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たっぷりこんもり…牧草だけを食べた牛のバターは驚きのさわやかさ!12時間労働で見えた酪農

  • 2026.4.18

北海道を支える様々な職業のプロに一日弟子入り!
仕事の流儀やこだわりを探る仕事体験ドキュメンタリー!

HBC テレビで、毎週月~金曜ごご4:50~7:00に放送中の情報ワイド番組「今日ドキッ!」のコーナー「師匠!私を弟子にしてください」の取材をもとに、私、HBCアナウンサー・東峰優華が、気づきや北海道の魅力をプラスして、Sitakkeオリジナル連載でお届けします。

Sitakke

【連載】「師匠!私を弟子にしてください!」

十勝にある清水町の酪農家「宮地牧場」に弟子入りした私。
前回の記事でかわいくて食欲旺盛な子牛たちのお世話がようやく終わりました!

師匠は酪農家として牛乳を出荷するだけではないんです…私も大好きな、濃厚な乳製品を手作りしていました!

人生初!バター作り!

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ようやくここから午後…。そう!ここまでの作業でようやく午前中が終了したのです。
農業の現場はどこも大変ですが、生き物を相手にする酪農も本当に大変です。

午後からはバターづくりを体験させてもらうことに!

牧場というと、牛のお世話や搾乳が主な仕事だと思っていましたが…。
実は師匠、バターやチーズづくりもしているんです!

牧草のみを食べて育てられる宮地牧場の牛たち。

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牛乳を飲んだときにはその飲みやすさにびっくりしたのですが…
牧草のみ食べて育った牛の牛乳の味は具体的にどんな特徴があるのでしょうか。

それは『季節を感じる味の変化があること』だと師匠が教えてくれました。

例えば夏だったら青草をお腹いっぱい食べるので、ちょっと草の香りが。

春先だと、芽吹いた草と一緒に花も食べるので花の香りが。

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「まったく同じ味や香りのものは二度とできない」のだそうです!

当然バターやチーズも季節によって味が変わります。
今日のバターはどんな味になるのか楽しみ!

実はバター、大好物なんです…!

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まずは牛乳からバターの元となる生クリームをつくります。
この作業は私が弟子入りに行く前の日に、師匠が仕込んでくれていました。

なんとも濃厚な生クリーム…少し離れていてもわかるほど甘い牛乳の香りが漂ってきます。

きょう作るバターは、一般的には『グラスフェッドバター』と呼ばれています。
『グラスフェッド』は牧草だけを食べた牛からの牛乳のことを指します。

実は私、パンにバターを塗って食べることが大好き!!

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食パン1枚にスーパーで売っている四角い200グラムのバターの固まりを半分くらいつけちゃうこともあるんです。
※毎回このようなことをしているわけではなく、バターの賞味期限が近いときなどですよ…。

それくらい大好物のバター、自分で作れるなんてワクワクです!

バターは、生クリームを攪拌(かくはん)して脂肪の球どうしをぶつけることによってできる固形部分。

まずは固形分と水分を分離させます。
これはバターチャ―ンという機械で自動的に分離させることができます。
5分ほどでキレイに分離したあと、水分を抜いていきます。

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機械のハンドルを手動で回していくのですが、特に腕の力が必要…。
今日行った作業のなかでも一番負担が大きかったのです…。

正直、すべて機械でやるのだと思っていました…

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大分バターっぽく見えていたのですぐに水分がなくなるだろうと思っていたのですが、10分ほど自分の力でハンドルを回しても一向に終わらず…ポタポタと少ないながらも水分が出続けます…。

ここで師匠にパス!私は大苦戦したこの作業、師匠はあっという間に水分を0にしてくれました。

師匠いわく、感覚で機械の中のどの部分に水分がたまっているのかわかるのだそう…さすがです。

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水分が完全に抜けると、見たことのあるバターの姿に!!なめらかですでにおいしそう…!

ここからは瓶詰め作業を行います!

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瓶詰めもスプーンを使って手作業でつめていくんです…
まさかここまで手作業とは…「大変な作業ですね」と思わず師匠につぶやくと…
「手間をかけることで気持ちがこもるし、『おいしくなってほしい』と願いながら作ることが大事」だと教えてくれました!
たしかに自分でイチから作ったバターは、多くの人に食べてもらいたいという気持ちになりました。

賞味期限などが書かれたシールも手作業で貼ります。

Sitakke

途中で心が折れそうになる場面もありましたが…無事に完成!!

搾乳作業をもう一度!

バター作りが終わったのもつかの間!
ここからは牧草地にいる牛を牛舎へ戻し搾乳作業をします!

Sitakke

牛は放牧地から早朝に牛舎へ移動して搾乳、再び放牧されたのち夕方にもう一度搾乳が行われます。

なんと朝の苦労とは大違いで、夕方の牛の誘導は想像以上にスムーズ!わずか5分ほどで完了しました!
1日一緒に過ごす中で牛たちが私の声や存在に慣れてくれたこともあり、落ち着いて行動してくれたようです。賢い…!

Sitakke

その後は一人で牛を牛舎まで連れていく役割も任され、責任を持って無事にやり遂げることができました。

牛舎に到着してからは搾乳作業を朝と同じように行います!
師匠は365日、24時間欠かさず奥様と2人でこの作業をしています。
旅行に行くことや出かけることも多くはできません。

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それだけ改めて、生き物と向き合う責任のある大事な仕事です。
そしてそのお仕事をしてくれる師匠がいるからこそ、おいしい牛乳を当たり前のように日々飲むことができるんですね。

ごほうびのフレッシュバター!たっぷりつけて…

すべての作業が終了し、最後に、ごほうびとして自分で作ったフレッシュバターをいただきました。

今回は師匠おすすめ・さつまいもにつけて食べてみます。

Sitakke

こんもりたっぷり…つけすぎているのでは?と思いましたか?でもこれが適量です!

…大丈夫!師匠が教えてくれた適量ですので本当です!!笑

このバター、素材の味を最大限生かしてくれるんです。
たっぷり塗っても素材の味を邪魔しないどころか、さつまいも本来の甘さをしっかり感じることができます!

Sitakke

ハイカロリー代表、油でもたれてしまう…なんてこともあるバター…ですがこのバターは全然違う印象で驚き!
甘さの中にフレッシュでさわやかな味わいがするんです。

何もつけずにバター単体でも食べてみましたが、もちろんバターの特徴であるまろやかさ、牛乳の濃厚さも感じることができます。

生き物と向き合う仕事

今回の弟子入り、作業時間は12時間を超えていました。
師匠は残業代も出ませんし、休日も祝日もありません。

Sitakke

それでも牛が大好きで、おいしい牛乳を作りたくて毎日牛たちと酪農という仕事に向き合っています。

今回の弟子入りで印象的だったことは、師匠が口癖のように言っていた「牛のために」という言葉。

牧草のみを食べさせて育てていること。
子牛に仲間意識を持てる環境を作ること。
師匠自らホエイを作って飲ませていること。

私にとっては初めての酪農の現場でしたが、これらは「効率化」や「たくさんの牛乳を生産する」のとは逆、異例のこと。

すべては牛たちの体や心に負担をかけずに育てるための師匠のやさしさです。

そしてケガをしてしまった牛たちを治るまでお世話し、またほかの牛たちと同じように搾乳できるまでサポートし続けます。

経営のことだけを考えたら、できるだけお金をかけずにたくさんの牛乳を搾乳する方が効率はいいのです。
ただ、師匠は「せっかくここに来てくれた牛たちなので、幸せな時間を過ごしてほしい」と教えてくれました。

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牛が快適に生きられるように、そうして育った先にあるおいしい牛乳を誰かに届けられるようにいつも考えています。

そんな師匠の気持ちが伝わってるのか、牛たちはみんな幸せそうに師匠の体に自分の頭をすりすりしていました。

師匠と出会って、仕事は自分のためだけじゃなくて誰かのためを思ってするものでもあると感じました。

ていねいに作られた貴重な牛乳が多くの方を幸せにしますように。
そして、おいしいバターも!こんもり、たっぷり、がポイントですよ!笑

【連載】「師匠!私を弟子にしてください!」

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文|HBCアナウンサー 東峰優華
苫小牧市出身。2024年HBC入社。HBCラジオ「朝刊さくらい」「いっちゃんおいしいラジオ」などを担当。趣味はサッカー観戦(コンサドーレサポーター)、耳掃除、散歩。特技はスケート、ザンギ作り。Instagramでも発信中。

編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は取材時(2025年10月)の情報に基づきます。

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