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「愛する人と音楽があれば何度でも立ち上がれる」ダイアモンド☆ユカイが映画『ソング・サング・ブルー』で見つけた“人生の輝き”

  • 2026.4.14

ヒュー・ジャックマンとケイト・ハドソンが初共演し、夫婦ミュージシャンを演じることで話題の『ソング・サング・ブルー』が4月17日(金)より公開される。1960年代後半から80年代までアメリカで絶大な人気を誇った国民的シンガー・ソングライター、ニール・ダイアモンドの“歌まね”をするトリビュート・バンドを結成した実在の夫婦、マイクとクレアが様々な紆余曲折を経験しながら、スターダムへとのし上がっていく人生を描いた感動的なストーリーだ。

【写真を見る】ダイアモンド☆ユカイ、「スウィート・キャロライン」を熱唱!愛用ギターは劇中でヒュー・ジャックマンが使用していたものと同ブランド

MOVIE WALKER PRESSでは、実話だとは信じられないほど、夫婦に降りかかる波乱万丈な出来事の数々に涙が止まらない本作に、深い感銘を受けたというダイアモンド☆ユカイ(※)へのインタビューを実施!ニール・ダイアモンドのライブのために渡米したこともあるというダイアモンド☆ユカイの熱い感想と共に、本作の真髄に迫っていく。

「音楽で通じ合う瞬間の“スパーク”が描かれている」

「もう1回、観たいと思っているんですよ」。開口一番、ダイアモンド☆ユカイは『ソング・サング・ブルー』に関してそう語り始めた。「多分、何度観ても楽しめるし、10年後とかに見たら違う感想を持てる気がする。そういう映画ですね」と笑顔を浮かべた。

まず、率直な感想を聞いてみた。「マイクを演じたヒュー・ジャックマンは本当にインクレディブル!!役者さんなのに、ロックの根底にあるギラギラした魂とクラシカルなミュージックスターの本質を体の中に消化して持っている。そして観客にキラキラした空気感を放っている人なんですよ。歌も素晴らしい。ニール・ダイアモンドの歌声って独特で、低音はいぶし銀の魅力。高音はのびる綺麗な声なんです。それをうまく自分のものにして歌っていて。改めて役者としても表現者としても好きになりました」。

ヒュー・ジャックマン演じるマイクが熱唱 [c]2025 Focus Features LLC. All rights reserved.
ヒュー・ジャックマン演じるマイクが熱唱 [c]2025 Focus Features LLC. All rights reserved.

歌唱パート以外の魅力についても質問すると、「言葉では表わすのは難しいんだけれど、マイクとクレアが音楽で通じ合う瞬間の“スパーク”みたいなものがちゃんと描けているところ。あの2人が創った世界が花開くような瞬間を監督も見せたかったんだろうね。あそこまで音楽のパートナーとしてもふたつのピースがガッツリはまる、子どもたちも含めて最高の関係になれる相手って滅多に出会えないと思うけれど。その唯一のパートナー、ぶれることのない真実の愛の誕生と成長の瞬間をキチンと捉えられているのもいい。おそらくマイクは、例えどんなことがあってもクレアとなら乗り越えていけることが、最初からわかっていたのだと思う」と熱弁する。

ちなみにマイクという人物に、ダイアモンド☆ユカイはシンパシーを感じたのだそう。「キャラクター的にはまず不器用なところが自分と似てる。あと一度決めたことは譲らない頑固なところも自分と同じだなぁと。しかも映画では僕と同じギブソンのギターを持っているんだよね、色も同じ。僕もメインで使っているギターはギブソン・サザンジャンボなんです。いい音するんだよ。レッド・ウォリアーズでいま、40周年記念ライブをやっていて全国を回っているけれど、このギターを使ってるんです」。

【写真を見る】ダイアモンド☆ユカイ、「スウィート・キャロライン」を熱唱!愛用ギターは劇中でヒュー・ジャックマンが使用していたものと同ブランド 撮影/木村篤史
【写真を見る】ダイアモンド☆ユカイ、「スウィート・キャロライン」を熱唱!愛用ギターは劇中でヒュー・ジャックマンが使用していたものと同ブランド 撮影/木村篤史

劇中に登場したものとそっくりなギターを披露してくれたほか、「マイクはニール・ダイアモンドのトリビュート・バンドをしているわけだけど、僕に“ダイアモンド”って名前がついていること自体、親戚みたいな感じがするし(笑)」と、笑いを誘うトークも展開。

「マイクと一緒で浮き沈みがいろいろあった人生」

バンドは徐々に人気を集め、ライブで各地を回る [c]2025 Focus Features LLC. All rights reserved.
バンドは徐々に人気を集め、ライブで各地を回る [c]2025 Focus Features LLC. All rights reserved.

また、マイクの人生にも共感するところが多いという。「もともと僕の両親は公務員で、真面目な人たちだったから僕にも公務員をやってほしいという願望を持っていた。そんな両親の夢を以前は担おうとしていたんですよ。それで自分も大学附属の高校に入り、大学まで進学して。そうやって親が敷いたレールの上を歩いていくつもりだったんだけれど、ロックンロールという自分の夢に出会っちゃった。それで両親が描く人生とは真逆の方向にいっちゃったわけ」。

両親の期待とは違う道を選んだ理由について尋ねると「人生は一度きりだし、自分の好きなことに挑戦もしないで生きるよりは…って思ったから。でも周囲は公務員の住宅だったし、ロックスターを目指すなんて言っているのは僕くらいだったし、親にしてみれば僕が道をひっくり返したのはショックだったと思うよ。ちょうどそのころに父親も亡くなって、これでいいのかという葛藤も生まれてね。でもレッド・ウォリアーズを結成して活動し始めたら3年間で武道館まで行ってしまって…“ロックスター”にいきなりなっちゃったんだ」。

マイクとハグをする義理の娘 [c]2025 Focus Features LLC. All rights reserved.
マイクとハグをする義理の娘 [c]2025 Focus Features LLC. All rights reserved.

自身の葛藤や不安をよそに、順風満帆なスタートを切ったダイアモンド☆ユカイだったが…。「ただそこで僕はつけあがっちゃったんだよね。後輩バンドに先輩面したりね。そこからはスターな人生ではなく、“スターダスト”な人生になっていった。バンド解散、結婚・離婚…といろいろ続きました。マイクも成功と挫折を味わうけれど、まさにマイクと一緒で浮き沈みがいろいろあって。事務所も追い出されたし、失業保険をもらったことだってある。1人でライブハウスで演奏していたこともあるしね」。人生の厳しさ、難しさを身をもって学んだそうだ。

「子どもには、好きなことを見つけて、夢を持ち続けてほしい」

現在は娘一人、双子の息子たちがおり、妻と娘は大阪に住んでいて、それぞれの拠点で暮らしている。そんな彼の家族への向き合い方についても聞いてみた。「家族との向き合い方で大切にしていることと言ったら、執着しないってこと。やっぱり、親って子どもに対してあれしろこれしろ、こっちのほうがいいよとか、つい言いたくなっちゃうもの。でもそこに執着心は持たないようにしていないとダメ。子どもには子どもの人生があるから」。

ニール・ダイアモンドの大ファンであるダイアモンド☆ユカイ 撮影/木村篤史
ニール・ダイアモンドの大ファンであるダイアモンド☆ユカイ 撮影/木村篤史

そう考えるのは、大学生でロックンロールと出会い、“ロックスター”という夢を追いかけた、自身の経験が反映されているからだと感じる。「一番願っていることは、好きなことを見つけて悔いのない、生きてきてよかったと思えてほしいということ。そこさえ叶えばなんでもいいですよ。すべてにおいて、人間って執着しちゃうからね。それをとっぱらった時に見えてくるもの。それを子どもたちに教えるのではなく。見つけてほしいなと思うんだよね。わからせるのではなく、相手がわかるのを待ちたい。とにかく自分の一番楽しいこと好きなことができる=人生の張り合い。夢はぜひ持ち続けてほしいと思うね」。

マイクとクレアは、トリビュート・バンドとして活動する [c]2025 Focus Features LLC. All rights reserved.
マイクとクレアは、トリビュート・バンドとして活動する [c]2025 Focus Features LLC. All rights reserved.

本作は夫婦愛についても描き出している。成功を夢見て共に歩んできたマイクとクレアだが、ある出来事をきっかけに絶望の淵に立たされてしまい、関係性にも亀裂が生じることに。一度同じ方向を向けなくなった夫妻が、再び同じ方向を向いて走るにはどうするべきだと、ダイアモンド☆ユカイは思っているのだろうか。

「同じ方向を向くためのコツがわかっていたら、僕が教えてもらいたいくらいだよ(笑)。どこかの本で読んだけれど、人は正反対のタイプの伴侶と出会うようにできているんだって。それは自分の成長を促すためで。確かにマイクとクレアも同じ夢を見ているけれど、性格は正反対。2人が出会うことで共に成長していく。実際、彼らには大きな障壁が立ちはだかるし、これで人生が終わってしまうんじゃないかみたいな状態になる。だけどそれを乗り越えた時に出会いのころとは違う、大きな愛が生まれてくる。まさしくそれを教えてくれるような映画だったと思います」。

「『ソング・サング・ブルー』は、大切な人と分かち合いたい映画」

お互いに成長するために不可欠な要素の一つが、女性の強さだ。「女性って強いじゃない?だからマイクが見守ったり支えたりしているように思えるけれど、実際はお互いになんだよね。最初は外見の美しさとかで付き合い始めるけれど、男っていうのは付き合い始めると女性の“強さ”にノックアウトされるわけ。そこで初めて男はわかる。僕は外見の美しさとか可愛さではなく、この強さが好きだったんだって。まさしくこの映画でのクレアはそんなことを教えてくれる」。

ケイト・ハドソン演じるクレア [c]2025 Focus Features LLC. All rights reserved.
ケイト・ハドソン演じるクレア [c]2025 Focus Features LLC. All rights reserved.

ミュージシャンには、それぞれ必ずミューズがいて、マイクにとってのミューズはクレアなのだとダイアモンド☆ユカイは断言する。「僕にとってのミューズは妻なわけだけど、この映画を『もう1度見たい』と言ったのは、その妻と一緒に見たいと思ったからなんだ。僕の場合は、映画は1人で楽しむのが基本。そのほうが集中して見ることができるし、自分の表現とか、歌を作る時にヒントになったりするから。2人で観るとそういう観点がボケちゃう時もあるからさ。だけどこの作品は、“人と分かち合いたい”映画なんだよね。バンドのメンバーや娘、双子の息子たちとも分かち合いたいと思っている。つまり人と見たい映画であり、映画館で見たい映画なんだ」。

「どんな人生も1つの歌。成功しなくても人生を生き続ければいい」

グーサインを決めるダイアモンド☆ユカイ 撮影/木村篤史
グーサインを決めるダイアモンド☆ユカイ 撮影/木村篤史

最後に、本作の見どころを伺った。「最近はQUEENとか、いろいろなスターの人生をベースにした映画ができているけれど、これは特別なスターの話ではないと思う。地元ではスターだったかもしれないけれど、特別な誰かの物語ではなく、音楽を愛したごく普通の人が自分の人生を音楽に変えていったというお話。そこがグッとくるんだよね」。

[c]2025 Focus Features LLC. All rights reserved.
[c]2025 Focus Features LLC. All rights reserved.

これから、映画を観る人へのメッセージを聞いてみたところ、「どんな人の人生も1つの歌なんだって感じました。誰にでも当てはまるから、映画を観ると自分の人生を顧みたくなるし、自分の人生が好きになっていると思う。人生ってなかなか思い通りにならないことが多いじゃない!?でも愛する人と音楽があれば、必ず何度でも立ち上がることができる。成功しなくても人生を生き続ければいい、それが人生の輝きなんだってことを教えてくれる映画でした」と、芯に刺さる言葉を語ってくれた。

取材・文/横森文

※ダイアモンド☆ユカイの☆は、正しくは六芒星。

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