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憧れの「吹き抜けリビング」のある新築戸建てに大満足!→しかし入居後、2階の家族を悩ませた“音”の盲点

  • 2026.6.10
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。二級建築士・インテリアコーディネーターの桐野由衣です。吹き抜けがある家は開放感があって素敵ですよね。

新築するなら絶対に吹き抜けをつくると決めていたGさんも、その開放感に惹かれた一人です。吹き抜けがあるマイホームに住むという夢を叶えたGさんでしたが、入居後徐々に気になってきたのは「音の反響」でした。

実は、吹き抜けを設けた家に住む方に多い悩みのひとつが、音の問題です。音の反響が気にならない快適さはどのようにすれば手に入るのか、設計時の注意点と吹き抜けの良さを生かす工夫について解説します。

広々として気持ちいい吹き抜けがある家、憧れの新築生活がスタートしたが…

最近マイホームを新築したGさん。さまざまなこだわりの中でも特にお気に入りなのが、広々とした開放感にあふれる吹き抜けリビングです。新築計画がスタートした頃に行った住宅展示場で見た吹き抜けのモデルハウスがとても印象的で、それ以来Gさんは「吹き抜けがある家に住みたい」とずっと考えていたのでした。

実際に住み始めると、リビングの開放感は想像以上。住宅会社の設計担当者と何度も話し合い、窓や照明の配置もデザインも思い通りにした吹き抜けリビングは、「おしゃれだね」と来客に褒めてもらえることもあり、とても満足していました。

吹き抜けリビングのメリットとは

上下階をつなぐ空間となる吹き抜けは、天井面がないため視線が通りやすく、広々とした雰囲気にしたいリビングの上部に設けるのが一般的です。2階の高さにある窓からの太陽光が直接入ってくるので、リビング全体がとても明るく、長時間自然光を取り入れることができます。「高さ」という要素を活用するため、狭小住宅など敷地が狭い場所に建てる場合でも広さと明るさを確保しやすいのも吹き抜けリビングならではのメリットです。

さらに、上下階を遮る壁や床がないため、異なる階にいる家族の様子がわかりやすく、コミュニケーションを取りやすいという特徴があります。会話はなくても気配を感じられ、「いるかどうかわからない」ということが起きにくいという点も魅力的です。

Gさんが吹き抜けに憧れたのも、その開放感に加えて、リビングが明るく屋根に近い窓から直接高い青空が望めるという点でした。

「理想の吹き抜け」か悩みの解決か…苦渋の末に

入居して時間が経つにつれて徐々に気になり始めたのが、音の反響です。休日に2階の書斎でゆっくり読書を楽しみたくても来客の声が気になってしまったり、家族が遅くまで見ているテレビの音が2階の寝室までよく聞こえてきてなかなか眠れなかったりという日が少しずつ増えてきました。

Gさんのご家族は全員成人しており、夫婦と子どもたちはそれぞれ働いていて、平日の生活時間が少しずつずれているため、Gさんが2階の書斎や寝室でくつろいでいる時に他の家族が食事をしたりテレビを見たりすることも少なくありません。

実は新築計画の段階で、吹き抜けは音が響きますよと住宅会社から説明を受けていたGさん。しかし、吹き抜けがある家に住んでいる友人や知人に音の反響が気になるか聞いたところ、気になる人と気にならない人が半々でした。そのため、開放感を重視して吹き抜けに面した2階の通路は手すり仕上げにする案を優先しました。そして、「それなら…」という設計担当者からの提案を受け、吹き抜け部分の天井や壁に吸音効果がある下地材を取り付けてもらっていました。

それでも音の反響が気になるため、思い余ってアフター点検時に相談したところ、住宅会社から受けた提案は、「手すりを腰壁もしくは天井までの壁にする」という、壁量を増やして階下の音を遮断しやすくする方法でした。Gさんが最後までこだわった手すりを撤去するかしないか、まさに苦渋の選択です。

結局、手すりを、高さ100cmほどの腰壁にリフォームし、2階へ音が響くことはほとんど気にならなくなりました。しかし、理想の吹き抜けとは違う様相になったことにGさんはがっかり。吹き抜けのメリットに目を向けすぎてデメリットを理解しきれていなかったという取り返しのつかないミスを後悔しています。

吹き抜けにするならしっかり検討したい2つのポイント

壁は音の波動を物理的に吸収したり反射したりする役目を持っています。本来なら、天井を張って居室や収納スペース、通路などを設置する2階の一部をくり抜いて吹き抜けにすれば、音が響きやすいのは自然なことです。

ただし、家全体の面積における吹き抜けの広さや高さの設定、2階吹き抜け周囲の間取りなどによって、音の響きやすさは異なります。吸音機能がある建材を使う、2階の各居室に防音仕様ドアを採用する、腰壁や壁で仕切る、吹き抜け側に収納スペースを配置するといった音対策の中から、適したものを選択することで、音の問題は十分抑えられます。

吹き抜けの音の問題を防ぐには、「設計の工夫」と「適した建材や間取りの選択」をしっかり検討することが必須です。さまざまな家を設計してきた設計担当者の意見も参考にしながら、自分の理想との兼ね合いを納得いくまで相談しましょう。


ライター:桐野由衣
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リノベーション設計会社にて新築分譲マンションの設計変更、戸建住宅・オフィス・医療施設等の設計およびインテリアコーディネートに携わる。
建築関連分野の記事執筆・校正校閲・監修業務、企業研修講師、インテリアコーディネーター資格対策テキスト監修、工務店の施工事例集ディレクションなどの実績も多数。


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