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両親の死後、“実家の相続”を放棄した60代息子→「もう関係ない」と思いきや…半年後、市役所から届いた通知に“絶句したワケ”

  • 2026.6.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元銀行員の金融ライター・池田です。

家族が亡くなり相続放棄をした場合、原則としてすべての財産を引き継がないことになります。

しかし、例外的に相続財産の「空き家」を管理する義務が発生してしまうケースも。

今回は、相続放棄後に空き家の保存義務が発生していたことを知り、約100万円の費用を支払うこととなった男性の事例を紹介します。

空き家となった実家を管理していた男性

60代の男性・Aさん(仮名)は、実家を出て隣県で暮らしていました。

Aさんの父は数年前に他界しており、母は1年前から介護施設に入居しています。

空き家となった実家は、一人息子のAさんが掃除や郵便受け取りなどの管理をしていました。

母の死後、相続放棄の手続きをすることに

その後、Aさんの母は病気で亡くなり、相続が発生します。

相続資産は、空き家となった実家と少額の預金のみ。

また、Aさんの両親は自営業を営んでおり、母には多額の借金がありました。

「実家を手放すのは寂しい気もしますが、面倒は避けたいので相続放棄しようと思います」

Aさんは期限内に相続放棄の手続きを終え、安堵していたと言います。

半年後、市役所から届いた通知

相続放棄から半年後、市役所からAさんのもとに1通の通知が届きます。

そこには、“空き家となった実家に害獣が発生したため対処してほしい”という旨が記載されていました。

「相続放棄したから、自分にはもう関係ないはず」

そう考えたAさんが市役所に問い合わせると、驚きの回答がありました。

空き家を「現に占有している」場合は保存義務が発生

相続放棄をすると原則としてすべての資産・負債を放棄することになりますが、空き家を「現に占有している」と認められる場合、その空き家を管理する「保存義務」が発生します。

「現に占有している」状態とは、以下のような例を指します。

  • 実家暮らしをしていた相続人が、相続放棄するまでそのまま暮らしていた
  • 親の施設入居などで空き家となった実家を掃除や郵便物受け取りなどの形で管理しており、親の死後も相続放棄するまで管理を継続していた
  • 相続放棄後も空き家となった実家に自身の荷物などを保管していた

Aさんの場合、母が施設に入居してから相続放棄をするまでの間、実家の管理を続けていたことが「現に占有している」と判断された主な要因でした。

しかし、Aさんは遠方への引っ越しを控えていたため、今後の管理・売却などの手続きは外部に任せたいとの考えでした。

この場合、保存義務を免れる方法は以下の2つです。

  • 他の相続人に引き継ぐ
  • 相続人に代わって空き家などの遺産管理を行う専門家である「相続財産清算人」を選任する

今回はAさんのほかに相続人がいなかったため、Aさんは70万円の費用をかけて「相続財産清算人」を選任することに。

ただし、相続財産清算人の選任には数か月かかるうえ、選任完了までの空き家の保存義務はAさんにあります。

害獣の発生を放置していると周辺住民への影響から損害賠償請求へとつながりかねないため、Aさんは30万円の費用を支払って害獣駆除を依頼。

結果として、トータルで約100万円の出費となりました。

空き家の相続放棄は慎重な判断が求められる

空き家を「現に占有している」かどうかの判断は、ケースごとに異なります。

「知らないうちに保存義務が発生していた」という事態を避けるためにも、相続放棄の際は専門家に相談するとよいでしょう。

また、相続財産で空き家売却までの費用をカバーできる場合、相続放棄をしないのがベターな可能性も。

相続放棄は原則として撤回できないため、リスクを踏まえた慎重な判断が求められます。


監修・執筆:元銀行員・ikebu

元銀行員・行政書士資格保有の金融・法律ライター。一種外務員資格(証券外務員一種)、行政書士資格を保有。大学では法学部・法律学科に在籍し、卒業後は地方銀行に入行。個人リテール業務において、投資信託・生命保険商品の販売を中心とする資産運用のサポートのほか、住宅ローンや相続などの幅広い業務に携わる。法人営業では、事業性融資や法人向けの運用商品販売を担当。現在は金融・法律ジャンルを中心にライターとして活動。銀行員時代の経験や保有資格を活かし、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説することを得意とする。

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