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「申告すれば税金が戻る」“市販薬代”を確定申告→「税金が戻る」と思いきや…40代男性が犯していた“痛恨のミス”

  • 2026.6.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、市販薬代の領収書を一年間こつこつ集めてこられた40代男性・会社員Aさんの体験談です。「市販薬代も控除になる」と聞いてセルフメディケーション税制で申告したものの、同じ年にかかった医療費を踏まえると医療費控除のほうが有利で、戻るはずの還付が減ってしまった経緯をご紹介します。

「市販薬のレシートも集めれば戻ってくる」と聞いて

Aさんは40代後半の会社員。奥さまとお子さま2人の4人家族です。

風邪薬や胃腸薬、湿布などの市販薬を家庭でよく購入されていて、同僚から「対象の市販薬代も申告すれば税金が戻る」と聞き、一年間レシートを保管されたといいます。対象になる市販薬代は、その年で2万円程度ありました。

これはセルフメディケーション税制という仕組みで、健康診断などを受けている方が、対象のスイッチOTC医薬品を年間12,000円を超えて購入した場合に、超えた分(上限88,000円)を所得から差し引けるものです。Aさんは集めたレシートをもとに、この制度で確定申告をされました。

同じ年に、家族の通院と入院があった

その年の申告を済ませたあと、翌年の確定申告に向けて医療費を整理していたときのことです。前の年に奥さまの手術入院やお子さまの通院が重なり、保険適用後の自己負担として医療費が25万円かかっていたことに気づかれます。

セルフメディケーション税制と医療費控除は、どちらか一方しか選べません。両方をあわせて使うことはできない仕組みです。

医療費控除は、一年間に支払った家族全員の医療費が10万円(所得が一定額未満の場合は所得の5%)を超えたとき、超えた分を所得から差し引ける制度です。

「市販薬のことばかり考えていて、病院でかかった医療費と比べるという発想がありませんでした」Aさんはそう振り返ります。

差し引ける金額が14万円違い、還付が目減り

セルフメディケーション税制で差し引けたのは、市販薬代2万円から12,000円を引いた8千円でした。

一方、医療費控除を選んでいれば、医療費25万円から10万円を引いた15万円を差し引けた計算になります。差し引ける金額の差は約14万円。

セルフメディケーション税制と医療費控除は、一度どちらかを選んで確定申告をすると、後からもう一方へ選び直すことは原則としてできません。Aさんも申告を終えたあとに気づいたため、有利なほうへ変更できませんでした。

二つの制度は「その年の医療費」で選ぶ

セルフメディケーション税制と医療費控除のどちらが得かは、その年に病院でいくら払い、対象の市販薬をいくら買ったかで決まります。なお、医療費控除では病院や歯科医院での診療費だけでなく、治療や療養のために購入した医薬品の費用も対象になります。例えば、風邪をひいた際に購入した風邪薬なども医療費に含められる場合があります。

医療費が10万円を超えそうな年は医療費控除、そこまで届かず対象の市販薬をよく買った年はセルフメディケーション税制、と見当をつけておくと迷いません。

そのためにも、病院・薬局の領収書と対象の市販薬のレシートは、分けて一年分そろえておくこと。セルフメディケーション税制を使うなら、健康診断や予防接種など一定の取組を受けた記録も残しておきましょう。

Aさんのように申告してから気づいても、選び直せません。提出する前に両方で試算して、戻る金額が大きいほうを選びましょう。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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