉庫へ預け、家族は出国までのしばらくの間をウィークリーマンションで過ごすことにしました。これにより売却する部屋が完全な空室状態になります。

そこへプロのクリーニングを入れ、家具や小物を配置するホームステージングを施してモデルルームのように演出したのです。すると週末ごとに内見の予約が入るようになり、複数の希望者から購入の問い合わせが届きました。値下げと空室演出の効果が重なり、海外赴任の直前で成約に至ります。

当初の査定額からは400万円下がってしまいましたが、期限内に売却を完了できたことにご夫婦は胸をなでおろしました。

大規模マンション売却で競合に勝つための3つのポイント

Lさん夫婦は価格を下げたうえで空室にして見せ方を整えることで、期限内の売却にこぎつけました。同じマンション内に競合住戸が多い場合、内見者は複数の部屋を比較検討するため、生活感の残る居住中の住戸より、空室で整えられた住戸が選ばれやすい傾向があります。可能であれば先行して引っ越しを済ませ、空室にしてから見栄えを整える手法は有効です。

また、売却を検討する際は、事前に不動産情報サイトなどで同じマンションの売り出し状況を確認しておくことも大切です。競合する部屋が多い場合は、価格設定や見せ方の戦略を柔軟に変える必要があります。

なお、マンションは大規模修繕や修繕積立金の値上げといった金銭面の節目に加え、市況が高騰している局面でも売却を検討する層が動きやすい傾向があります。同時期に売り出しが集中して競合が増える可能性も踏まえて、自分の事情と相場の両面を見ながら売却タイミングを判断するのがおすすめです。



ライター:T.S(宅地建物取引士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして、住宅購入や売却に関する読者目線の記事を執筆している。


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